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スタート練習やリレーに集中 根室・海星小中学校で走り方教室

走り方教室に参加した海星小中学校の生徒たち
 北海道根室市西和田の市立海星小中学校(熊谷猛校長、児童・生徒73人)で、7月17日、「ベルマーク走り方教室」が開かれました。参加したのは中学生全員になる28人で、日清食品グループ陸上競技部の皆倉一馬選手(23)、小野裕幸選手(22)から2時間余りにわたって、速く走るコツやトレーニングの方法などを教わりました。走り方教室は、鹿児島県さつま町の柊野(くきの)小学校に続いて今年2回目になります。
ウオーミングアップで選手と一緒に走る生徒たち 海星小中学校は、2006年4月に2つの小学校と1つの中学校が統合されて誕生しました。根室半島の付け根に近く、オホーツク海と太平洋に挟まれています。近くには風蓮湖とオホーツク海の間に横たわる細長い砂州「春国岱(しゅんくにたい)」や汽水湖の「温根沼(おんねとう)」などの豊かな自然に恵まれ、学校の周りには牧場などもあります。根室地方は天候不順が続いていましたが、この日は青空がまぶしい快晴になりました。
足を曲げないで走るのって難しいー 合宿中の網走市からかけつけてくれたコーチ役の2人の選手の指導で、教室はスタート。まず「けがをしないようにするのが大切」とストレッチやウオーミングアップをじっくりとやった後、走るための筋肉づくりのトレーニング方法の実技指導がありました。「足を曲げないで前に投げ出すように走って」「飛び跳ねるように走って」などの指示に、生徒たちは苦戦しながらも挑戦していました。コーチたちの「すごい。できた、できた」とほめたり、「スキップじゃないよー」とちゃかしたりしながらの指導に、生徒たちも笑顔で取り組んでいました。
腕立て伏せからのスタート練習に挑戦 次はスタート練習。「いかに速く反応するかがポイント」と基本的なクラウチングスタートを練習した後に、座った状態からスタートしたり、腕立て伏せの状態からスタートしたりと、敏感に反応するための練習を繰り返しやりました。コーチが、見えない位置で合図するため、生徒たちは懸命に集中していました。周りで見守る先生たちも「最初は少しだらだらという雰囲気でしたが、ずいぶん変わるものですねー」と感心していました。最後は7人ずつ4チームに分かれてリレー。優勝チームには全員に日清陸上部のオリジナルタオルが賞品として贈られるとあって、応援にも力が入っていました。
 終わりに小野選手が「この教室をきっかけに、しっかり体を動かして運動する楽しさを感じてもらいたいと思います」とあいさつ、「何か質問がありますか?」に次々と手が上がりました。「どうしたらもっと速く走れるようになりますか」に小野選手は「長距離は強くなりたいという気持ちが大事。練習すればするほど伸びます。短距離はやはり潜在能力の部分が大きいんですが、やはり努力次第のところもあります。だめだと思わないで伸びると信じてやることが大事です」などと答えていました。
 3年の成田茜さんと鈴木貴也さんが生徒代表でお礼のあいさつをしました。成田さんは「少し疲れたけど、思っていたより全然疲れなかった。かなり楽しかったです。良い経験ができました」と話していました。

《写真上から》
・走り方教室に参加した海星小中学校の生徒たち
・ウオーミングアップで選手と一緒に走る生徒たち
・足を曲げないで走るのって難しいー
・腕立て伏せからのスタート練習に挑戦

(2009/07/23)

パプアニューギニアとフィジーの「子供の森」に活用

 ベルマーク財団が友愛援助事業の1つとして募集している財団法人オイスカの「子供の森計画支援」について、オイスカの永石安明・事務局長から「パプアニューギニ植林された「子供の森」の下で笑顔の子供たち。ベルマーク入りの看板も=パプアニューギニアのクリフトン小学校でアとフィジーの計3校の子供の森に活用させていただきました」と報告がありました。今回報告されたのは、第10回(2007年度)の友愛援助募集に全国の参加学校などから寄付された130万6546円などを元にした支援金200万円の分になります。3校には植樹とともに、「ベルマーク」入りの看板も設置されました。
 パプアニューギニアでは、ニューブリテン島の北東部ラバウルから南30キロにあるクリフトン小学校(児童284人)が支援対象になりました。1994年のラバウル火山噴火で避難してきた人たちが多く住んでいる村だそうです。
 最近では、原生林が伐採され、模型飛行機の骨などにも使われる軽い材質のバルサの木だけが大量に植えられ、画一的な自然になっていることやカカオなどの大規模プランテーションも増えています。オイスカではジェミリーナ、アカシアなど175本、サ植林作業するナラギ小学校の子供たちとオイスカのスタッフ=フィジーでワーアップなどの果樹15本、パームツリー55本など、多種多様の樹木を学校近くに植樹しました。「伐採で生態系が壊れると、森からの恵みもなくなる。そういうことも教えながら植樹を続けていますが、貧しい人たちに木を切るなと言ってもダメなので、生活が成り立つように果樹を混ぜたりして植えています」と永石事務局長。植林には親や地域も参加し、ようやく「子供たちが植えた木は大事に」という意識が生まれてきたということです。熱帯だけに、成長の早いジェミリーナは8メートルの高さにもなっており、子供たちは毎朝、木の下のゴミや落ち葉を掃除し、木陰は昼食や父兄のミーティング会場、読書などさまざまな活動に利用されています。
海岸でマングローブを植えるナワガベシ小学校の子供たち=フィジーで フィジーでは、同国最大の島ヴィチレブ島にあるナラギ小学校とナワガベシ小学校が参加して植林が行われました。フィジーはかつてイギリスが牧場づくりを進めたり、台風による洪水に合ったりしたため、はげ山が目立ちます。両小学校の周辺も岩肌が露出した山が連なっており、植林の必要性が高い地域です。ナラギ小学校は、土壌の弱いところでも育つマホガニーやフィジーマツ、ココヤシなど合計2350本を約3ヘクタールに植えました。ナワガベシ小学校は、海岸沿いにマングローブを2000本、裏山にはフィジーマツ、グアバやアボガドなどの果樹1020本を植林しました。面積は合わせて約1・2ヘクタールになります。まだまだ経済的に環境にまでおマツの木を植えるナワガベシ小学校の子供たち=フィジーで金をかけられない国の事情もあるため、オイスカなどの支援活動に期待が集まっています。
 オイスカの子供の森支援計画は、子どもたち自身が学校の敷地や周辺で木を植え、育てていく活動を通じて「自然を愛する心」「緑を大切にする気持ち」を養い、地球の緑化を進めていこうと1991年始まりました。現在、26の国・地域で3797の学校が参加しています。

