最近の援助から


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北海道礼文、利尻島で初めての理科実験教室 3町の全小学校から約450人が参加

「さあ、動くかなー」。振動の実験です  「あれ、手がぬれてないよ」。液体窒素の煙に触れた女の子が驚きました。「いいところに気が付いたね。不思議だね」。講師の島根県出雲科学館長曽我部國久さん(島根大名誉教授)がほめます。9月10、11日の2日間、北海道の島では初めての「実験名人ベルマーク科学実験教室」が礼文、利尻島で開かれました。2島3町の全小学校10校と中学校1校(1年生)から合わせて約450人の児童、生徒や先生が参加する島あげての行事になりました。子どもたちは最初、遠慮がちでしたが、目の前で繰り広げられる様々な実験に引き込まれ、質問にどんどん手をあげ、風船などを使った体験に挑戦し、科学の不思議さを楽しんでいました。 「ハーイ、出来たよ」。元気に手が上がります
 最初は曽我部さんがヘリウムガスを吸い、声が変わる実験です。「変な声」と笑う子どもに、「変だというのは、地球だけで通用する常識だよ」と様々な世界があることを説明、子どもたちを引きつけます。細長い風船をマフラーでこすると女の子の髪が逆立ちます。発泡スチロールの粒を入れた風船に向かって大声を出すとふるえます。振動や静電気、磁力など難しいテーマが、風船、細長い紙、歯車が書かれた紙など子どもたちに配られたありふれた小道具も使って分かりやすく説明されます。直径1メートル近い大きな風船に小さな子どもを乗せたり、ヘリウムガス入りの長い風船を飛ばしたり、そのたびに歓声が上がります。合間には、曽我部先生から集中力の大切さや、努力すれば出来ないことはない、などとの励ましが飛び出します。 飛んだ風船に子どもたちは夢中です
 ふだん目にすることのないマイナス196度の液体窒素も主役です。この中にバラの花やゴムボールを入れると凍ってもろくなります。やわらかいバナナも、先生の頭をたたくと割れてしまいます。緊張する子どもの手を取って中に入れても、瞬間的なので、大丈夫です。液体窒素につけたマシュマロを食べる体験コーナーでは、「柔らかいけどサクサクしておいしい」「甘いよ」などと弾んだ声が聞こえました。
 礼文小学校5年の石動結万さんは「電子レンジの中で電球が輝いたのが一番面白かった。理科は少し嫌いだったけれど、ちょっと好きになりました」と話していました。「床にまいて広がった液体窒素を触ったのが楽しかった。ふだんの授業とは随分違っていました」と話したのは鴛泊(おしどまり)小4年蠣崎友香さん。沓形(くつがた)小4年辰己凱君の夢は科学者。「ヘリウムで声が変わったり、液体窒素に付けたマシュマロを食べりしたのが面白かった。実験はとても迫力があった」。また見守った先生方からは、身近にある風船などを使った実験と共に、個性や集中力の大切さを強調するやり方が、参考になった、などという声が出ていました。風船をふくらます「体力テスト」に挑戦。どの子も真剣な表情です
 礼文島では10日、礼文町立礼文小学校(嶋田修司校長、49人)の体育館で行われ、同小の他、香深井小(曽我部藤夫校長、12人)、船泊小(大野敏隆校長、58人)、神崎小(佐藤修校長、15人)が参加しました。利尻富士町と利尻町からなる利尻島では、11日午前に利尻富士町立鴛泊小学校(大石真校長、75人)で開催、本泊小(赤川雅則校長、14人)、利尻小(山海庄市校長、28人)と鴛泊中学校(堀光明校長)の1年生16人も加わりました。午後は利尻町立沓形小学校(本田哲嗣校長、61人)で開かれ、新湊小(坪山則宏校長、10人)、仙法志小(米谷重見校長、28人)が参加して開かれました。 「凍ったマシュマロはどんな味?」
 礼文島は日本最北の島で人口約3200人、レブンアツモリソウやレブンウスユキソウなどの高山植物が多く「花の浮島」とも呼ばれます。利尻島は、標高1721メートルの利尻富士こと利尻山がシンボルで2町合わせて人口約5600人。共にウニ、コンブ、ナマコなどの漁業と観光の町ですが、就職口が限られるため若者の流出が進み、例えば利尻富士町では65歳以上の割合が30%以上、漁師の平均年齢が65歳などと高齢化が進んでいます。こうしたことから小学校の統廃合も加速し、礼文町では5年前の9校が4校に、利尻富士町では7校が4校になりました。利尻町では来春、新湊小が沓形小に統合されて2校になります。そんな中で島の子どもたちは、よく笑い、元気よく手をあげ、声を出していました。
 利尻島を訪れた日は最高気温が22度と9月にしては暖かい日でしたが、風は10メートルを超え、波が白く砕けるほど。しかし「風の島」の人たちは「このぐらいは大したことありません」と話していました。

