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海外援助特集

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世界に広がるベルマーク支援

 教育環境に恵まれない開発途上国の学校や子どもたちへの援助はベルマーク運動の大きな柱です。参加団体の皆さんのベルマーク活動から生まれた寄付は、ミズノスポーツ振興財団などからの寄付金を加えて、オイスカ、ラオスのこども、ジョイセフなど世界各地で活動する団体を通じて支援が行われています。皆さんからの寄付がどのように役立っているのか、こうした団体から活動の内容を報告してもらいました。(写真はいずれも各団体提供)

記事目次

夜間も開く山の上の寺子屋 日本ユネスコ協会連盟
植林通じ「自然を愛する心」育む オイスカ
「きれいな学校づくり」子どもらも協力 シェア
絵本との出会い増やしたい シャンティ国際ボランティア会
巡回訪問で図書室を楽しく活性化 ラオスのこども
健康の大切さを子どもたちに教育 ジョイセフ
村の幼稚園で正しい衛生習慣 ユニセフ

夜間も開く山の上の寺子屋    日本ユネスコ協会連盟

 ふもとの町から車1台がようやく通れる幅のでこぼこの山道を車でひたすら登り続けること6時間。山をいくつか越え、川を渡ったその先に、人口3974人が暮らすラオス・ルアンパバン県のパケオ村があります。周囲の山を見下ろせるほどの1000メートルを超す今日学んだ内容を使ってグループで話し合う人々=ラオス・ルアンパバン県タポ村の夜間の識字クラスで標高にあり、電気も水道も届かないこの小さな村で、人びとは自給自足の生活を送っています。
 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、このパケオ村のように、ラオスの中でも特に貧しく支援が届きにくい北部山岳地域で暮らす人びとの教育を支援する活動を行っています。世界には、文字の読み書きができない人がおよそ7億9600万人もいます。
 私たちが支援しているラオスの山岳地域の村々でも、地理的に不便な山の上に住んでいたり、家が貧しかったりして小学校に通うことができなかった人たちや、入学しても卒業するまで通い続けることができなかった人たちがたくさんいます。
 このように子どもの頃に十分に教育を受けられないまま大人になった人たちが、文字の読み書きや計算などの生活に必要な小さい妹の面倒を見る女の子=同県ファイノ村にて知識を身につけられるよう、日本ユネスコ協会連盟では「学びの場=寺子屋」を設置して、教育の機会を提供しています。
 こうした寺子屋で行われる読み書き計算のクラスは、人びとの生活に合わせて朝の早い時間帯や夕方以降に開かれます。クラスに参加している女性からは、「昼間、畑仕事している私たちでも働きながら勉強することができるから助かります」「ラオス語(国語)や算数だけでなく、稲や野菜の栽培、家畜の病気に関することなど、山で暮らしている私たちの生活に役立つ農業や畜産の知識も学べることも、私が寺子屋に通う理由のひとつです」という声が届いています。

《写真上から》
・今日学んだ内容を使ってグループで話し合う人々=ラオス・ルアンパバン県タポ村の夜間の識字クラスで
・小さい妹の面倒を見る女の子=同県ファイノ村にて

 

植林通じ「自然を愛する心」育む    オイスカ

 子どもたちの目がきらきらと輝く時、夢中になって取り組む時、その先には様々な興味の対象があります。土と触れ合い、木の温もりを体感しながら「自然を愛する心」、「緑を大切にする気持ち」を育む「子供の森」計画の活動もその対象の一つです。
初めての植林で大切に苗木を植える子ども=マレーシア・サバ州ラナウのアリ小学校で  公益財団法人オイスカでは、1991年から「子供の森」計画として、子どもたちが主役となった学校や地域での植林活動を推進しています。
 大自然の魅力あふれるボルネオ島では、プランテーションの拡大や熱帯雨林の違法伐採などにより自然環境の悪化が急速に進んでいます。このような背景もあり、オイスカではボルネオ島マレーシア・サバ州で「子供の森」計画の活動を通し、小中学校の子どもたちが中心となって4万本以上の苗木を植え育ててきました。
 植林だけではなく、マレーシアの自然や環境問題についても学んでいくこの活動は、学校の先生からも強い関心が寄せられています。子どもたちからは、「これからは自然を大切にしたい」、「森林の減少をなくしたい」などの声が聞こえ、自分たちが植林した木々を世話しながら自然を大切にする心が日々育まれています。
 マレーシアだけでなく、フィリピン、タイ、バングラデシュなど大規模な伐採が進み森林が急激に減ってしまった多くの地域で、子どもたちの教育と地域の意識啓発、そして緑化活動を進める「子供の森」計画。ベルマーク運動による支援は、緑化活動に必要な苗木や、樹木の世話のための機具の購入、また水不足が問題の地域にはポンプの設置、そして学校教育への支援などに活用されています。
みんなで協力して植えた苗木の前で笑顔が広がります=同州州ラナウのボンクッド小学校で 今年は国際森林年、そして国連生物多様性の10年が始まる年でもあります。世界中の子どもたちの力がこれからも大きく期待されています。

