学校訪問


達成校目次

★ 600万点達成校を訪ねました!

滋賀県甲賀市立水口小学校 仕分けは毎月学校で、集計は自宅で

★ 500万点達成校を訪ねました!

さいたま市立宮原小学校 先輩の宇宙飛行士・若田光一さんを誇りに
大津市立石山小学校 子どもたちも仕分けの一部お手伝い

★ 400万点達成校を訪ねました!

神奈川県鎌倉市立深沢小学校 学級委員にボランティアも応援し作業
長野県中野市立中野小学校 全クラスに大縄跳びの綱そろえる
愛知県武豊町立武豊小学校 活動を支えるのは3年生の児童と保護者

★ 300万点達成校を訪ねました!

青森県八戸市立鮫小学校 回収は子ども、仕分け以降はPTAが分担
千葉県野田市立南部小学校 3グループに分かれ仕分け・集計の作業
千葉県市川市立二俣小学校 学期ごとに仕分け・集計作業
横浜市立下永谷小学校 携帯メール網で連絡し回収率アップ

★ 200万点達成校を紹介します!

青森県八戸市立桔梗野小学校 宮城県亘理町立亘理小学校
秋田県横手市立十文字第一小学校 茨城県ひたちなか市立田彦小学校
横浜市立本郷小学校           

600万点達成校を訪ねました!

仕分けは毎月学校で、集計は自宅で

滋賀県甲賀市立水口小学校
 滋賀県甲賀市立水口小学校(岡村保校長、608人)のベルマーク収集点数が600万点を超えました。1961年にベルマーク運動に参加して以来の累計で、600万点達成ベルマークの仕分け作業をするPTAの皆さん=滋賀県甲賀市の水口小学校では県内3校目です。
 ベルマークを担当するのはPTA厚生部(谷村由香里部長、12人)。部員はクラス委員から選ばれます。
 毎月に1、15日に児童が持ち寄り回収箱に入れます。PTAは毎月1回開かれる授業参観日の時にベルマークの仕分けをします。厚生部員のほかに人権文化部員の協力を得て毎回12、3人が参加します。
 厚生部員らはリンゴ入れ容器に企業番号をふって仕分けします。企業別に分けたのを自宅に持ち帰り点数別に分け10枚単位にホッチキスで留め、整理袋に入れ集計します。自宅作業が済めば次回集まるときに持ち寄ります。部長がまとめて最終集計し発送するのは年4、5回です。
 ベルマーク仕分け作業に手間がかかったりするので昨年、PTA内でベルマーク参加を止めよう、との声もあがりました。しかしベルマークを学校に寄贈する人もいたりするので継続することになりました。谷村部長は「(他の学校の支援にもなっているなどベルマークの)ボランティアの意義も分かり、続けてよかったなあ、と思っています」と話していました。
 同校は1月25日に創立136年を迎えました。この記念日に、6年生が郷土芸能「水口ばやし」を児童、保護者らに披露しました。「水口ばやし」は4月に行われる水口曳山祭で山車の上で演奏されるものです。祭りでは町内会単位で参加する児童もいますが、多くの児童は学校創立記念日で披露するため2ヶ月前から地元の人の指導を受けて練習してきています。6年生の、この演奏は20年前から続く伝統行事になっており、保護者の楽しみにもなっています。
 同じように全校鍋大会も知られています。10年ほど前に食育の研究指定校になったのをきっかけに始まりました。1つの鍋に1〜6年生が20人ほどのグループになって野外で鍋を囲んでいます。自分たちが学校園で作ったハクサイ、ダイコンなど野菜をつかっています。
 おにぎり弁当を持って野外で緑の恩恵を浴び食事、スポーツ、ゲームなどを楽しむ「グリーンシャワー」という伝統行事もあります。これも1〜6年が一体になっておこなうのが特徴です。

《写真》ベルマークの仕分け作業をするPTAの皆さん=滋賀県甲賀市の水口小学校で

500万点達成校を訪ねました!