<写真上から>
・「さあ、動くかなー」。振動の実験です=利尻町立沓形小学校で
・「ハーイ、出来たよ」。元気に手が上がります
・飛んだ風船に子どもたちは夢中です
・風船をふくらます「体力テスト」に挑戦。どの子も真剣な表情です
 =いずれも礼文町立礼文小学校で
・「凍ったマシュマロはどんな味?」=利尻富士町立鴛泊小学校で
(2008/9/26)

汗びっしょり何度も挑戦 習った技、運動会で発表 愛媛の2小学校で講習会

浮谷さんに手をつないでもらいそろそろと前進  一輪車講習会の四国コースが夏休み明けの9月2、3日に愛媛県内子町と久万高原町の2小学校で開かれました。真夏を思わせる暑さのなか、子どもたちは汗びっしょりになりながら、日本一輪車協会のインストラクター小山美由紀さんと浮谷奈菜さんの指導を受け、何度も挑戦。「一人で乗れたよ」「習った技を運動会で発表したい」と、目を輝かせていました。
《内子町立御祓(みそぎ)小学校=藤原弘之校長、22人》
 内子町は愛媛県のほぼ中央部に位置し、県庁のある松山市からは約40キロメートル。05年に旧内子、五十崎、小田の3町が合併し、新内子町になりました。御祓小は五十崎地区の山間地にあります。 手を離しても大丈夫。「やったー」。どんどん進めました
 2日の講習会には全校児童22人が参加。体育館で小山、浮谷さんの模範演技が始まりました。隣接する幼稚園から8人の子どもたちも見学にやってきました。国際大会や全日本大会で優勝経験のある2人のスピード感あふれる華麗な技に、どよめきと拍手が起きました。
 実技指導は校庭に移り、乗れない子と乗れる子に分かれてスタート。一輪車を始めたばかりの1年生3人は、校庭隅の補助棒につかまり、そろそろと前に。 慣れてくると、浮谷さんが片手をつないで一緒に校庭を進み、「前を見て、背筋を伸ばして」と励まします。上岡豊季君は、浮谷さんがつないだ手を放した後も、一人で進みました。上級生が「がんばれ、がんばれ」と声をかけます。何度も挑戦するうちに校庭の半分ほどの距離を走れるようになりました。「きのうまでは1メートルしか乗れなかったので、うれしい。これからも練習する」と話していました。
横乗りができるかな。藤原校長はへき地校援助で届いたデジタルカメラを首に 小山さんに助けられ2人乗りに挑戦
 御祓小は、今年度のベルマーク財団のへき地校援助対象校で、デジタルカメラやプロジェクターなど教育説備品5点が贈られました。藤原校長は、届いたばかりのデジタルカメラで、この日の練習の様子を撮影していました。
《久万高原町立父二峰(ふじみね)小学校=野村融校長、21人》
父二峰小は木造平屋。玄関ホールから左の教室につながっています  久万高原町は、内子町の東隣にあり、林業や米、高原野菜、果物の生産が盛んです。父二峰小の名前は、校区の父野川、二名、露峰の三地区から1字ずつを取って名づけられました。林業が盛んなので、小中学校の改築時には、地元産の木材を使った木造校舎を新築するそうです。6年前に完成した父二峰小も地元材をふんだんに使い、明り採り用の窓屋根が突き出た木造平屋のユニークな校舎です。 乗れない子は舞台の縁につかまって前へ前へ
 講習会の会場は、昨年改築した、やはり木材の香りが漂う体育館です。児童全員が大きな声で「運動会で発表する新しい技を教えてください。よろしくお願いします」と、あいさつ。小山さんが一輪車の基本から始めました。車輪とサドルには前後があることや高さの正しい調節法などを説明したあと、みんなで自分の一輪車の点検です。練習は乗れる子と乗れない子に分かれてスタート。乗れない子は、体育館の舞台の縁につかまったり、小山さんに手を取られたりして、正しい姿勢の乗り方を学びました。
 乗れる子は、浮谷さんの指導で、バックやアイドリング、手をつないでの2人乗車などの練習を熱心に繰り返していました。 運動会目指してみんな真剣な表情
 最後に参加した児童21人を代表して、5年生の丸山智士君が「きょう教えてもらった技をしっかり練習して、運動会で発表します」と、お礼の言葉を述べました。

