協賛会社インタビュー⑬ 三井製糖


(2016/01/21)印刷する

三井製糖株式会社
 シュガービジネス統括本部シュガービジネス推進部商品戦略課 山﨑賞子さん(課長)
                           同・ 平手実香さん

 ベルマーク運動の協賛会社へのインタビューシリーズ「私の会社とベルマーク」。13回目は三井製糖株式会社です。同社はベルマーク運動初期の1962(昭和37)年から協賛会社として協力していただいています。シュガービジネス統括本部シュガービジネス推進部商品戦略課の山﨑賞子さん(課長)と平手実香さんにお話をうかがいました。(聞き手・白井重和、和田直子、写真・朝日教之)

「誰かの役に立ちたい」という気持ち

――2015年、ベルマーク財団は55周年を迎えました。長い間、御社の看板商品のひとつであるスプーン印のお砂糖にベルマークをつけていただき、ありがとうございます。御社が協賛された経緯やベルマーク運動との関わりについて教えて下さい。

山﨑さん(左)と平手さん

 三井製糖の前身となる大阪製糖が、ベルマーク運動に共感してスプーン印の砂糖に「はと印」(はとがベルを持っている当時のデザイン)をつけたというのが当時の社内報に掲載されています。その後、合併など様々な変化がありましたが、「ベルマークのお砂糖」として広く認知されていることから継続してきました。

 社員にとっては、入社時からある当たり前の存在かもしれませんが、会議などでマーク収集の経験談が話題になることもあり、日本人に根付いた活動だと実感します。

 もし弊社が協賛会社でなかった場合、多くの方たちに「スプーン印」を認知していただく活動として他に何が出来たかと考えると、本当に難しいことだと思います。

――ベルマークをつけている効果を感じることはありますか?

 直接ベルマークの活動を見たいとの思いから、子どもが小学1年生の時から2年間ベルマーク委員をしました(山﨑さん)。他のお母様方から「スプーン印はベルマークだね」という声をよく聞き、切り離せない存在になっていると実感します。他社と差別化がしにくい砂糖で、そのように覚えていただけることはかけがえのない財産です。

 また、合併前には、同じスプーン印のパッケージでもベルマークの付いている商品と付いていない商品があるという時期がありました。「スプーン印のお砂糖を買ったのに、ベルマークがついていない」というお問い合わせをよくいただき、当時から結びついたイメージとして頭に入れていただいているのだと感じます。

 お客様の声として「ベルマークを切る時に、砂糖がじゃりじゃりする」「静電気でくっつくがどうすれば?」などの声をいただきますが、実際に作業をして実感しました。細かく大変な労力をかけて行う作業ですが、ベルマークが学校の備品や教材に変わり、子どもたちのためになっている、誰かの役に立てるという達成感があるからこそ50年以上も続いてきているのだと思います。

 「人のために何かしたい」という気持ちは皆持っていますが、震災時など簡単に駆けつけられないPTAにとって、被災地まで届かなくても、こういうちょっとした活動が子どもたちのためになるというのは大切なことです。

――お二人の仕事はどんな内容ですか?

おなじみ、ベルマーク付き代表商品

 シュガービジネス推進部商品戦略課という部署です。商品の表示変更や、スティックシュガーや角砂糖などの加工糖の窓口になっています。また、マーケティング調査をもとに、新商品のもとになる設計やコンセプト作り、新商品のプロモーションを行います。

――毎年5、6月に開催するベルマーク運動説明会もぜひご活用ください。ターゲットを絞ってアンケートをとっていただけますし、回収率もとても良いです。PTAの皆さんと直接お話できる場として、マーケティングに役立てていただけると思います。

 ベルマーク委員をしている時に、他の委員さんに行ってもらったことがあります。活動方法のヒントになるだけでなく、商品情報や協賛会社の加入脱退など、ベルマーク便りに書きたい内容を知ることができる良い機会だと思いました。

「スプーン印=ベルマーク」という強み生かし

――今回、収集箱プレゼントキャンペーンを行っていますが、ベルマーク委員をされたご経験も今回のキャンペーンに生かされていますか?