先輩の宇宙飛行士・若田光一さんを誇りに

さいたま市立宮原小学校
仕分け・集計作業には今年度からボランティアのおかあさんたちも加わり、作業がはかどるようになりました
 宇宙飛行士・若田光一さんの母校、さいたま市立宮原小学校(柴崎邦夫校長、1080人)は、さいたま市北部のJR高崎線宮原駅から1キロほどの同線沿線にあります。市内でも有数のマンモス校で、学区内には住宅地のほか工業団地や卸売市場もあります。
 この学校が、1965(昭和40)年にベルマークに参加以来の累計点数を500万の朝日新聞社で製作し、財団を通して贈られた「地球はいま」のDVDを手にする石橋小百合ベルマーク委員長(中央)と佐藤さより総務部長(右)。左は白石王恵(きみえ)PTA副会長大台に乗せました。
 同校のベルマーク活動の中心は、PTAの総務部で、部員は各学年2人ずつ合計12人います。部長は佐藤さよりさんで、別に部員の一人、石橋小百合さんが、ベルマーク活動をまとめるベルマーク委員長をつとめています。
 マークの収集、集計は、年度末や夏休み中を除く毎月行っています。毎月5日の回収日に、マークが入った収集袋をこどもたちが持ってきて、職員室前の回収箱に入れます。そして、みなさんの都合のよい日に学校に集まり、午前中2時間ほど作業します。今年度からボランティアを募ることにし、毎回数人のおかあさんたちが応援に加わります。前は作業が残り、それぞれ家に持ち帰っていましたが、おかげで持ち帰りはほとんどなくなったそうです。
 まとめたマークは、毎学期末に財団へ送っています。これまでに、おもに図書や体育で図書室前の「若田さんコーナー」使うボールなどを購入しています。
 昨年4月2日の夜、体育館に約500人のこどもたちが集まって、宇宙ステーションに長期滞在中の若田さんと無線交信しました。アメリカ航空宇宙局(NASA)の教育プログラムの一環で、若田さんの希望で母校の同小が選ばれたそうです。各学年2人ずつ、12人のこどもたちが、先輩に次々に質問しました。
 10月25日にさいたま市内で開かれた若田さんの帰還報告会には、同小に250人の優先枠がもらえたそうです。
 図書室の前や廊下に「若田さんコーナー」が設けられ、若田さんの写真パネルなどが並んでいます。
 増田藤雄教頭は「こどもたちが偉大な先輩を誇りにし、将来への希望や励みにしてくれれば、と思っています校門わきにそびえる「センダン」の巨木=いずれもさいたま市北区の市立宮原小学校で」と話していました。
 同校の校庭には、市指定の天然記念物があります。校門のわきにそびえる「センダン」の巨木で、高さ15m余り、樹齢は130年を超えるそうです。明治初めの開校間もないころに、高知県出身の先生が郷里から持ってきて植えたのだそうです。暖地性の植物で、関東周辺では珍しいのですが、いまも初夏に淡紫色の花を咲かせるそうです。
 同校のシンボルで、校歌にも一番に「青空高くせんだんは立派になれと見ています」とうたわれています。
 図書室は、季節感あふれる掲示など、街のこども図書館なみです。休み時間に定期的に開く「おはなし会」(読み聞かせ)には、たくさんのこどもたちが集まって聞き入ります。どちらも、ボランティアのおかあさんたちのがんばりに支えられているそうです。

《写真上から》
・仕分け・集計作業には今年度からボランティアのおかあさんたちも加わり、作業がはかどるようになりました
・朝日新聞社で製作し、財団を通して贈られた「地球はいま」のDVDを手にする石橋小百合ベルマーク委員長(中央)と佐藤さより総務部長(右)。左は白石王恵(きみえ)PTA副会長
・図書室前の「若田さんコーナー」
・校門わきにそびえる「センダン」の巨木=いずれもさいたま市北区の市立宮原小学校で

500万点達成校を訪ねました!

子どもたちも仕分けの一部お手伝い

大津市立石山小学校
ベルマークの仕分け作業をするPTAの皆さん=大津市の石山小学校で
 滋賀県大津市立石山小学校(宇野保啓校長、683人)のベルマーク収集点数が500万点を超えました。1969年に運動に参加して以来の累計で、500万点達成は県内10校目。子どもたちが収集点数の多い企業分を仕分けしています。
 ベルマークを担当するのはPTA側が岡田玲子委員長らベルマーク委員6人。各クラスの学級委員の中から学年ごとに選ばれます。
 毎月1日に児童が持ち寄ります。児童会の環境委員が月1回の委員会活動の時間に、ベルマークをキユーピー、フジッコなど収集点数の多い8社とその他の9区分に仕分けをします。その後はPTAが担当します。
 PTAは月ごとに担当学年が決まっており、その学年の学級委員が仕分け整理します。切って会社別、点数別に10枚単位でホッチキスやテープでまとめ、集計し発送します。作業は2時間半ほどです。
 ベルマーク預金で、今年度は運動会で使う大玉入れを4つ買う予定です。
 石山小は@あいさつA人の話を聞くB決まりを守るCたたいたりけったりしないD人の喜ぶことをしよう―の5つの約束を守ろうと指導しています。また近くの滋賀大学生がスクールサポーターとして参加しています。<