《写真上から》
・初めての植林で大切に苗木を植える子ども=マレーシア・サバ州ラナウのアリ小学校で
・みんなで協力して植えた苗木の前で笑顔が広がります=同州州ラナウのボンクッド小学校で

 

「きれいな学校づくり」子どもらも協力    シェア

 「牛のフンがいっぱい落ちていた!」「ヤギがゴミを食べていた!」。これは、自分が通う小学校の周りを探索した小学生の声。児童が学校の周りを調べ、学校の環境先生と一緒に校庭の柵づくりをする子どもたち問題に気づき、自分たちできれいな学校を作る保健授業の一コマです。
 私たち特定非営利活動法人シェア(国際保健協力市民の会)が活動する東ティモールは、独立して10年。国造りの真最中です。今でも多くの子どもたちがマラリアや下痢、寄生虫症、風邪など予防可能な感染症で命を落としています。私たちは、こうした病気で命を落とすことなく元気に学校に通えるように、小学校を対象とした保健活動を行っています。
 「きれいな学校づくり」と聞いて、どんな学校をイメージしますか? 私たちが活動するエルメラ県は四方を山に囲まれた山岳地帯で、ほとんどの家庭が牛や豚、山羊、ニワトリなどを飼っています。家畜は人と同じようにどこでも自由に歩き回るので、子どもたちが運動をする校庭もフンだらけです。
柵づくりは子どもたちも友達と協力しあいました=いずれも東ティモール・エルメラ県ヌヌタリ小学校で 多くの児童がビーチサンダルや時には裸足で通学し、サッカーをしたり、外を走り回るのでフンを踏みつけてしまったり、フンにとまったハエが給食を食べている子どもたちのもとにバイ菌を運んだりします。それが下痢や寄生虫の原因にもなるのです。
 保健の授業でフンが引き起こす病気について勉強した子どもたちは、校庭に落ちているフンについて先生たちと話し合い、校庭に家畜が入らないように周りに柵(さく)を作ることになりました。子どもたちが一本ずつ山から木を拾ってきて、先生と一緒に柵作り。先生や家族から教えてもらった方法で、楽しみながら作りました。子どもたちが自分で作った「きれいな学校」は、子どもたちの自信と健康につながっています。

《写真上から》
・先生と一緒に校庭の柵づくりをする子どもたち
・柵づくりは子どもたちも友達と協力しあいました=いずれも東ティモール・エルメラ県ヌヌタリ小学校で

 

絵本との出会い増やしたい    シャンティ国際ボランティア会

 「逃げ続けることに、疲れてしまいました。どこにいてもビルマ軍が追ってきて、この15年間、安心して眠れた日は一日もありません。家を建て直しても、畑を耕しても全てを奪われてしまい、もう耐えられませんでした。私たちカレン人は好んで戦いをしているわけ図書館で絵本を読む子どもたちには笑顔が広がります=タムヒン難民キャンプ(タイ)でではありません。ただ平和に暮らしていきたい、カレン人という民族を認めて欲しいだけなのです」。ポガポムさん(49歳)はこう話します。
 タイ国内にミャンマー(ビルマ)難民キャンプが設置されてから、今年で27年目。しかし、依然として本国では戦闘が続き、戦火をくぐり抜けた人々が10カ所の難民キャンプに14万7千人が暮らしています。
 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)は、2000年より、7カ所の難民キャンプ内で21のコミュニティ図書館を設置し活動しています。図書館は地域に開かれ、毎日多くの子どもたちや青年、大人が訪れ、閉ざされた中からも本を手に、祖国のこと、世界のことに思いをはせています。また、図書館運営の他、図書館員の育成にも力を入れています。
 また、図書館運営の他、図書館員の育成にも力を入れています。キャンプで暮らす人の3分の1以上の人が教育を受けた経験がない中、図書館員とは、絵本を知らず、また、図書館に足を踏み入れたことのない多くの人々にとって、新しい扉を開き、新しい世界を伝える存在でもあります。
絵本の読み聞かせに、子どもたちはみな真剣な表情で聞き入ります=ウンピアム難民キャンプ(タイ)で
 SVAは、難民キャンプの他、タイ、カンボジア、ラオス、アフガニスタンに活動拠点を置き、子どもの教育や文化の支援活動、災害救援活動に取り組んでいます。
 「私は、図書館での絵本の読み聞かせが大好きです! 絵本を読んでもらうと、とても幸せな気持ちになります。絵本の中にはとてもいい話があり、その話から新しいことを知り、よい行いを学べます」ノ・エ・クブル・トーちゃん(9歳、メラ難民キャンプ在住)のように、図書館で絵本と出会う子どもが1人でも増えるよう、活動を続けています。

