へき地校など支援



今年もへき地学校等へプレゼント  2008年度のベルマーク援助校をたずねて
◇ 運動会で一輪車の大技に成功東京都新島村新島小学校
◇ サケの飼育記録にプリンターが活躍北海道上湧別町開盛小学校
◇ 能楽の里の中学校に筝4面福井県池田町立池田中学校
◇ 今春開校したばかり、さまざまな教材岐阜県立岐阜本巣特別支援学校
◇ 念願の宮太鼓に子どもたち喜びの乱打奈良県立西和養護学校
◇ 電子オルガンに合わせ感謝の歌声鳥取県南部町立会見第二小学校
◇ 生活指導や学習に自作ビデオを活用山口県立下関総合支援学校
◇ 新しい跳び箱届き全校体育授業で活用鹿児島市立黒神小学校

運動会で一輪車の大技に成功

東京都新島村新島小学校
連日の練習で真っ黒。大技を披露してくれた3年生の笑顔は輝いています。左側は市川校長と最後列、寺内先生です  伊豆諸島のひとつ、東京都新島村にある新島小学校(市川英俊校長、105人)へ、ベルマーク運動から一輪車3台とビデオカメラ、プリンターカラリオ、逆上がり補助器、ドッチボール6個が届きました。2007年に若郷小学校と統廃合した、新島でただ1つの学校です。
 10月にお訪ねした日は、3年生16人が一輪車の日頃の練習成果を披露してくれました。担任の寺内崇先生から「今日は何の演技をしたい」との問いに、児童からは「スーパー大車輪」「シンデレラループ」などの答え。初めて挑戦する大技の演技もあり、失敗しても繰り返しおこないます。演技を始める前、全員が声をそろえて言葉を掛け合います。うまくいかない時は、何が悪かったかを自分たちで考え、集中します。たとえ1人が失敗しても手をはなさず、仲間を支え合います。 女の子だけで「シンデレラループ」に挑戦。大成功でした うまくできたときは、嬉しさいっぱいの笑顔が輝いてみえます。最後に子どもたちから、「一輪車をありがとうございました。おかげで運動会の時も成功しました。わたしたちは、力を合わせてがんばります」などのお礼の手紙をいただきました。
 新島小では、3、4年生全員が本格的に一輪車に取り組んで2年目です。以前の若郷小が約10年にわたり、全校児童で一輪車に乗る練習に励んでいたことを大切に受け継ごうと、始まりました。市川校長は「援助のおかげで不足していた3台を加え、全員の一輪車が揃いました。ありがたいことです」と感謝の気持ちを話していました。
 3年生(18人)は、体育の授業のほか毎週火曜日の総合学習の時間を使い「乗ってみよう4月」、「技を磨こう6月」などと目標をたて、運動会に向けて練習に励みます。4年生(18人)は、さらに高度な技を目指して体育の授業の他、休み時間や放課後も積極的に練習しています。
運動会で最高の盛り上がり。見事な演技に拍手、喝采でした
 9月27日にあった運動会では、数々の演技に36人の子どもたちが取り組み、力を出し切りました。練習では1度も成功しなかった技「シンデレラループ」を、4年生が見事に成功させた時は、保護者や地域の方々、先生方、児童からひときわ大きな拍手や歓声があったそうです。寺内先生は、学級だよりに「輝いた子どもたちの顔を見て、思わず目頭が熱くなった」と書いています。こうした様子は、常時更新されている新島小ホームページhttp://www.niijima.com/niisyo/で分かります。