《写真》ベルマークの仕分け作業をするPTAの皆さん=大津市の石山小学校で

400万点達成校を訪ねました!

学級委員にボランティアも応援し作業

神奈川県鎌倉市立深沢小学校
PTA学級委員会とボランティアの保護者のみなさん。感謝状を持つのが胸形委員長、左隣りが千野みどりPTA会長
 神奈川県鎌倉市の深沢小学校(草間敏保校長、777人)が1962年のベルマーク運動参加以来の累計400万点に達成しました。同小は歴史遺跡が数多くある「古都」のほぼ中心部にあり、空中を走る湘南モノレールの駅も近くで、周辺は住宅地です。
 ベルマーク活動の中心はPTAの学級委員会(胸形昌子委員長、48人)で、年3回、学期ごとにPTA会議室にボランティアのお母さん方と一緒に集まって仕分け、分類作業をしています。家庭での収集の呼びかけは新学期に出す「PTA便り」でお願いします。PTA便りは毎月出しており、収集の呼びかけと仕分け、集計のボランティア募集の案内を学期ごとに出しています。
 教室には、清涼飲料水の空きボトルが収集箱代わりに置かれ、児童がいつでもマークを入れられるようにしています。仕分け、集計の作業日には学級委員が休み時間に教室に行って回収をし、PTA会議室で作業をします。午前中だけで、2日間かけ仕分けから集計までを行い、胸形委員長らが発送します。
 ベルマーク活動は3年前までは「ベルマーク・ボランティア」が担当していましたが、現在では学級委員会と募集したボランティアの保護者と一緒に作業をしています。できる人が作業に参加してもらい、半数近くがボランティアの保護者、ということです。
 学区内のスーパー3店、郵便局と3カ所のマンション管理人室近くにベル箱を置かせてもらい、仕分け集計の作業前に回収しています。「年配の方や商店の人たちはベルマーク運動を良く知っていて、積極的に協力してくれます。学校で集めるより多いこともあります」と胸形委員長は話します。
和気あいあいとベルマークの仕分け作業をする皆さん=いずれも神奈川県鎌倉市の深沢小学校で
 学級委員会は学校と保護者のパイプ役が仕事で、クラスごとに懇親会などを開き、学校の様子、子育てなどの話し合いをしており、クラスによっては家庭料理教室やドッジボール、綱引きの大会なども開いて保護者同士のかかわりを深めています。
 学校の近くの鎌倉中央公園に棚田があり、5年生は年間をかけて田植えから収穫までの稲作作りに取り組んでいます。10月には収穫祭が行われ、「収穫したお米や野菜でおにぎりや味噌汁をつくって、児童たちが収穫の喜びを味わっています」と鷺谷馨教頭。地域のお年寄りが講師になった陶芸教室も行っていて、毎年、5年生がマイカップ作りに挑戦しています。

《写真上から》
・PTA学級委員会とボランティアの保護者のみなさん。感謝状を持つのが胸形委員長、左隣りが千野みどりPTA会長
・和気あいあいとベルマークの仕分け作業をする皆さん=いずれも神奈川県鎌倉市の深沢小学校で

400万点達成校を訪ねました!