<写真上から>
・浮谷さんに手をつないでもらいそろそろと前進
・手を離しても大丈夫。「やったー」。どんどん進めました
・横乗りができるかな。藤原校長はへき地校援助で届いたデジタルカメラを首に
・小山さんに助けられ2人乗りに挑戦
=いずれも愛媛県内子町の御祓小学校で
・父二峰小は木造平屋。玄関ホールから左の教室につながっています
・乗れない子は舞台の縁につかまって前へ前へ
・運動会目指してみんな真剣な表情
=いずれも愛媛県久万高原町の父二峰小学校で
(2008/9/24)

「次は何」「もっと教えて」 運動会に備えて猛練習  長崎の2小学校で講習会

手を取って乗れない子の指導。みんな一生懸命です  一輪車講習会の九州コースは9月16、17日、長崎県東彼杵(ひがしそのき)町と大村市の2小学校で開かれました。大村湾に面した海辺の学校と、佐賀県境に近く、多良山系を望む山の学校と、周りの環境は対照的でしたが、どちらの児童も練習に取り組む姿勢は真剣そのもの。日本一輪車協会のインストラクター小山美由紀、津田雅奈さんに「お姉さん、どうするの」「次は何」と、質問攻め。みんな次々と指導を受け、新しい技に挑んでいました。
《東彼杵町立音琴(ねごと)小学校=相川英雄校長、35人》
 東彼杵町は人口9000人余り、お茶の産地で知られています。佐世保市早岐と諫早市を結ぶJR大村線の沿線にあり、テーマパークのハウステンボスまでは、町役場のある彼杵駅から15キロメートル、16〜26分です。音琴小の2階にあるランチルームからは、大村湾が一望できます。逆に、漁船に乗って海から学校を眺める恒例行事があるそうです。
 16日の講習会は、まだ十分に乗れない1〜2年生6人のグループと、乗れる3〜6年生29人は2グループに分かれて指導をうけました。3年生以上は、10月の運動会で集団演技を披露するので、上手になりたい演技や覚えたい技を繰り返し、練習していました。6年生の宮脇隆司君は「きょうの練習の成果を運動会で見てもらいます」と、お礼の言葉を述べました。
 小山さんと津田さんは「失敗を恐れず、怖がらないでどんどん挑戦してください」と、アドバイス。相川校長が「きょうの講習会で一輪車がうまくなったと思う人は?」と、問いかけると全員が「はーい」と、手を挙げて応えました。
《大村市立黒木小学校=浦俊之校長、16人》
インストラクターの2人(小山さん、津田さん)は歓迎の手づくり“金メダル”を首にかけてもらいました 大村市は、東彼杵町に隣接し、大村湾の島を埋め立てて建設した長崎空港があり、970メートルの橋上道路で結ばれています。黒木小は市中心部から車で30分余り、すぐそばに治水対策と水源用に造られた萱瀬ダムがある山間地の学校です。
 黒木小も毎年、運動会のプログラムに「一輪車ショー」を組み込んでいます。指導の参考にするため、講習会に先立って、小山さん手を使わない蹴り上げ乗車の練習を黙々と続ける子どもたちと津田さんは、一昨年の運動会のビデオを見せてもらいました。児童全員が一人ずつ一輪車に乗って登場、グランドを1周し、個人演技を見せたり、風車やメリーゴーランドの集団演技を披露したり、なかなかの腕前です。また、毎年3月にダムの周囲4キロメートルを一輪車で走る行事があり、みんな練習に励むため、自然と上達するそうです。
 講習会は歓迎のあいさつから始まり、16人の児童全員の自己紹介の後、「ようこそ黒木小学校へ」と書いた紙製の“金メダル”の授与と続きました。
 練習では、ペダルを使わず、足でタイヤを回すタイヤ乗りや、講習会は大村市のケーブルテレビ局が取材し、17日夕方に放映しました一輪車を足で蹴り上げる乗り方など、高度な技を、黙々と繰り返す児童が目立ちました。練習前に「タイヤ乗りが8メートルしかできないので、距離を伸ばしたい」と、話した6年生の井川夕稀子さんは、何度も挑戦しているうちに体育館の真ん中あたりまで、走れるようになっていました。
 熱心な練習に感心したのか、小山さんと津田さんがひそひそ話。講習会の10分延長です。集団演技のメリーゴーランドを特別指導しました。