休み時間、木の周りに集まり木登りする子やぶらさがる子。学校のシンボル「イチョウの木」は魅力的な遊び場です=いずれも東京都新島村新島小学校で  同小では、島の人から親しまれた「飛騨んじい」こと「上木甚兵衛さん」の縁で、故郷である岐阜県高山市の荘川小学校と「山の子海の子交流」を行っています。30回目となる今年も、7月20日から3日間、荘川小6年生(11人)と新島小6年生(16人)が、ゲームをしたり、真っ青な海で泳ぎ「すいか割」やバーベキューなどで楽しく過ごしたそうです。
 「甚兵衛さん」は、島流しになった流人でしたが、島の子どもたちに読み書きを教え、お寺に寄付をするなどして、慕われていました。島の人は、流人に暖かく接し、新島の土になった人々のお墓に、今でも花をたむけているそうです。このような心温まる伝統が、子どもたちにも受け継がれており、新島小の6年生は毎朝、「甚兵衛さん」のお墓に行き掃除をして、線香をたてているそうです。飛騨高山でも伝説のお話で、荘川小の児童も「甚兵衛さん」のお墓参りをします。
 新島は、人口約3,000人、サーファーや海水浴客などの観光とアカイカやイセエビ漁業のほかに特産物「くさや」が有名です。東京竹芝桟橋から大型客船と超高速ジェット船が就航。高速ジェット船は、所要時間2時間40分とアクセスしやすくなっています。 島の地質は流紋岩が多いことから、島全体が白い砂浜に囲まれていて、紺碧の海とのコントラストがとても美しいところです。また、この島で採掘される抗火石(こうかせき)を使い、人々が作り出した「モヤイ像」が島の至る所にあります。この「モヤイ」とは、島の方言で「力を合わせる」という意味だそうです。

《写真上から》 
・連日の練習で真っ黒。大技を披露してくれた3年生の笑顔は輝いています。左側は市川校長と最後列、寺内先生です
・女の子だけで「シンデレラループ」に挑戦。大成功でした
・運動会で最高の盛り上がり。見事な演技に拍手、喝采でした(新島小提供)
・休み時間、木の周りに集まり木登りする子やぶらさがる子。学校のシンボル「イチョウの木」は魅力的な遊び場です=いずれも東京都新島村新島小学校で

(2008/10/31)