全クラスに大縄跳びの綱そろえる

長野県中野市立中野小学校
 長野県中野市は県の北部にあって、志賀高原への入口にあたります。市の中心部にある市立中野小学校(佐々木正明校長、916人PTA保健衛生部員と連絡員たちの仕分け作業。新型インフルエンザ対策で全員がマスクをつけています(中野小学校提供))のベルマーク累積点数が400万点を超えました。1964(昭和39)年に参加以来、46年かけての成果です。
 この学校のベルマーク活動は、児童会とPTAが車の両輪のように連動しています。児童会にマーク委員会があって、5、6年生の委員が25人います。PTAは保健厚生部(豊田香理部長)の12人を中心に、各学級の連絡員25人も加わります。
 年度初めに、保健厚生部が各家庭にお知らせを出して協力をお願いします。マーク委員会は校内にポスターを張り、放送でも呼びかけます。
 各クラスにはマークボックスが置いてあって、こどもたちはいつでもマークを持ってきて入れます。毎週金曜日に、マーク委員が回収します。月曜日の6時限が委員会の時間で、隔週のこの時に委員がマークの切り取りや整理をします。その後の仕分けや点数計算はPTAの役割です。年に6回、午後に1時間半ほどかけて作業します。保健厚生部員と、連絡員も学年ごとに1回は加わります。財団には、年2回程度送っています。
佐々木正明校長をはさんで右が委員長の太田明香里さんはじめマーク委員会の三役、左が来年度の三役。後列の中三人がPTA保健厚生部の原田香理部長(中央)はじめ部員のおかあさん。左端が特別支援学級担当の柳原孝子先生、右端がベルマーク担当の青木千鶴先生
 年に2回、クラスマッチがあります。2週間ほどかけて集めた点数を競い、上位クラスには賞状を出します。今年度は、初めて全校目標を決めました。各クラスが、大縄跳びの綱を1本ずつ買えるだけの点数を集めようというのです。委員長の太田明香里さん(6年)のアイデアで、見事全クラスが達成できたそうです。年に1度、上級生が下級生のために開く「なかよしまつり」でも、ダンボールでベルマークのジグゾーパズルを作ったり、べルマーク数え歌を作ったりして協力を呼びかけました。太田さんは「思ったよりやることが多くて大変でしたが、みんなで協力して工夫したりして楽しかったです」と話していました。
 もうひとつ、今年度初めての試みがありました。特別支援学級のこどもたちも作業に加わってもらったところ、みんな喜んで手を動かし、「思いのほかいい活動になりました」と担任の柳原孝子先生が話してくれました。
校庭のわんぱく広場。池にはザリガニもいる=いずれも長野県中野市立中野小で 3年前に着任した佐々木校長は「なっとう笑顔のあいさつ」を呼びかけてきたそうです。「なっとう」とは「(相手の)名前を呼んで遠くから」の略だそうです。「私にも、みんな『校長先生おはようございます』と元気にあいさつしてくれます。気持ちよく朝のスタートができます」。
 市街地なのに校庭がとても広く、マツやサクラの巨木も何本もあります。その一角の「わんぱく広場」の池にはザリガニもいて、こどもたちがよくつかまえるそうです。隣の畑地では、全学年が野菜作りをします。ダイコン、サツマイモ、クロゴマ、ケナフ…。秋には収穫祭を催すのだそうです。

《写真上から》
・PTA保健衛生部員と連絡員たちの仕分け作業。新型インフルエンザ対策で全員がマスクをつけています(中野小学校提供)
・佐々木正明校長をはさんで右が委員長の太田明香里さんはじめマーク委員会の三役、左が来年度の三役。後列の中三人がPTA保健厚生部の原田香理部長(中央)はじめ部員のおかあさん。左端が特別支援学級担当の柳原孝子先生、右端がベルマーク担当の青木千鶴先生
・校庭のわんぱく広場。池にはザリガニもいる=いずれも長野県中野市立中野小で

400万点達成校を訪ねました!