《写真上から》
・図書館で絵本を読む子どもたちには笑顔が広がります=タムヒン難民キャンプ(タイ)で
・絵本の読み聞かせに、子どもたちはみな真剣な表情で聞き入ります=ウンピアム難民キャンプ(タイ)で

 

巡回訪問で図書室を楽しく活性化    ラオスのこども

 特定非営利活動法人「ラオスのこども」は日本の方々の支援を受けて小学校を中心にラオス全国で図書室を設け、ベルマーク運動の援助で開設した学校は43校に上ります。ラオスでは教科書が児童の数だけ揃わない学校も多く、子どもたちは初めて手にする絵本に目を輝かせます。先生は読み聞かせの研修も受け、子どもの楽しそうな表情に満足げです。
子どもたちに詩をよんできかせる先生
 とはいえ、1995年以来200校以上に図書室を開設するなかで活動が停滞する学校も残念ながら見られます。中にはほこりまみれの図書室もあって、当会スタッフが呼びかけて先生、子どもと全校で雑巾がけをしたりします。原因は、「図書活動の研修を受けた先生が異動して、あとの先生は図書室の運営がわからない」「本の紛失を恐れて貸し出しをしない」ぼくのお気に入りの絵本はこれだよ=いずれもラオス・チャムパサック県の小学校で「児童が増えて図書室を教室にしたり、職員室の一角を図書コーナーにしたため子どもたちが気軽に足を踏み入れられない」などがあげられます。
 そこで、図書室の新規開設とともに既設校を精力的に巡回訪問して活用状況を確認し、停滞している場合は先生方と問題の解決にあたります。
 巡回訪問の効果は大きく、大掃除をした学校の先生からは「私たちの図書室が見違えるようになって、毎日子どもたちに開放しているから見に来て欲しい」と連絡がきました。また、ある学校の校長先生は、保育園から帰った娘が図書室で読んでもらったおはなしを家で話してくれた時、嬉しくて涙が出そうになったと知らせてくれました。この学校に通う子どもたちは授業で先生が話すラオス語とは異なるカム語が母語で、今まで学校で習うラオス語に馴染めなかったけれど、先生が教室に絵本を持ってきて貸し出しを始め、ラオス語の絵本を読むうちに親しめるようになってきたそうです。学校に手提げを持ってきて一度に10冊借りていく村人もいて、本への興味、子どもの教育に関心を示す親も増えてきています。
 自分が子どものころに絵本に親しんだ経験を持たないラオスの先生が、子どもたちに楽しい図書活動を続けていくのは容易なことではありませんが、私たちが訪問し、新しい本を届け、励ますなかで熱心に取り組む姿が見られるようになってきました。図書活動を行う喜びと自信を身につけた先生たちが、子どもの読書きの能力はもちろん自信と学ぶ意欲を育んでいます。私たちは、子どもたちと絵本をつなぐ先生こそがカギとなる、との思いのもと現場に足を運び、担い手育成に力を注いでいます。

《写真上から》
・子どもたちに詩をよんできかせる先生
・ぼくのお気に入りの絵本はこれだよ=いずれもラオス・チャムパサック県の小学校で

 

