九州北部豪雨 被災2校に備品


(2018/01/18)印刷する

支援品、福岡に

 昨年7月の九州北部豪雨で校舎が被災し、別の学校の仮設教室で授業を続けている福岡県朝倉市の市立志波(しわ)小学校(児童数26人)と松末(ますえ)小学校(同27人)に、全自動製氷機と屋外用ワイヤレスアンプ、ビデオカメラが届きました。ベルマーク財団から寄贈された約124万円分のベルマークの一部を利用して購入しました。

 製氷機(19万円)は幅25㌢、奥行40㌢、高さ50㌢ほどで、1日に最大12㌔の清潔な氷が作れて、4.5㌔を貯蔵可能です。けがをしたり気分が悪くなったりした児童の手当や、熱中症の予防などに使われます。

 屋外用ワイヤレスアンプ(17万円)はCDプレーヤー付きで持ち運べ、無線と有線のマイクを接続して拡声できます。ビデオカメラ(6万円)は小型・軽量の耐衝撃ボディーで、4.5時間の長時間撮影ができるスタンダードモデルです。

 

全自動製氷機と屋外用ワイヤレスアンプ、ビデオカメラ(右から)

 山あいの高台にある志波小は校舎わきの斜面が増水した川によって崩落。山間部の松末小は土石流で校舎などが浸水しました。いずれも、同じ旧杷木(はき)町の中心部にある久喜宮(くぐみや)小の運動場に設けられた2棟のプレハブの仮校舎に移って授業をしています。もともと3校はもう一つの小学校と2018年春に統合され、杷木中学校の敷地内に建設中の新校舎に移転することが決まっていました。松末小から持ち寄る予定だった様々な備品類が浸水被害で使えなくなり、どう調達するか、頭を悩ませていました。

 寄贈ベルマークでは、ほかに教材などを投影する書画カメラ2台、会議用テーブル8台、折りたたみイス40脚を購入しています。

 志波小の三浦千鶴子校長は「ベルマークを含め、多くの人々から支援や励ましをいただきました。子どもたちには、いま自分がどう頑張らなければいけないのかをしっかり考えることが恩返しにつながるという気持ちを持ってほしい」と言います。

 同じ朝倉市にある蜷城(ひなしろ)小学校は、1953年の西日本大水害で被災した際に国内外から寄せられた善意に対する感謝の気持ちを持ち続けようと翌年、青少年赤十字に加盟し、60年以上たついまも様々なボランティア活動に取り組んでいます。

 

財団から贈られたベルマークで購入した備品類を囲む志波小と松末小のみなさん

 三浦校長は蜷城小の卒業生で、教師として勤務した経験もあります。「逆境の中で見えて来たものを教育の中で生かし、ずっと大切にしていけば、自分の周りに自然と目を向けることができる子どもが育っていくはず」。そんな思いもかみしめています。

 松末小の塚本成光校長も「いろんな人々に応援されているということを自分たちの力にして、たくましく成長していくことが感謝の気持ちを伝えることになる」と話しています。

 松末小は3月24日、志波小は25日に、元の学校の体育館で閉校式をします。

 九州北部豪雨では、被災して他校の教室を間借りしている大分県日田市の市立小野小学校(冷川善幸校長、児童数33人)にも、ベルマーク財団は30万円相当のブックワゴン数台と書籍を贈りました。

ベルマーク商品

コイン形リチウム電池

ベルマーク検収

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