 「スプーン印=ベルマーク」までは繋がっているので、それを生かして砂糖のよさをお客様に再認知していただきたいと考えました。砂糖のヘビーユーザーは年齢層の高い女性に多いのですが、現在、市販のつゆなど複合調味料の売り上げが伸びており、砂糖へのネガティブな声もあるため、砂糖そのものを使用し和食を作るという認識が若いお母さん方に薄れてしまうのではと危機感を抱きました。

 そこで幼稚園や小学生の子どもを持ち、子どもたちの健康を考えてご飯を作る世代にアプローチしたいと思った時に、ベルマークは有効なツールになってくれると考えました。収集箱という目に触れるものを学校においてもらえたら、子どもたちに対してもビジュアル面でアピールでき、砂糖への理解を深めるスタート地点になるのではと思います。

2月29日まで応募受け付け中

 また、社内でもそのような意義深い活動に参加しているという意識をもう一度持てるように、まず第一歩としてこの収集箱で感触を見たいと思います。

 今回、最初にベルマーク財団に相談した時から、他社の活動や募集方法、チラシの配布についてのアドバイスをいただき助かりました。スプーン印のパッケージを前面に出しているので、申し込みがくるかどうか心配でしたが、「かわいいから申し込みました」というコメントもいただき、安心しています。

――白砂糖が体にあまり良くないという話はかなり広がっているのですか?

 はい。根拠はありませんが、色付きの方が体に良いという認識をされているようです。上白糖は無色透明な結晶が光の乱反射により白く見えているものなのですが、昭和時代には漂白しているのではないかという風評が広まりました。誤解のない状態で使ってほしいと思い、活動しています。

 若いお母さんをターゲットにすると同時に、子どもたちへの食育にも力をいれており、高校生を対象とした「SPOON LAB」という出前教室や、小学生の「パティシエ選手権」への協賛などを行っています。

 料理研究家のコウケンテツさんが講師の親子クッキング教室では、親子一緒に、砂糖の旨みやコク、焦げ目など甘さ以外を楽しみながら知っていただく機会にもなっています。また、最近もイベントで「砂糖の食べ比べ」を行いました。色や粒の違いで味も異なるということや、適量を食べればおいしくて体にも必要なものだということを、体験を通じてアピールしていければと思います。

被災地で社員がイベント、毎年続ける

――御社はCSR活動にも力を入れています。

 自分たちの利益だけでなく、環境、社員、取り巻くものすべてのために活動するという考え方を「SPOON HOUSE」という家に見立てて活動しています。

 東日本大震災では、社員が土日にボランティアで被災地に行き、地元スーパーでお祭りを行うというイベントを2012年から継続しています。コウケンテツさんもボランティアで参加され、クッキングショーでスープを作って配るなど来場者の方々に楽しんでもらいました。小さなイベントですが、毎年続けていくことが大切だと考えています。

 また、東北の味覚が当たる「Sweet Smile東北」キャンペーンも2011年から行っています。先日、商品を提供して下さっている南相馬市のお菓子屋さんに当選者リストを届けに行ったところ、「やっと5年ですね。あと少しで店舗を震災前の状態に戻せます」とおっしゃっていました。被災地の方々は日々向かい合っているのだと思うと言葉が出ませんでした。

――最後に、ベルマーク財団へのご要望やベルマーク運動に期待することがありましたら、教えてください。

 子どもの数が減るなか、集票点数が年5億点を超えるという話を聞くと、続けていく意義があると感じます。企業と社会とをつなぐ活動としても定着していると思うので、弊社も継続していきたいです。

 長年同じ商品にマークをつけてきましたが、会社のCSR活動の大きな核になっているということを改めて見直し、今後、他の商品につけることも検討していきたいと考えています。

――さらに協賛会社の皆様にベルマークを活用していただくために、財団からも様々なご提案が出来ればと考えています。本日はありがとうございました。

ベルマーク商品

「クノール® スープ」コーンクリーム

ベルマーク検収

今週の作業日:3/25~3/29
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