Dr.ナダレンジャー&李泰榮先生の防災科学教室/栃木・宇都宮市立横川中央小


(2019/12/04)印刷する

 ベルマーク財団の教育応援隊のひとつ「防災科学教室」が11月21日、栃木県の宇都宮市立横川中央小学校(菅原賢一校長、児童525人)で開かれました。国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下、防災科研)との共催で、今年度は全国16校で実施、横川中央小は10校目になります。

 この日は午前の部と午後の部に分かれ、午前の部は1~3年生、午後の部は4、5年生を対象に教室が開かれました。まず午前の部です。午前10時30分、1~3年生児童268人が体育館に集まりました。講師はDr.ナダレンジャーこと防災科研研究職・納口恭明(のうぐち・やすあき)さん。始めに副校長先生の合図で子どもたちが「よろしくお願いします」と元気よく挨拶をして教室が始まりました。

 ナダレンジャーは「まず先生をみてどう思った? かっこいいと思う人は? 不審者だと思う人は?」と問いかけます。児童の反応をみた「2番目に手を挙げた人は正しいと思う。こういう人がいたら近づいたらダメですよ。でもこう見えても博士なんだよ」と伝えると子どもたちは「ええー!!」と口々に驚いた様子でした。

 「私は不審者ではありません、でも怖いことはするよ。だって防災って書いてあるでしょ。地震は知ってる? 台風は知ってる? 台風19号でここも川から水があふれちゃったみたいだけどみんなのお家は大丈夫だった?」と聞くと「はーい!大丈夫でした!」と答えていました。

 最初にナダレンジャーが取り出したのは、大小のうちわとプラスチック製の突風と書かれた空気砲。「あたりたい人いる? じゃあいくよ」。風を当ててほしい子どもたちが大騒ぎ。「もしこの空気砲が体育館ほどの大きさで、人間がアリの大きさだったらどうなる?」とみんなに問いかけたナダレンジャーは、「災害は、巨大だから怖いだけなんだよ」と話します。


 次は雪崩の実験。勾配のある坂の上からピンポン球を30万個落とした時の写真を見せ、その後に発泡スチロール粒を入れた太くて長いビニール袋で雪崩を再現してみせます。猛スピードで迫ってくる雪崩を実感し、どの子も真剣に目を見開いて見ていました。「大きな災害が来た時は、誰も助けに来てくれません。自分たちの命は自分で守ることを忘れずに」

 次は液状化現象の実験です。地震による地盤の液状化を再現する「エッキー」は、ペットボトルに砂と丸ピン(画びょう)を入れ、水を満たしたもの。「災害時、水が止まってしまったらこのボトルの水を飲むといいよ」「はーい」「いや、これ飲んだらお腹壊しちゃうから絶対ダメだよ」。冗談を交えながら実験を進めます。ボトルを逆さまにして砂を徐々に沈め、指先でポンと表面を弾くと、沈んでいた丸ピンが砂から浮き上がりました。続いてボトルの砂の中に皿を付けた棒を立てます。軽くたたくと、今度は棒がぐっと沈んでいきます。「えーっ!」とこどもたちは驚いた表情でした。

 続いて地震の実験。建物の高さによって揺れ方が変わることを学びます。高さの違うビルに見立てた大中小の3つのスポンジで出来た「ゆらゆら3兄弟」を取り出し、どれが一番大きく揺れるか聞くと、多くが「一番長いスポンジ」に手を挙げました。でも、揺らし方をゆっくり、或いは素早く、とリズムを変えて試すと、ゆっくり揺らせば長いスポンジが大きく揺れますが、素早く揺らせば短いスポンジの方が大きく揺れます。「地震には、それぞれの高さの建物に合った揺れ方のリズムがあるんだね。揺れるものがあれば後で試してみるといいよ」。


 最後に、ナダレンジャーは台車に発泡スチロール製のブロックを30個以上も積み上げました。選ばれた11月生まれの子どもたちがそのわきにスタンバイ。頭を腕で覆ってダンゴムシのように身を丸くして伏せるようにとナダレンジャーが指示し、みんなの手拍子に合わせて台車を揺らします。およそ10秒後、カコーン!という音とともにブロックはあっけなく崩れました。「これは遊びだから楽しいけど、もしここでけがでもしたら大変なことになるから、地震の時はブロック塀のそばに寄っちゃだめだよ」

 「以上でおじさんの実験は終わりです。これ楽しいと思ったら大間違い。これが大きくなったら大変だよ。」と言いながら、ナダレンジャーは変装を解き始めました。「これ実はカツラだったんだよ。みたい人?」「はーい!」と子どもたち。カツラをとって「以上でおしまいになります」。素顔に戻った納口さんは、縦笛で「蛍の光」を演奏する恒例のやり方で午前の部を終えました。


 午後の部は1時50分から4、5年生175人が対象。講師は防災科研研究員の李泰榮(い・てよん)さん。地域の防災活動や学校の防災教育を研究しています。まず初めに「わたしの防災手帳」という資料が配布されました。スクリーンの映像と資料を使って、災害が発生したときはどう行動してどこに避難すればいいかを説明していきます。

 「災害が起きた時、一番始めにする行動は何だろう?」と李先生は問いかけます。そして「一番始めにする事は身の安全を確保することだね。特に大雨の時は早めに避難すること。そのためには日ごろから安全な避難場所や避難所と避難経路を確認しておくことが大事です」。

 災害を防ぐための様々な対策が画面で紹介されます。「こういうことを大人たちがやっている。でも、想定外という言葉を聞いたことあるかな? 対策を超える災害が起こりうる。では、みなさんができることは何だろう?」。例えば地震だと、東日本大震災は発生が生まれて間もない頃なのでこどもたちの記憶にはありません。そこで東日本大震災の映像を出すと、みんな「えーっ」とびっくり。

 「震度6弱以上は家具が倒れてしまって下敷きになっちゃうね。みんなのお家は家具が倒れないように転倒防止の道具を使って対策しているかな?」と李先生。「やってるー!」「やってない!」様々な答えが返ってきます。「災害前に家具が倒れないように今から対策できるね」と李先生は子どもたちに約束してもらいます。

 続いて李先生は「ハザードマップって知ってる?」と問いかけました。最初に配った「わたしの防災手帳」の裏面には、横川中央小周辺の洪水ハザードマップがのっています。「お家に帰ったら、よく行く場所に危険がないか、安全な避難場所や経路はどこか、お父さん、お母さんと確認して下さいね」



 ここで講師が交代し、再びナダレンジャーの登場です。「おじさんの話をよく聞いてね。李先生が話した液状化現象がどんな現象かみたい人いる?」。液状化を再現する「エッキー」など、おなじみのグッズが再度登場し、子どもたちに、どういう現象が災害なのか、午前中と同じように身の回りの物を使って実験してみせます。

 そして、実験の最後にはやはり〝変身〟を解いて素顔の納口さんに戻り、縦笛で「蛍の光」を演奏、この日の防災教室は終わりました。

 菅原校長に教室の感想を聞きました。「実験を通してわかりやすく説明していただきました。災害を小さくコンパクトにして、目の前で実験するのを見ることで、こどもたちも楽しく防災というものを勉強できたのが良かったです」とお話して下さいました。

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