健康の大切さを子どもたちに教育    ジョイセフ

 「せっけんで手を洗ったり、食べる前に野菜や果物をきちんと洗うことの大切さを先生から学んで、毎日気をつけるようになりました。とても大事なことなので、妹や弟たちにも伝えました」マラリアの予防について女生徒に話す先生。黒板に書かれている大きな文字はマラリアです
 アフガニスタン東部のナンガハール州ベスード県で学校に通う14歳の女生徒デワさんは、保健の知識を得て自分の生活がどのように変わったかを振り返ります。
 子どもたちの健康に対する意識を高める健康教育の取り組みを、国際協力NGOジョイセフ(公益財団法人)はアフガニスタンで行っています。健康教育の推進を通じて、妊産婦の死亡を減らすことを目指しています。
 同国は、妊娠や出産が原因で亡くなる女性の割合が世界で最も高く、出生10万に対し1400人が亡くなっています。長く続いた内戦で保健医療の基盤が大きな被害を受けたことに加えて、貧困や文化的な背景により、女の子が十分な教育を受けてこられなかったことが背景にあります。
 自分の体を守るための知識を十分に得られないまま10代前半で結婚する女の子も多く、母体が十分に発達しないままの出産青空教室で、やはりマラリアの予防について女生徒に伝える先生。=いずれもアフガニスタン・シェワ県カラタック女子学校では、自分だけでなく生まれてくる赤ちゃんの命をも危険にさらします。そこで、ジョイセフでは、現地のNGOとともに、シェワ県を含む3地域の7歳から15歳の子どもたちを対象に健康教育を実施しています。
 アフガニスタンでは学校のカリキュラムに保健の授業がないため、ジョイセフは、学校の先生に研修を行い、先生を通じて、児童にHIV/エイズ、マラリアなどの病気の予防や衛生に関する知識を伝えています。
 2011年3月には160人の先生に研修を行いました。先生たちは学校の休み時間を利用し、4月から6月までの3カ月間に、のべ2万8千人の子どもたちに健康教育を行いました。これからも、一人でも多くの子どもたちに健康の大切さを伝えていきます。

《写真上から》
・マラリアの予防について女生徒に話す先生。黒板に書かれている大きな文字はマラリアです
・青空教室で、やはりマラリアの予防について女生徒に伝える先生。=いずれもアフガニスタン・シェワ県カラタック女子学校で

 

村の幼稚園で正しい衛生習慣    ユニセフ

 カンボジアの首都プノンペンから車で2時間ほど離れたコンポンスプー州のチャムカスレン村にある幼稚園では、朝早くから子どもたちのにぎやかな歌声が聞こえてきます。「手を洗いましょう、石けんをつかって手を洗いましょう」。幼稚園では、クメール文字や簡単な数字を習ったり、石けんを使った手洗いやトイレの使い方などの正しい衛生習慣を身につけたりします。また、歌を歌ったり、カードゲームをしたり、地元の素材を使ったフラフープや竹馬に似た遊び道具で活発に楽しく遊んでいます。
先生と一緒に歌を歌う子どもたち
 現在、3~5歳までの24人の園児が通い、週5日、朝7時から9時まで授業が行われています。先生のヘインさんは、週2~3回、16日間の短期集中研修を受けて、先生になりました。幼稚園の始まる前から教室の色紙で飾りつけをしたりして準備をし、子どもたちをむかえます。
 「子どもたちが幼稚園に通うことによって虐待などの家庭の問題が減りました。幼稚園に通った子どもたちのほとんどが小学校へ先生と一緒に楽しくカードゲームもします=いずれもカンボジア・コンポンスプー州チャムカスレン村の幼稚園で入学しているんですよ。」と、へイン先生。
 2004年、カンボジアでは、コミューンと呼ばれる村落(村の集合体)が地域の女性と子どもたちのための社会サービスに重点を置いて活動を行う「女性と子どものためのコミューン評議会」が設立され、翌年、評議会が公益財団法人日本ユニセフ協会と協力して村の幼稚園を始めました。女性省が村の幼稚園の場所や先生の人材確保、教育省が先生たちへの研修をユニセフと協力して、実施しています。こうした幼稚園は現在、932あります。
 しかし、幼稚園の先生たちへの報酬は月7.5ドルと少なく、生活していくのに十分ではありません。ユニセフからの支援を受けて、コミューン評議会は、幼稚園の修繕費用などの支援を行ったり、イベントを行う際に補助金を出したりしています。また村人たちもお米の収穫時期になると、先生たちにお米を寄贈するなど協力しており、地域の幼稚園教育への理解は広がってきています。

《写真上から》
・先生と一緒に歌を歌う子どもたち
・先生と一緒に楽しくカードゲームもします=いずれもカンボジア・コンポンスプー州チャムカスレン村の幼稚園で

(2011/10/18)

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