活動を支えるのは3年生の児童と保護者

愛知県武豊町立武豊小学校
 愛知県武豊町立武豊小学校(榊原雅信校長、843人)のベルマーク送票点数が、累計で400万点を超えました。県内26番目、ベルマークの仕分け、集計を行うPTA文化委員と3年生の保護者の皆さん知多半島では同町内の衣浦小に次いで2校目です。
 PTAのベルマーク担当は文化委員会(荻野美奈子委員長、8人)で、収集や整理を3年生の児童と保護者が手伝っています。
 回収は年に3回、原則として6、11、2月です。それぞれ1週間の「ベルマーク週間」を定め、事前に協力を呼びかけるプリントを全校保護者に配布します。子どもたちは期間中、各教室に設置してある収集箱に家庭から持参したベルマークを入れます。最初に3年生の児童が大まかに仕分けし、次いでPTAの文化委員が自宅に持ち帰り、整理します。
 これを活動日に学校に持ち寄り、3年生の保護者と一緒に台紙に張るなどして集計します。3年生は4組あり、6月は1、2組、11月は3、4組、2月は最初に参加できなかった保護者が出るように分担を決めています。
 地域の協力も積極的です。09年夏には旭硝子の「ガラスパワーキャンペーン」に応募、たくさんの町民にインターネット投票で応援してもらったおかげで、災害時の避難場所になる体育館のガラスを防災ガラスに交換してもらうことができました。町内のスーパーに回収箱を置かせてもらうなどもしています。
ベルマーク財団からの感謝状を囲んで記念撮影。前列中央は荻野PTA文化委員長、左端は榊原校長=いずれも愛知県武豊町の武豊小学校で
 ベルマーク預金では、逆上がり練習器などの体育用具、鉛筆削り器などの学級用品など、たくさんの教育用具、備品を購入することができました。榊原校長は「(年間10万円前後で)金額的には必ずしも多いと言えないかもしれませんが、学校に協力しようという保護者や地域の皆さんの姿勢、意識がとてもありがたい」と話していました。
 同小が子どもたちに奨励するのは「よく遊び、よく食べ、よく学ぶ」こと。遊びや運動は社会性を養い、学習効率を高めます。視野を広げ、アイデアを生み出します。また田植えや稲刈り、もちつきを通じて、地域の世代の異なる人たちと交流するなど、学校・家庭・地域が一体となった教育を進めています。
 1986(昭和61)年には韓国・ソウル市のキリスト教系私立学校・大光(テグァン)初等学校と姉妹校提携を結び、95年から交互訪問を続けています。今年1月には28人の訪問団を受け入れ、武豊小の子どもたちは一輪車乗りなど、大光の子どもたちはテコンドーや扇の舞を披露して交流を深めました。

《写真上から》
・ベルマークの仕分け、集計を行うPTA文化委員と3年生の保護者の皆さん
・ベルマーク財団からの感謝状を囲んで記念撮影。前列中央は荻野PTA文化委員長、左端は榊原校長=いずれも愛知県武豊町の武豊小学校で

300万点達成校を訪ねました!

回収は子ども、仕分け以降はPTAが分担

青森県八戸市立鮫小学校
笑い声も起こる、作業中のベルマーク委員会のお母さんたち
 八戸市立鮫(さめ)小学校(天内享二=あまない・きょうじ=校長、464人)が、44年がかりで、累計300万点を達成しました。
 八戸市は、太平洋に面した工業と水産業が盛んな、人口約24万人の青森県第2位の都市です。漁業は、かつては水揚げ日本一を誇った時期もありましたが、近年は国際的な規制強化や、近海での資源減少などの影響を受けて厳しい状況にあります。鮫小学校の学区にも漁港はありますが、児童の保護者で漁業専業者は1割にも満たないといいます。
感謝状を手にする貝森久美子委員長と山崎茂教頭、村上志美子副委員長 鮫小学校は、市中心部から東にある鮫町の坂の上に建ちます。校舎からは太平洋、八戸港が見下ろせます。ベルマーク活動を担っているのは、PTAベルマーク委員会(貝森久美子委員長)の33人のお母さん方です。各学年3〜4人の募集に対し、自ら手を挙げて参加された人たちです。
 収集は8月と3月を除く、月1回。「ベルマーク週間」と呼び、1週間を設定しています。回収を子どもたちにお願いしています。児童委員会の一つ、JRC(ジュニア・レッド・クロス=青少年赤十字)委員会です。奉仕活動を展開している組織です。集まったベルマークを、PTA委員会が利用している会議室へ運んでくれます。
 ベルマーク委員会のお母さん方は毎月、第2火曜日と水曜日、会議室に集まります。火曜日はマークの整理と仕分けまで。水曜日は、協賛会社ごとに担当者を決め、集計を行います。両日とも、家事などに影響がでないよう、作業は午前10時から正午までと決めていますが、仕事を持っている委員も多く、参加は毎回、3分の1程度にとどまります。
砂浜に群れるウミネコ。後方が蕪島。山頂に建つのは蕪島神社 出席した委員は、マヨネーズや魚肉ソーセージなど枚数の多い協賛会社のものから手をつけます。欠席した委員にも分担してもらうのですが、家庭で無理なくできる分量の案配を考えながら、作業を行っているわけです。その結果、処理できなかった分を持ち帰り、家庭で行うこともあります。
 地区公民館やスーパーに収集協力箱を置かせてもらっているほか、卒業生の保護者や、地域のお年寄りからの寄贈も受けています。そんな中に、見慣れないマークが28枚混じっていました。毛糸らしい商品につけられていた、30年くらい前のベルマークでした。「捨てるのはもったいないね」「資料として取っておきましょうか」。寄せられた協力を無駄にはできない気持ちがこぼれます。
 こうした取り組みを重ね、これまで、学校当局と相談しながら音楽室のスピーカーとアンプ、ストップウオッチ、水も吸い取る掃除機などを購入してきました。今後の目標として、屋外時計を考えています。ところで、鮫という地名ですが、「郷土史家の間には、湧水の『沢』がなまったとか、島を意味するアイヌ語『サム』からなどという説がありますが、はっきりしません」と、山崎茂教頭の話です。
 島といえば学校から歩いて15分ほどのところに、ウミネコの繁殖地で知られる蕪島(かぶしま)があります。今は陸続きになっていますが、国の天然記念物に指定されています(1922年=大正11年)。ウミネコはカモメの仲間で、鳴き声がネコに似ています。蕪島には春先に飛来、約4万羽が営巣し、8月中旬ごろ南へ帰ります。
 鮫小学校ではウミネコ保護を目的に、毎年6月から8月まで、4年生、5年生、6年生が各1回ずつ、海岸を中心に清掃活動を行ってきています。活動がいつ始まったのか学校には記録がないため不明ですが、1968年の八戸市教育長表彰をはじめ、日本野鳥保護連盟、青森県知事などから表彰を受けています。