サケの飼育記録にプリンターが活躍

北海道上湧別町開盛小学校
ベルマーク運動から贈られたレーザープリンターを前に、硯将隆校長(左)と伊井俊明教頭  「ドッヂビー、大好き」「おもしろいよ」と言いながら、児童たちが円盤のようなドッヂビーを投げ合っています。バスケットゴールを狙って真剣な表情でボールを構える子、一輪車を乗り回す子どもたちもいて、体育館は元気な声にあふれています。この秋、北海道東北部の上湧別町開盛(かいせい)小学校(硯将隆校長、31人)に、ベルマーク運動からの贈り物、一輪車と一輪車スタンド、バスケットボール、ドッヂビーなどの遊具に、レーザープリンターとストップウオッチが届きました。 一輪車はいつも練習しているのでみんな得意です
 「降って湧いた朗報」と顔をほころばせる硯校長は、「レーザープリンターは前々から欲しかったので、連絡をいただいた時にこれしかないと思いました」と話します。 町を流れる湧別川には毎年サケが遡上し、児童は5年生になると丸瀬布サケマス孵化場から卵をもらって育て、6年生の5月に孵化した稚魚を湧別川支流のサナフチ川に放流する活動が、20年以上も続いています。9月の全校遠足の帰りに、児童たちはサケの遡上を見つけて大喜びだったそうです。早速、硯校長がプリンターを使って作ったシロザケの飼育記録には、孵化したばかりの稚魚が腹部に袋を抱えた様子がくっきりと色鮮やかに映っていて、興味をそそられます。スピーディーにプリントできるので、教材や各家庭へ配る印刷物など枚数が多い時にとても便利と、職員室の真ん中に置いて先生たちが活用していました。 贈り物のドッヂビーを手にして笑顔の子どもたち
 流氷が押し寄せるオホーツク海沿岸の冬は厳しく、少し内陸の上湧別町も一面雪に覆われて、冬季、児童たちの遊び場は専ら体育館です。そんな子どもたちを思いっきり遊ばせたいと、寄贈品の中に体育館で遊べる遊具も選びました。特に一輪車は冬場の体力づくりに欠かせず、児童たちは技の難易を示す「一輪車検定基準」を目標に日ごろから練習に励んでいるので、みんな一輪車乗りが上手です。ボールをぶつけて遊ぶドッジボールも、ナイロンでできたドッヂビーなら大勢の中で遊んでも危なくありません。 児童が作ったジャコランタンが廊下に並んだ様子は圧巻です 「休み時間が待ち遠しいです」と1年生が声を弾ませていました。
 上湧別町はサロマ湖の西、オホーツク海へ注ぐ湧別川沿いにある酪農と畑作の町です。19年前に、町を縦断していたJR名寄本線が廃止されて、鉄道が姿を消しました。開盛地区は役場から8キロほど離れた町の南端にあり、166の全世帯のうち児童がいるのは22世帯。JR石北線遠軽駅へはバスで十数分と近く、保護者の大半が隣の遠軽町へ通勤しています。保育所が1つに小学校が1つ。児童がいない家庭もPTAの準会員として、地区を挙げて学校を応援しています。「運動会のための環境整備や台風で被害を受けた時の修復作業、寿クラブのお年寄りが集団下校のお手伝いをしてくれるなど、地区の方々が親身になって学校を支えてくれます」と硯校長は話しています。 今年の5月、6年生が卵から育てたシロザケの稚魚を全校児童で放流しました=学校近くのサナフチ川で
 1年生と2年生は合わせて9人ですが単式学級、3、4年生、5、6年生は複式学級です。給食はカーペットが敷かれたプレイルームで全員一緒にとります。校内には25個余りの大きなカボチャのジャコランタンがユニークな顔を並べて、実りの秋を感じさせてくれますが、これも上級生と下級生の共同制作です。カボチャは毎年、地区の人が育ててくれ、大きいのは重さ30キロほどもあります。「みんなに会えて、みんなで遊べるので学校は楽しいです」と前期児童会長の近藤彩華さんは話していました。

《写真上から》 
・ベルマーク運動から贈られたレーザープリンターを前に、硯将隆校長(左)と伊井俊明教頭
・一輪車はいつも練習しているのでみんな得意です
・贈り物のドッヂビーを手にして笑顔の子どもたち
・児童が作ったジャコランタンが廊下に並んだ様子は圧巻です=いずれも北海道上湧別町の開盛小学校で
・今年の5月、6年生が卵から育てたシロザケの稚魚を全校児童で放流しました=学校近くのサナフチ川で(開盛小学校提供)

(2008/10/28)

能楽の里の中学校に筝4面

福井県池田町立池田中学校
ベルマークの援助で届いた4面の筝が早速、授業で使われました=福井県池田町の池田中学校で  「能楽の里」として知られる福井県池田町の池田中学校(佐々木俊樹校長、88人)に、ベルマーク教育助成運動から4面の筝(そう=琴)が届きました。へき地学校への援助品です。
 中学校では1種類以上の和楽器を体験することと、学習指導要領にあります。しかし、実際は楽器をそろえるのが難しく、十分な授業ができないのが現状です。池田中には、これまで筝が2面しかなく、生徒たちが実際に触れて演奏する機会は多くありませんでした。
 今回、新しく4面が加わって筝は計6面になりました。早速行われた1年生の授業では、1面の筝を4、5人ずつで取り囲み、余裕十分。先生の模範演奏の後、独特の楽譜を見ながら、一人ひとり順番に「さくら変奏曲」を弾いていました。佐々木校長は「ビデオとかCDで見聞きするより、直接手で触れて演奏すると、親しみやすさが違います」、生徒の一人は「初めて弾きました。難しかったけれど、興味がわいてきました」と話していました。
 町内の水海地区には、鎌倉時代から750年の伝統があるとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている田楽能舞が受け継がれています。他の集落にもたくさんの能面が伝えられていて、毎年「能面まつり」「お面さんまつり」を開いています。町内には能面を保存展示する美術館もあります。生徒らは、こうした環境の中で伝統芸能に親しみ、能楽を学んでいます。3年生の秋には、町の芸能発表会で能の舞と演奏を披露しています。
 池田中の特色は、すぐ近くにある武生高校池田分校との「中高一貫教育」です。同じ学校ではない、別々の学校による連携型一貫教育は全国的にも珍しいそうです。両校の先生が交互に訪れて授業をしたり、生徒同士が一緒になって地域の歴史や文化を学んだりしています。
 このほか、今年で29回を数える池田マラソンに参加し、協力しています。最近は、視覚障害の参加者にボランティアで伴走したり、沿道から元気な声援を送ったりしています。武生高池田分校の生徒たちも一緒です。

