三年目迎えた東大阪市


(2017/07/12)印刷する

 自治体として全国で初めて2015年3月からベルマークの収集に取り組み始めた大阪府東大阪市。郵便局などの協力も得て、この2年間で累計10万点を超えるマークを集め、地元の学校と東日本大震災の被災校へ寄贈してきました。仕分けと計算の実務を担う市職員のボランティアグループ「ベルの会」は、「『無理なく、無駄なく、根気よく』のベルマーク精神で、市民の間に運動の輪をさらに広げていきたい」と意欲的です。

 市は、ベルマーク運動が誰でも気軽に取り組めるボランティアであることに注目しました。地域活動やコミュニティーづくりへの市民の関心を高めることにつながる効果を期待して、運動への参加を決めました。

「ベルマーク運動を地域でのコミュニティーづくりにつなげたい」と話す中尾悟さん。着ているラガーシャツは、東大阪市も会場になっている2019年のラグビーワールドカップ日本大会を盛り上げようと、職員らがクールビズに合わせて着用している

 地域活動の拠点である市内7カ所のリージョンセンターと市役所本庁舎内に収集箱を置き、広報誌や市のホームページを通じて市民にマークの収集を呼びかけてきました。15年8月からは、市と近隣の八尾、柏原両市にある90の郵便局でつくる河内中部地区郵便局長会も収集に協力しています。

 集まったマークの仕分けは「ベルの会」が引き受けています。仕事の都合で間が空くこともありますが、1~2カ月に1回を目標に作業を重ねています。

 今年7月3日までに仕分けしたマークは約4万6千枚で、総計10万6千点になります。このうちの半分を市内にある公立の小中学校と幼稚園、支援学校に順番に寄贈し、残る半分をベルマーク財団を通じて東日本大震災の被災校支援に充てています。

 ベルマーク運動に参加した当初から市協働のまちづくり部の部長として関わり、「ベルの会」の世話役を務めてきた中尾悟さん(58)=現・監査委員事務局長=によると、仕分け作業時には、多い時で3千枚、少ない時でも1千~1500枚ぐらいのマークが集まっているそうです。「市役所内では、自分の職場があるフロアでマークを集めて持ってきてくれる職員もいます。派手な活動にはなっていないけれど、市民や職員にそれなりに関心を持ってもらい、地道に取り組んでいるという感じでしょうか」

 「ベルの会」の悩みは、「作業の人手が足りないこと」です。当初は7~8人が参加していましたが、異動や家庭の事情もあってレギュラーメンバーが減り、仕分けが追いつかない状態なのだそうです。

 「全国の自治体に先駆けて始めたベルマーク収集の試みを、継続的に発展させていくためにも、3年目の今年は、ボランティアの意義や楽しさを積極的にPRして担い手を増やしていきたいですね」と中尾さんは話します。

 着ているのは、東大阪市も会場になっている2019年のラグビーワールドカップ日本大会を盛り上げようと、職員らがクールビズに合わせて着用しているラガーシャツです。

 

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 ベルマーク運動の新しい流れとして、自治体では兵庫県三木市が15年7月から、愛知県豊橋市が16年4月から、それぞれベルマーク運動に取り組み、市民にマーク収集を呼びかけています。

 


 

【 東大阪市 】 
生駒山のふもとから河内平野に広がる大阪府東部の都市。1967(昭和42)年2月1日、布施・河内・枚岡の3市合併により誕生。市花園ラグビー場は、1929(昭和4)年に日本初のラグビー専用グラウンドとして完成。「ラグビーの聖地」と言われる。国内有数の中小モノづくり企業の集積地でもある。人口は大阪、堺の両政令指定都市に次いで、府で3番目の約50万人。

 

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