総合学習でベルマーク運動に取り組む


(2014/11/27)印刷する

不登校の子らが学ぶ岡山・吉備高原希望中学

吉備高原希望中学のベルマーク運動を取り入れた総合的な授業

 不登校の子供たちが自然の中で集団生活をして自立を目指す岡山県・吉備高原希望中学(平井信雄校長、36人)が、昨秋から総合学習の授業でベルマーク運動に取り組んでいます。マークを集めて商品を買うと、代金の1割が被災地支援に充てられる仕組みを使って子どもたちの思いを被災校に届けるのが狙いです。

 同校では3学年が一緒になって授業を受けます。毎週木曜日の2時間が総合的な学習に充てられ、3つのコースの中から希望の授業を選べます。ベルマーク運動に取り組んでいるのは、自然災害などの被災地支援にあたる「Lifeマイスター」クラスの12人です。

 財団が訪問した11月20日の授業。担任の河野景子先生が教室の黒板に、ベルマークの仕分けと集計の作業手順を書いた紙を貼りだしました。

 「では今から作業を始めましょう」の掛け声で、生徒は2、3人一組になって集まったマークを番号や点数別にイチゴパックに仕分けていきます。

 「このマークはどこの?」「これ間違っているよ」とわいわいと喋りながらも順調に進みました。なかには「あー疲れた」「面倒くさいなあ」と作業を投げ出しそうになる生徒もいましたが、少し休憩すると再び、仕分けに取り組みました。

熱心にマークの仕分け作業に取り組む生徒

 1時間を過ぎると河野先生がベルマークのついたジュースとクッキーを全員に配り「ちょっと休憩時間です」と言うと、みんな「わーい」と嬉しそうでした。

 昨秋から始まったベルマーク授業は今回で1万点を超えました。生徒たちは「サッカーボールを買おう」「もっと貯めよう」と楽しそうでした。

 同校は岡山県北部の自然いっぱいの吉備高原にあります。不登校や引きこもりなどの問題を抱えた子どもたちが全国から集まり寮生活を送っています。毎週末には実家に戻り、その際、実家で集めてもらっているベルマークを学校に持ち寄ります。また地元の人たちにも収集を呼びかけています。

 総合的な授業はほかに高齢者施設との交流を図る「ハートフルスマイル」、ガラス工芸などのものづくりに取り組む「希望クリエイター」のコースがあります。昨秋、生徒の発案でベルマーク運動に取り組んでから「ベルマークはこの箱にいれてね」などの手書きのポスターが学校中に貼られ、全校生徒が協力してくれています。

ベルマーク集めを呼び掛ける手書きのポスター

 今年6月には牛乳やビスケット、バナナなどのベルマーク商品だけを使ったおやつ作りの授業もありました。河野先生は「仕分けなど地道な作業ですが、続けることで目に見える成果が出ます。不登校や引きこもりなどの問題を抱えた子どもたちのやる気を引き出せている」。マークで早く買い物をして、東日本大震災などの被災地を支援できるようになるのが生徒たちの目標です。

ベルマーク商品

Penfield マリオ アドベンチャー デイパック

ベルマーク検収

今週の作業日:3/25~3/29
1/31までの受付分を作業中