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最多の135人、楽しく走り方学ぶ 五島市の岐宿中学校

 長崎県五島列島の福江島にある五島市立岐宿(きしく)中学校(吉濱洋典校長、135人)で12月2日、今年4回目の「ベルマーク走り方教室」が開かれました。
スタートは体育館で。講師の齊藤太郎さんがトップランナーの映像を使って、正しい走り方の基本を説明
背筋を伸ばして正しい姿勢。なぜかうまくできません

 この日の講師は、ソウル五輪代表選手でベルマーク協賛会社・エスビー食品勤務の遠藤司さんと、NPO法人ニッポンランナーズ(千葉県佐倉市)のヘッドコーチ、齊藤太郎さん。ともに早稲田大学競走部出身で、箱根駅伝などで活躍。遠藤さんがコーチとして齊藤さんを指導したこともあり、2人の息はぴったり。参加者が100人を超える大人数の走り方教室は、今回が初めてでしたが、身振り、手振りとユーモアを交えた話など、2人の分かりやすい教え方に、生徒たちは真剣な表情ながら楽しそう。準備体操の正しいやり方やランニングの基本、競技に取り組む姿勢や心構えを学んで、満足そうでした。
 スタートは体育館から。齊藤さんがトップランナーの映像を使って、走るときの正しい姿勢、効率的な体重移動、腕の振り方などを説明しました。準備体操とストレッチのあと、グラウンドに出て、実技です。
 体育館は肌寒かったのですが、外は日差しに恵まれ季節が1カ月逆戻りしたよう。齊藤さんが「早く走るには、正しい姿勢で、地面をしっかりとらえて、股関節と肩甲骨を十分に使うことが基本」と説明すると、遠藤さんがそれぞれ手本を示し、 脚を上げ、手を振って。ラダーを使ったバランス練習に笑顔がこぼれます 生徒たちが見習います。ラダーを使ったバランス練習、新聞紙をバトン代わりにした持久走、クールダウンまで、多彩な練習メニューが続きました。
 遠藤さんは、体験を踏まえて「夢は見ることではなく、かなえることがすべて。勉強や運動に限らず、大きな夢に挑戦して、実現させてください」と、締めくくりました。陸上部キャプテンで生徒会副会長の木戸俊輔君が「分かりやすく、熱心に教えていただき、楽しみながら練習ができ、よい経験になりました。体育や部活動に生かしていきます」と、お礼の言葉を述べました。

正しいフォームで一斉に短距離走 新聞紙をバトン代わりにした持久走。正しい姿勢なら新聞紙は落ちません

 五島列島は、大小140余りの島々の総称で、大半が西海国立公園に指定されています。岐宿中学校のある福江島は面積が最大、五島市は04年8月に福江市と岐宿町など5町が合併して生まれました。岐宿町は 1977年に町内の3中学校を統合し、岐宿中学1校になりました。吉濱校長の話によると、校区は小学校区3校にまたがり、福江島の約4割と広いため、遠距離の生徒は大型スクールバスを利用しているそうです。

速い。さすがは遠藤司さん。生徒たちをあっという間に抜き去りました 135人の生徒が参加。記念写真の顔は豆粒のようになりました

《写真上から》
・スタートは体育館で。講師の齊藤太郎さんがトップランナーの映像を使って、正しい走り方の基本を説明
・背筋を伸ばして正しい姿勢。なぜかうまくできません
・脚を上げ、手を振って。ラダーを使ったバランス練習に笑顔がこぼれます
・正しいフォームで一斉に短距離走
・新聞紙をバトン代わりにした持久走。正しい姿勢なら新聞紙は落ちません
・速い。さすがは遠藤司さん。生徒たちをあっという間に抜き去りました
・135人の生徒が参加。記念写真の顔は豆粒のようになりました =いずれも長崎県五島市の岐宿中学校で

(2008/12/19)

「棚田の里」で不思議な実験に歓声 長崎県雲仙市千々石第二小学校

「何が始まるのかな」。先生の話聞く子どもたちは真剣な表情です  棚田の里として知られる長崎県雲仙市千々石(ちぢわ)町にある千々石第二小学校(荒木誠校長、43人)で11月18日、出雲科学館長曽我部國久さんを講師に招いて実験教室が開催されました。千々石町は、島原半島の西部、雲仙の山すそが橘湾にのぞむところにあり、3年前に合併で雲仙市になりました。日本の棚田百選にも選ばれた岳地区の「清水棚田」は、急斜面の土地を活用するために、手作業で積まれた石積みで作られており、心に安らぎを与えてくれるすばらしい景観です。10月に行われた全国棚田サミットでは、子どもたちがこの棚田の仕組みや役割を勉強し研究発表をしたそうです。「フゥーッ」「出来たよ」。風船をふくらます子どもたちを校長先生(右端)が優しく見守ります
 当日は、校庭の木の枝がしなるほど、風の強い寒い日でしたが、学校を訪れると児童の皆さんが元気に楽しそうに校庭を走っていました。毎朝トラックを何周できたか数え、地図のます目を塗りつぶしていく「島原半島マラソン」に、校長先生を含め全校児童で取り組んでいます。上級生をお兄ちゃん、お姉ちゃんと呼ぶ、家族のような仲の良い学校です。
 実験教室は10時から体育館で開催されました。液体窒素やヘリウムガスを使った不思議な体験をした最後に、お母さんや先生含め58人が参加して一緒に万華鏡作りに挑戦しました。板を平行に並べてテープをはったり、光が入らないようにすき間無く作るなど、少し難しい作業もありましたが、給食時間を過ぎた午後1時までみんなで頑張り、自分の力で自分だけの万華鏡を完成させました。 世界でひとつの万華鏡が完成し、夢中でのぞきました 中をのぞくと歓声があがります。隣のお友達と取り替えて覗いてみると、こちらもとても奇麗でした。でも曾我部先生の「自分とお友達の万華鏡を交換しますか?」の問いに、子どもたちは笑って首を振ります。「この万華鏡のパターンは一つ一つ違います。人生も同じですよ。お友達のものが良く見えても、自分なりのパターンが出るように、自分にしかできない夢作りにこれからも頑張ってください」。苦労して作った万華鏡を手にみんな満足そうでした。
 人の話しをしっかり聞いて、やるべきときにやる集中力も学びました。この経験がこれからの勉強やマラソン大会でも生かされるといいですね。

《写真上から》
・「何が始まるのかな」。先生の話聞く子どもたちは真剣な表情です
・「フゥーッ」「出来たよ」。風船をふくらます子どもたちを校長先生(右端)が優しく見守ります。
・世界でひとつの万華鏡が完成し、夢中でのぞきました。 =いずれも雲仙市の千々石第二小学校で

(2008/12/02)
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