《写真上から》
・笑い声も起こる、作業中のベルマーク委員会のお母さんたち
・感謝状を手にする貝森久美子委員長と山崎茂教頭、村上志美子副委員長
・砂浜に群れるウミネコ。後方が蕪島。山頂に建つのは蕪島神社

300万点達成校を訪ねました!

3グループに分かれ仕分け・集計の作業

千葉県野田市立南部小学校
おしゃべりしながらのベルマーク切り取り作業
  千葉県野田市立南部小学校(斎藤吉己校長)が、1961(昭和36)年からの活動を重ね、このほど、累計点数300万点を達成しました。
 学校のある野田市は、千葉県の最北西にある人口約15万6千人の街です。江戸時代から、しょうゆ産地として有名です。現在でも野田市に本社を置くキッコーマンは、約30%という国内第1位のシェア(2008年、キッコーマングループ)を誇ります。南部小学校では毎年、3年生が社会科授業の一環として、工場見学をしています。
 学校創立は1873(明治6)年で、902人が学んでいます。これは、野田市にある居残って協賛会社ごとに仕分ける、右から中山直美さん、向井恵子さん、貫井章子さん31の市立小中学校の中で、一番、児童・生徒数が多い(米田博教頭)とのことです。野田市都市計画課によりますと、農地が多かった付近一帯は1985(昭和60)年前後から宅地化が進み、人口が急増しているという話です。
 ベルマーク活動は、PTAベルマーク係が当たっています。全学年26クラスから各2人ずつ選ばれた、52人のお母さん方です。代表を、PTA本部役員幹事、中山直美さんが務めます。
 ベルマークの収集は毎月1回、行われます(8月と3月はお休み)。学年だよりで保護者へ収集日を連絡、収集当日は各クラスごと、子どもたちが回収、プレハブ会議室に運びます。
 作業は2カ月に一度、行われます。まず、52人のお母さんたちは6・5年生、4・3年生、2・1年生の3グループに分かれます。はじめは、集められたベルマークを整理し、協賛会社ごとに仕分けする作業で、これをAグループが担当します。次に日にちを改めて、今度はBグループが、協賛会社ごとに集計、まとめます。次はCグループが「整理・仕分け」作業を担当し、Aグループは今度は「集計」作業を行う――と繰り返してゆきます。ちなみに、協賛会社名がつけられたベルマーク入れは、給食用のフルーツ3キロ缶を利用したものでした。
 プレハブ会議室での作業は午前10時から正午まで。やり残しがあっても時間延長することはしないで、次回へ回します。「細かい子どもたちを見守るウメの古木=写真はいずれも千葉県野田市の南部小学校で作業を休憩なしでしていますから、延長はしません。年2回の作業なので、各グループの出席率は毎回90%を超えます。また、当日、都合つかなかった人が別のグループ作業に参加することもあります」と、中山さんのお話です。
 PTA役員もベルマーク活動に協力的です。お邪魔した日は、もう一人の幹事・向井恵子さん、書記の貫井章子さんがサポート参加され、居残って、仕分け作業を続けていました。
 これまでベルマーク預金で黒板ふきクリーナーや、ミシン3台などを購入しています。
 昼休み。子どもたちが群れ遊ぶ校庭に、樹齢を重ねたウメの木が1本、2本、3本……と目立ちます。最寄駅・東武野田線の駅名「梅郷(うめさと)」にも残る、野田市新設に伴って廃止された梅郷村にちなんでのことです。校章には梅花があしらわれるなど、深い縁があります。