《写真》  ベルマークの援助で届いた4面の筝が早速、授業で使われました=福井県池田町の池田中学校で

(2008/10/14)

今春開校したばかり、さまざまな教材

岐阜県立岐阜本巣特別支援学校
「はだしマルチ平均板」を試す生徒たち。バランスよく歩く訓練ができます  岐阜市に今年4月開校したばかりの岐阜県立岐阜本巣特別支援学校(日比暁校長)に、ベルマーク教育助成運動から援助品が届きました。教材や用具がまだ十分でない同校には、とりわけ貴重な贈り物。学校関係者や子どもたちを喜ばせています。
 届いたのはプリンター、ミシン、キーボードのほか、音声でコミュニケーション能力を強化する「ゴートーク」、いろいろな絵を張りつけてお話を展開させる「パネルシアター」、歩行訓練ができる「はだしマルチ平均板」などです。子どもたちに人気のドッヂビーや長縄もありました。
 同校は知的障がい、肢体不自由、病弱など複数の障がいに対応できる総合型の特別支援学校で、小学部、中学部、高等部に計94人が通っています。低学年の教室では、早速パネルシアターを使い、パネルに野菜や果物の絵を張りつけるなどしてお話をつくり、楽しく学んでいました。また体育館では、レクリエーション活動の生徒たちが平均板を使い、バランスよく歩く訓練をしたり、ドッヂビーで楽しく遊んだりしました。他の品も授業や機能回復などに活用されると期待されています。 いろいろな絵を張ったり動かしたりして、おはなしを展開するパネルシアター
 同県教育委員会は、2007年度に12校だった県内の特別支援学校を、将来20校にまで増やす計画です。その先陣を切って、海津とともに新設されたのが岐阜本巣です。海津は旧海津明誠高校海津北校舎を使い、岐阜本巣は本巣市境の山あいにある旧本巣松陽高校岐阜校舎を改修しました。
 岐阜本巣の校舎は4階建てですが、実際に使っているのは2階までです。廊下や階段に手すりをつけ、トイレを身障者用に整備し、エレベーターも設置しました。建物はほぼできあがったのですが、備品の面では足りないものがたくさんありました。統合で閉校となった小学校に行って楽器や給食の食器をもらったり、2年前に閉校した本巣松陽高校で使っていた机を活用したり、苦労して整備に努めているそうです。
 「そういう意味でも、今回の援助は本当にありがたいことでした。自分たちも教材や備品をそろえる努力をしなければと、PTAの厚生委員会が中心になって早速ベルマーク運動に参加しました。プリンターの使用済みカートリッジの回収にも力を入れています」と青木咲子教頭は話していました。

《写真上から》
・「はだしマルチ平均板」を試す生徒たち。バランスよく歩く訓練ができます
・いろいろな絵を張ったり動かしたりして、おはなしを展開するパネルシアター=いずれも岐阜市の岐阜本巣特別支援学校で

(2008/10/14)