《写真上から》
・植林された「子供の森」の下で笑顔の子供たち。ベルマーク入りの看板も=パプアニューギニアのクリフトン小学校で
・植林作業するナラギ小学校の子供たちとオイスカのスタッフ=フィジーで
・海岸でマングローブを植えるナワガベシ小学校の子供たち=フィジーで
・マツの木を植えるナワガベシ小学校の子供たち=フィジーで

(2009/07/22)

体力づくりと思い出づくり、2小学校も交流 鹿児島県さつま町で走り方教室

子どもたち全員で準備体操。深川校長(写真左)も入念に 鹿児島県さつま町の柊野(くきの)小学校(深川晴久校長、10人)で7月7日、今年度最初の「ベルマーク走り方教室」が開かれました。約4キロメートル離れた紫尾(しび)小学校(蓬莱=ほうらい=博之校長、20人)の児童も参加し、両校合わせて30人の子どもたちは、汗びっしょりになりながら、走り方の基本と走る楽しさを学びました。
 講師は、箱根駅伝などで活躍した早稲田大学競走部出身で、NPO法人ニッポンランナーズ(千葉県佐倉市)のヘッドコーチ、齊藤太郎さん。深川校長の「きょうは体力づくりと、一流の先生に教えてもらう思い出づくり、そして柊野小と紫尾小の交流という三つのねらいがあります。みんなで楽しく、頑張りましょう」の挨拶で、走り方教室はスタートしました。
骨格模型を使う齊藤さんの説明にみんな楽しそう 校庭で準備体操を終えると、体全体を使ったスキップです。両ももを引き上げ、腕を広げたり、前後に回したり、横向きに進むスキップも。齊藤さんの動きを見習いながら、みんな一生懸命です。まだ梅雨は明けていなかったのですが、真夏の太陽が照りつけ、ほほを真っ赤にして、汗びっしょりの子もいます。
 ゲーム、ストレッチのあとは、休憩を兼ねてテントの下に移動。齊藤さんが骨格模型を掲げました。「なにか分かりますか」に、ほとんどの子どもたちが笑いながら「骨、骨だ」。齊藤さんが模型を動かしながら「早く走るには、正しい姿勢で、地面をしっかりとらえて、股関節と肩甲骨を十分に使うことが大切です」と説明しました。
ラダーを使ってバランス練習 ラダーを使ったバランス練習では、子どもたちはよろけながらも何度も挑戦。胸に乗せた新聞紙を落とさないようにスピードを上げて走るときには、全員が「わー」と大きな声を上げ、真剣そのものでした。
 「低学年がついてこられるかなと心配していましたが、まったく大丈夫でした」と、齊藤さんもほっとした様子でした。特別参加した卒業生で、毎年2月に行われる県下一周駅伝の地元選抜チームの常連、東條和廣さん(24)も後輩たちの頑張りに満足そうでした。
 4年生の矢野開輝君が「遠くから来ていただきありがとうございました。楽しかったです」と、みんなを代表してお礼の言葉を述べ、閉会です。矢野君は「走るのは好きでも嫌いでもなかったけれど、練習したので、早く走れるような気がします」と話してくれました。
胸の新聞紙が落ちないよう全速力で走る さつま町は、鹿児島県中北部の盆地です。2005年3月に宮之城、鶴田、薩摩町が合併して生まれました。
 柊野小は宮之城地区にあり、中心部からは約8キロメートルの緑いっぱいの山あいにあります。町の小規模校入学特別認可制度の指定校(特認校)です。豊かな自然環境のなかで学びたいと希望して、一定の条件を充たすと、特例で校区外通学が認められます。今年は児童10人のうち5人が宮之城地区中心部から通学しています。以前は通学用バスを利用していましたが、07年度から町が費用を補助するタクシー通学に変わり、毎朝、学校から約700メートルの校長住宅で降り、深川校長と一緒に登校しています。
全員そろって記念撮影=いずれも鹿児島県さつま町の柊野小学校で 柊野小の自慢は、02年にできたオリジナルキャラクターの「クーちゃん」。子どもたち全員のスケッチをもとに5、6年生が話し合って、5カ月がかりで制作しました。ハートの型をしたアズキ色の顔に90と読める大きな眼、緑色の手足がにょっきり。教育目標の「学習や学校行事で全児童が90点を目指す」のシンボルになっています。クーちゃんのシールやスタンプもあり、表彰状にも使われ、子どもたちの励みになっているそうです。

《写真上から》
・子どもたち全員で準備体操。深川校長(写真左)も入念に
・骨格模型を使う齊藤さんの説明にみんな楽しそう
・ラダーを使ってバランス練習
・胸の新聞紙が落ちないよう全速力で走る
・全員そろって記念撮影=いずれも鹿児島県さつま町の柊野小学校で

(2009/07/17)
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