<写真上から>
・手を取って乗れない子の指導。みんな一生懸命です=長崎県東彼杵町の音琴小学校で
・インストラクターの2人(小山さん、津田さん)は歓迎の手づくり“金メダル”を首にかけてもらいました
・手を使わない蹴り上げ乗車の練習を黙々と続ける子どもたち
・講習会は大村市のケーブルテレビ局が取材し、17日夕方に放映しました
=いずれも長崎県大村市の黒木小学校で
(2008/9/24)

「赤い靴」を350人うっとり 二本松市でベルマーク劇場

 「面白かったね」「うん」。目を輝かせて子どもたちが次々とホールから出てきます。出口には出演者のおねえさんたちが並んでお見送りです。握手、また握手。9月13日(土)午後、福島県二本松市東和文化センターホールで開かれたベルマークファミリー劇場「赤い靴」は、二本松市教育委員会文化鑑賞事業として行われました。当初は大人も子供も自由席1000円と同一料金の設定でしたが、教育員会の計らいですべて無料となり、会場は350人の子ども連れの家族でいっぱいになり、大好評でした。
 この話はデンマークの童話作家アンデルセンの「赤い靴」が原作ですが、脚本の若林一郎さんと演出の相場源次郎さんが現代風な味付けを加えて「カーレンをめぐる愛の物語」として子どものための名作ミュージカル(2幕8場)に仕立ててあります。
 花売りのカーレンはクリスマスの夜、町一番のお金持ちであるハルトマンの奥様から養女の話が舞い込み、フーテンの寅さんのような大きな革カバンを下げて旅から帰ってきた後見人のクリス兄ちゃんも賛成してくれました。カーレンのお嬢様詰め込み教育が始まります。踊り好きのカーレンは好きなダンスを我慢して勉強しますが、ついに爆発します。母の形見の赤いトゥシューズを履いて踊りだすと、踊りが止まらなくなってしまうのです。誰が止めようとしても踊りは止まりません。このままではカーレンは死んでしまいます。踊りたいのを我慢させられていたカーレンのつらさが分かったクリス兄ちゃんは「踊れカーレン。思いのままに」と叫びます。すると、踊りは止んだのです。
 主演の矢嶋美紗希さんのバレエが素晴らしく、赤いトゥシューズを履くとき、前列の子どもたちの一部は立ち上がり、身を乗り出して見つめていました。一部にドタバタ調を取り入れた相場さんの演出も面白く、会場は子どもたちの笑い声であふれました。

南足柄では「アルプスの少女ハイジ」


 ベルマーク劇場は、この他9月14日(日)に神奈川県南足柄市の南足柄市文化会館でやはり劇団東少による「アルプスの少女ハイジ」(2幕11場)が上演され、約280人が鑑賞しました。

<写真上から>
・目を輝かせて帰る家族連れをお見送りする「赤い靴」の出演者たち=福島県二本松市東和文化センターホールで
・観客と握手し、お見送りする出演者たち=神奈川県南足柄市文化会館で(劇団東少提供)
(2008/9/17)