念願の宮太鼓に子どもたち喜びの乱打

奈良県立西和養護学校
 開校2年目の奈良県上牧町の県立西和養護学校(上山かつゑ校長、181人)に、ベルマーク財団から念願の宮太鼓が届きました。子どもたちは乱れ打ちをして喜びを表しました。 宮太鼓が届き、さっそく授業で高等部の生徒らが乱れ打ちをしました
 同校は2つの養護学校の一部が合併して昨年度スタートしました。基本的な設備はあるのですが、楽器類などは不足しており、これら備品確保が課題です。
 贈られた宮太鼓は直径45センチメートル、長さ62センチメートルの長胴太鼓。さっそく2学期の授業から使っています。9月17日には高等部の10人が挑戦。力強い打ち込みをし「楽しい」と子どもたち。
 太鼓は他校から譲り受けたものもありますが、サイズが小さいそうです。楽器類の中でも打楽器、特に太鼓は操作しやすく音量が大きいため、子どもたちにとって楽しみだそうです。
 11月の文化祭で宮太鼓での演奏を披露しますが、それに向け練習にも熱が入ります。上山校長らは「この太鼓は欲しかったもので大変ありがたい」と話していました。

《写真》宮太鼓が届き、さっそく授業で高等部の生徒らが乱れ打ちをしました
 =奈良県上牧町の県立西和養護学校で(同校提供)

(2008/10/14)

電子オルガンに合わせ感謝の歌声

鳥取県南部町立会見第二小学校
 廃校の危機を乗り越えた鳥取県南部町の会見第二小学校(植田潔校長、15人)に電子オルガン、集会用テントなどが贈られました。子どもたちは電子オルガンの伴奏に合わせ、感謝の歌声を響かせていました。
 同小は標高196メートルの山間地にあり過疎化が進み、1999(平成11)年度には児童2人しかおらず2年後に児童ゼロになることから、地元の人たちが学校を残そうと立ち上がりました。当時の会見町などに働きかけ、同町では12年度に学校近くに町営住宅10棟を建設しました。
 小学校児童のいる家庭が対象で、1戸約95平方メートルで家賃2万円。通常の半額以下の家賃が魅力で入居者が増え、児童も98年度に一気に13人に。子供が中学を卒業すれば退去しいなければなりませんが、代わりに新たに児童のいる家庭が入ってくる状況だそうです。児童は増え続け2005年度には20人にも。今のところ15人は維持している状況で、当面、廃校の危機は去りました。
 贈られた電子オルガンは5、6年生の教室に置かれました。誰もが自由に使えます。普通のオルガンはありますが、電子オルガンは使いやすく、6年の安達英美梨さんは「楽しく使っています」と話していました。
 集会用テントは9月下旬の運動会で地元の人たちにもお披露目。月末には郡の小学校陸上競技大会にも使われます。これまでは、町内の他校のテントを借りていたので、「自分たちのテントがほしい」と思っていたそうです。
(2008/10/14)