《写真上から》
・おしゃべりしながらのベルマーク切り取り作業
・居残って協賛会社ごとに仕分ける、右から中山直美さん、向井恵子さん、貫井章子さん
・子どもたちを見守るウメの古木=写真はいずれも千葉県野田市の南部小学校で

300万点達成校を訪ねました!

学期ごとに仕分け・集計作業

千葉県市川市立二俣小学校
 千葉県市川市立二俣小学校(西村賢治校長、421人)が1970年6月のベルマーク運動参加以来、300万点を達成しました。300万点の感謝状を持つ藤嶋PTA文化委員。左は西村校長、右は文化委員の方
 活動を支えているのはPTA文化委員会(藤嶋侑子委員長、15人)です。新学期に集め方を印刷した「ベルマーク便り」と一覧表を保護者全員に配布して、収集の協力を呼び掛けます。教室に収集箱を置いて、家庭から児童に持参してもらっています。正面玄関にも収集箱を置き、学校を訪れた保護者が入れます。
 仕分け、計算は学期ごとに文化委員が会議室に集まって行います。委員が教室から回収して、番号を記入した箱に分類して整理をします。文化委員は働いている保護者もいるため、参加できる人が学校に集まり作業をします。発送は文化委員会のベルマーク委員2人が担当しています。地域のスーパーマーケットなどへの収集箱の設置はしていませんが、地元幼稚園などへ協力の呼びかけを検討しています。
 文化委員会の主な事業は、年6回開催する「家庭教育学級」の企画、運営の仕事です。市教育委員会が推進している子育てに関する講座、講習会の開催で、文化委員会がテーマ選びから講師の手配までを行っています。消防署員が講師となったAEDの使い方を学ぶ「応急手当講習」、ビール工場の見学会など、「今年は家庭教育学級を8回開きました」と藤嶋委員長は話します。
 学校では算数の学力向上をめざした「チャレンジタイム」を開催していて、ドリルテストを保護者や地域の人たちが採点をします。学年に応じたテストを達成できない児童に対して地域の人たちが指導をしてくれます。「児童の基礎学力の向上に役立ち、地域と学校の交流の場にもなっています」と西村校長は説明していました。

《写真》300万点の感謝状を持つ藤嶋PTA文化委員長。左は西村校長、右は文化委員の方

300万点達成校を訪ねました!

