一枚のはがきからたどる、北海道・佐呂間町の「ベルマーク協力隊」活動の軌跡


(2019/10/03)印刷する

 夏の終わりが近づいた頃、財団に一枚のはがきが届きました。

 「今般、地域の行事(かぼちゃ祭り)において、町内ボランティア団体の交流コーナーを設ける予定です。そこで、ベルマーク運動をPRするのにポスターの図案や説明書きなどがあれば、是非教えていただけませんか」

 差出人は北海道・佐呂間町の山保浩之さん。肩書きは「ベルマーク協力隊」とあるだけ。いったいどんな活動をされているのだろう? はがきに記された言葉を手掛かりに、検索サイトで調べたところ、町の社会福祉協議会が発行する「社協だより」昨年6月号の「ベルマーク収集活動10年目の成果」という記事にたどり着きました。協力隊は町ぐるみのマーク収集活動を呼びかけており、山保さんはその代表でした。山保さんや町の方々に電話で連絡を取り、活動の軌跡を聞いてみました。

 佐呂間町は北海道のオホーツク海側に位置し、人口約5200人。町の北側は日本三大湖のひとつ、サロマ湖に面しています。展望台があって美しい湖面と雄大な景色が一面に見渡せます。湖に突き出したキムアネップ岬では秋になると、群生するサンゴ草が真っ赤に色付きます。町の特産品は湖で養殖されるホタテ、そしてかぼちゃ。テンサイ(ビート)、小麦などの栽培や酪農も盛んです。


(以上、佐呂間町役場提供)


 話は15年以上前にさかのぼります。当時、町立佐呂間幼稚園では、父母の会(PTA)が地域とともにベルマークの収集を活発に行い、貯めた預金でテントを購入しました。これをきっかけに、園のお母さんたちの間で今後も収集活動を続けたいという声があがりました。ところが町内の小・中学校はベルマーク運動に参加はしていても、活動は休止状態だったそうです。

 町の学校も少子化のための統合が相次ぎました。2006年4月に9校あった町の小学校は佐呂間小・若佐小・浜佐呂間小の3校に、3校あった中学校は佐呂間中1校に再編されました。働くお母さんたちが増え、佐呂間幼稚園は幼保一元型の佐呂間保育所となりました。

 こうした状況の中、ベルマーク活動継続のため、佐呂間幼稚園での経験者も参加する子育て支援団体「かるがもネットワーク」が動き出しました。佐呂間高校のボランティア委員会に参加を呼びかけるなどして輪を広げ、最終的には町全体の問題としてPTA連合会が取り組んでいくことになりました。そのときの連合会の役員が山保さんでした。

 2009年に活動はスタート。翌年6月には山保さんを代表とする「ベルマーク協力隊」が結成されました。先生の異動やPTA役員の交代がある中で、活動を長く支え続ける役割が必要だったのです。

 回収箱は、町民がマークの収集に協力しやすいよう、園や学校だけでなく町役場、図書館や公民館などの公共施設、スーパーにも置いています。インク・トナーカートリッジ、テトラパックも各所で集めています。

 仕分け・集計は年2回、佐呂間高校で実施します。同校ボランティア委員会の生徒たちや協力隊、PTAが担当しています。3年前からは地域のライオンズクラブも作業に加わるようになりました。点数はすべて佐呂間小に集約してベルマーク預金を貯めていきました。

 2017年、佐呂間小の預金残高が10万点を超えました。いよいよお買いものをしようということになり、翌2018年に初めて備品を注文。佐呂間小には本、佐呂間保育所には「やわらかおままごとセット」、若佐小にはスポンジボール、浜佐呂間小にはポップアップサッカーゴール、佐呂間中学校にはトロフィーと、それぞれ希望の品が届きました。取りまとめや手続きは協力隊が中心になって行ったそうです。活動を始めてから10年目のことでした。

 山保さんとやり取りをするうち、以前から手紙やFAXで財団に問い合わせをいただいていたことが分かりました。「読みやすい入門編のような資料はありませんか?」「カートリッジやテトラパックの収集について深く学びたい」「整理袋の学校名の欄に押すスタンプ印を検討中です」……。その筆致はいつも力強く、活動への熱い思いがあふれているようです。

 9月7・8日、佐呂間町では、かぼちゃをテーマにした「シンデレラ夢祭り」が開かれました。30年以上続く町の一番大きなお祭りです。8日には町社協による「ふれあい広場」が設営されました。その色々なイベントや出店の中に、今年初めて住民の活動を紹介するコーナーが設けられました。山保さんのハガキにあったコーナーです。当日は「ベルマーク協力隊」の看板を出し、仕組みの説明やマークの回収をしました。

左から2番目が山保浩之さん。町民からマークを受け取る(佐呂間町社協提供)

 「コーナーは地味でしたが、テトラパックの収集がベルマークになることを知ってもらうなど、良い機会になりました。他のボランティア団体と交流できたことも、新たな可能性を感じました」と山保さんは言います。そして、今後については「高校のボランティア委員会が半年交代なので、活動の情報共有や発信が課題。リサイクルによるベルマーク収集についても、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と話しました。


 佐呂間町は東京都港区とは交流の歴史があり、10月13日まで港区で実施されている「ジャンボかぼちゃ重量当てクイズ」は、今年で25年目の開催だそう。区役所1階ロビーに置かれた、直径60センチ、胴回り約170センチという巨大な佐呂間町産かぼちゃの重さを予想して用紙に記入します。当たった人(正解なしの場合は最も近い人)には佐呂間町から特産品が贈られます。かぼちゃは12・13日には芝公園などで開かれる「みなと区民まつり」の佐呂間町物産テントに移動します。問い合わせは港区産業・地域振興支援部産業振興課(03-3578-2551)へ。

佐呂間町産のジャンボかぼちゃ(港区提供)

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