生活指導や学習に自作ビデオを活用

山口県立下関総合支援学
 山口県下関市の県立下関総合支援学校(清水洋介校長)に9月上旬、ミニDV・HDD一体型DVDビデオレコーダーとビデオカメラが届きました。全国20校の養護、支援学校へのベルマーク運動からのプレゼントです。学校は「生活指導や学習にビデオ映像を活用したい」と、話しています。 プレゼントされたビデオレコーダー(下)を調整。画面の前に置かれているのはビデオカメラ
 同校は、下関市の中心部から北に約12キロメートル、小・中学部と高等部があり、同市周辺から病弱や障害がある児童・生徒136人が通学し、学んでいます。運動会やPTAのバザーなど、学校行事やイベントを記録するだけでなく、日常生活の指導や学習に映像を流すと、分かりやすく効果が上がるそうで、ビデオを使う機会が多いといいます。
 学校のビデオカメラは2台ですが、用途が自由なのは1台のうえ、映像をパソコンに取り込んで編集したり、保存したりする際は、撮影時間と同じ時間が必要で、手間がかかります。小、中学、高等部の行事が重なることもあり、先生が自分のビデオカメラを持参するなど不便でした。贈られたビデオカメラは、瞬時にパソコンに映像を取り込むことができます。また、ビデオレコーダーは、ミニDVD→HDD→DVDなどといった具合に、6通りの双方向ダビングができ、保存や編集に向いています。 
 6部ある校務のうち情報教育部担当の濱本康彦・中学部教諭と西村浩・高等部教諭に、生活指導用のビデオを見せてもらいました。先生たちで自作した「虫歯予防集会用ビデオ」は、力作でした。SFドラマ仕立てで、別々に撮影した映像を重ね、登場人物が空を飛んだり、消えたり。「パンフレットを読んだり、話を聞いたりするよりも、目で見ることで、子どもたちが興味を持って理解できる」。今回のビデオカメラとレコーダーは「使い勝手がよいので、いままでより簡単にビデオづくりができそう」と、話しています。

《写真》 プレゼントされたビデオレコーダー(下)を調整。画面の前に置かれているのはビデオカメラ=山口県下関市の下関総合支援学校で
(2008/10/14)

新しい跳び箱届き全校体育授業で活用

鹿児島市立黒神小学校
跳び箱を使う正式の授業は3学期ですが、昼休みに児童が試しに跳んでくれました。6段を5段にしたので、みんな軽々と、跳び越えました  鹿児島市の桜島にある黒神小学校(森和範校長、18人)にベルマーク運動からの贈り物、カラー跳び箱2台と、球技の得点や残り時間などを表示するデジタイマ、カラープリンターが届きました。希望する備品選びでは、先生たちが真っ先に跳び箱を挙げたそうです。学校に4台ある跳び箱は1969年に備えられたもので、古くなり使い勝手が悪く「今回のプレゼントには本当に感謝しています」と、森校長は話しています。
 黒神小は1〜2年、3〜4年、5〜6年の2学年ごとの児童が一緒の教室で学ぶ複式学級です。授業のうち、体育の水泳と器械体操などは、全校一斉に行っています。各担任と体育の先生が一緒に指導するので、目が行き届き易いうえ、子どもたちの習熟度に応じて、教えることができるからだ、といいます。
 齋藤博教頭は「体育館で行う器械体操は、少人数だからこそ、ぴったりの授業です。新しい跳び箱は、3学期の授業で活用させてもらいます」と、話しています。デジタイマは、バスケットやバレーボールの試合をする際、児童だけでは人数が足らず、教職員も加わることが多いので、残り時間を計る「審判の代役」に役立てたい、とのことです。 校舎の向こう、中央に見えるのは桜島
 桜島は、鹿児島市街地とフェリーで15分の錦江湾にあり、東西約12キロメートル、南北約10キロ、周囲約52キロの楕円形、東側は大隈半島と陸続きです。黒神小は、フェリー港から桜島をほぼ半周した地区にあります。学校からは、噴火活動を続けている南岳がすぐ近くに見え、職員室前の壁に「平成18年、年に数回。19年、月に数回。20年、週に数回」と記した観察記録が張られていました。今年の南岳は、噴石を伴うほどではないものの、ここ数年では活発なようです。
 児童の活動でユニークなのは、特産品の桜島大根の栽培です。毎年9月に学校農園に種をまき、育てた大根は翌年1月下旬〜2月上旬に収穫、市場に出荷し、競りにかけます。今年の売り上げは2万9700円、肥料や栽培用具などの購入に使うそうです。

《写真上》 跳び箱を使う正式の授業は3学期ですが、昼休みに児童が試しに跳んでくれました。6段を5段にしたので、みんな軽々と、跳び越えました
《写真下》 校舎の向こう、中央に見えるのは桜島=いずれも鹿児島市の黒神小学校で

(2008/10/14)