雨にも負けず元気に走り方教室 桜島を望む垂水市牛根中学校

 叩きつけるような激しい雷雨が登校時間に重なって、大半が自転車通学という生徒たちは来られるのだろうか。そんな心配をしていると、9時半の開始前には、16人の生徒が元気な姿を見せてくれました。用事で欠席した1人を除く全員です。校区にある3つの小学校からも、「一緒に習いたい」と3人の児童がやってきました。今年度2回目のベルマーク走り方教室は、夏休みも残り少ない8月27日、鹿児島県垂水市の牛根中学校(荘司幸一校長、生徒17人)で開かれました。
 校庭からは勇壮な桜島が眺められるのですが、この日はあいにくの雨で、体育館で行いました。講師はソウルオリンピック1万メートルの選手で、エスビー食品に勤務している遠藤司さんと、N P O法人ニッポンランナーズのヘッドコーチ齊藤太郎さん。共に早稲田大学競走部の出身です。昨年、選抜チームを組めずに地区の駅伝大会で最下位だったという生徒たちに、箱根駅伝で区間賞をとったこともある遠藤さんは、小学校の卒業アルバムに「オリンピックで金メダルを取る」と書いたことを披露し、「夢を持つことが大切。小さな学校でも大きな夢を持ってください」と話すと、生徒たちは熱い眼差しで聞いていました。
 体育館を軽く2周してウォーミングアップ。齊藤さんの指導で、座ったり寝転んだり、グラウンドではできないストレッチもたっぷり行いました。目標は、理想的な効率のよいフォームを身に付けること。齊藤さんは、走り方の基本である股関節、姿勢、肩甲骨の3つを、骨格模型やホワイトボード、パソコンなどを使って、ひとつずつ理論的に説明した上で実技指導。「背筋が伸びた姿勢は弾み、弾む力が前進する力になる。肩甲骨を使って腕を大きく後ろに引いて振ると、股関節が動きやすくなる」と教えていました。仰向けで両足を上げ、さらに上げようとすると腿を引き上げる筋肉が鍛えられると教えられ、二人一組で練習した生徒たちは、再び走ってそのことを実感。会心の笑みです。ラダーやボールを使った多彩な練習に、「短距離走を習いたい」という6年生の荘司奈菜さんたち3人の小学生も、中学生に負けないくらい頑張っていました。
 実技のあとは、プロジェクターで一流選手の走りを見て、短距離走と長距離走の違いや、速く走るフォームなどを学びました。遠藤さんが、10月に行われる地区の駅伝大会に向けて、「大切なのは自分のペースで走ること。レース前に400メートルを走ってペースを確認しておくとよいでしょう」と生徒たちにアドバイス。「みんな一生懸命で、教えたことを十分に吸収してくれました」と齊藤さんは手応えを感じていました。
 「足の上げ方など走るコツが分かった」「走って楽しかった」と生徒たち。昨年、野球部がなくなって、市内のクラブチームで野球を続けている3年生の砂田陵真くんは「習ったことをこれから野球で役立てます」と話してくれました。「分かりやすい教え方で生徒たちは集中して取り組むことができました。ありがたい機会をいただきました」と、荘司校長もうれしそうでした。
 垂水市は大隅半島の付け根にある、桜島と地続きの町。町の北端、錦江湾沿岸の約15キロが牛根中学校の校区です。自然が豊かでハマチの養殖が盛んな地域ですが、桜島の降灰に加え、台風や集中豪雨などの災害も多く、昨年は近くの郵便局が土砂で押し流されたそうです。過疎化が進み、2年後に市内4つの中学校はひとつに統合され、牛根中学校の生徒たちも63年間の学び舎をあとにし、新しい学校へ通います。

<写真上から>
・ホワイトボードやプロジェクターを使って走る基本を理論的に教える齊藤さんと遠藤さん
・オリンピック選手がぐんと身近に。遠藤さんと一緒にストレッチする小学生の中村楽人くん(手前)と砂田光くん
・齊藤さんの模範演技にみんな真剣な眼差しです
・最後に全員で記念撮影
 =いずれも=鹿児島市垂水市の牛根中学校で

(2008/9/17)
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