携帯メール網で連絡し回収率アップ

横浜市立下永谷小学校
学年保健委員全員が集まってのベルマーク切りそろえ作業
  横浜市立下永谷(しもながや)小学校(大石久宜=ひさき=校長、796人)のベルマーク活動は、1968(昭和43)年、学校の創立とともに始まりました。42年目の今年、ベルマーク累計が300万点を突破しました。
 活動を担うPTA学年保健委員会の中沢留美委員長は、「ベルマーク教育助成財団から感謝状が送られてきて300万点達成を知りました。積極的な取り組みもしてきていませんし、特別なこともしていません。それだけに、チリも積もれば――の結果に驚いています」と喜びを話しています。
 学年保健委員会は、全校23学級から1人ずつ選ばれたお母さん方で組織されています。正副委員長の下に、ベルマーク班、試食会班、講演会班の3つがあり、各班は7人ずつで構成されます。試食会班は給食の試食を、講演会班は外部講師を招いての講演会を担当します。
 ベルマーク収集は7月、10月、2月に行います。この時、児童保護者への収集日連絡で効果を上げているのが、携帯メールです。2008年度から始めました。「まちcomi」と呼ばれる参加任意の学校の連絡網ですが、児童保護者約690家庭の80%がメールアドレスを登録しています。学年保健委員会からの「お知らせ」配布だけだった時に比べ、回収率が10〜15%、アップしました。
ベルマーク預金で購入した白衣を着て配ぜんする給食当番の児童ら
 収集日に決められた金曜日の朝8時から8時30分まで、当番の学年保健委員6〜7人が子どもたちの下駄箱がある3つの入り口に立ち、回収します。さらに、出し忘れに備え、2日おいた月曜日にも立ちます。金曜日は回収のみですが、月曜日は学年保健委員会の定例日にもなっていて、3つの班は、それぞれ担当分野で活動します。ベルマーク班はマークの切りそろえ、協賛会社ごとに分別の作業に当ります。手のあいた試食会班、講演会班の委員も随時、加わります。
 しかし、定例日だけでは間に合いません。そこで、年2回、ベルマーク活動のために特別招集が実施されます。児童保護者にボランティア参加を呼び掛け、応じてくれたお母さんたちと学年保健委員全員が出席、人海戦術で取り組みます。  集められたベルマークを7月と3月、ベルマーク教育助成財団へ送ります。預金で、各クラスの給食当番が着用する白衣、運動会で使う紅白の大玉などを購入しました。
 さて、下永谷小学校のある横浜市港南区は、1970年前後から宅地開発が進み、人口が急増した地域です。校地も、開発前は松校庭しぜん体験博物館の一つ、丸太の畑=いずれも横浜市港南区の下永谷小学校で林の丘陵地でした。しかし現在、そういった面影はまったく残っていません。自然環境が少ないことを憂え、校庭の一角に、子どもたちが自然に触れ合える施設を造りました。「校庭しぜん体験博物館」です。水田でお米を作り、畑ではダイコンなどを収穫します。その他、カエルの池、ムシムシランド、ふれあいの水辺などがあります。在校生の活動に、卒業生や地域のお年寄りが協力参加しています。10年に及ぶ環境教育への取り組みが認められ、2009年、時事通信社の「教育奨励賞」を受賞しました。下永谷小学校の誇りの一つです。

《写真上から》
・学年保健委員全員が集まってのベルマーク切りそろえ作業
・ベルマーク預金で購入した白衣を着て配ぜんする給食当番の児童ら
・校庭しぜん体験博物館の一つ、丸太の畑=いずれも横浜市港南区の下永谷小学校で

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青森県八戸市立桔梗野(ききょうの)小学校
 中山勝治校長、314人。八戸市内北部の住宅街にあり東北道八戸北インターや自衛隊駐屯地が近くです。毎週1回、朝30分の桔梗タイムでは、歌やダンス、音読などの課題を持って表現活動をしています。秋のチビッコオリンピックは4〜6年生がクラスごとに様々なゲームを企画しておりみんな楽しみにしています。ボランティアのお母さんたちによる「読み聞かせ会」は、絵や人形を手作りした「大型紙芝居」ともいえるもので、ピアノの生演奏まであります。ベルマーク活動をするのはPTAベルマーク委員会26人。各教室にベルマーク箱を置いてあり毎月第1月曜が収集日で、前日、回収用の封筒を一人ひとりに配ります。このあと学校でお母さんたちが仕分け、集計を行っています。近くのスーパーにも回収箱があり、これまでにブランコや紅白の大玉などをお買い物しています。

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宮城県亘理町立亘理小学校
 淺野幸一校長、716人。仙台の伊達藩支配下だった亘理藩の旧城下町の中心部にあります。北海道伊達市の東小学校とは、1977年の有珠山噴火と、78年の仙台地震のお見舞いを交わしたことが縁で姉妹校となり、30年以上交互に訪問し、交流しています。校庭には高さ約20b、樹齢180〜200年のスギがあり、「2本立ちの大杉」ということから「ふたすぎ」の名が付いた同小のシンボルです。1本は弱ったため植え替えられ、同窓生やPTAなどで作る「校木ふたすぎを守り育てる会」が手入れをしています。ベルマーク活動はPTA文化委員会25人が担当し、ベルマーク便りで呼びかけ、年4回、収集、仕分け、送票しています。これまでにラジカセ、サッカーボールや長縄などを購入しています。

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秋田県横手市十文字第一小学校
 石田廣太郎校長、463人。ベルマーク活動は、PTA環境部18人が担当しており、年度初めに全家庭に収集をお願いするチラシを配ります。毎月「集金・ベルマークの日」があり、子どもたちがクラスごとにマークを提出します。仕分け・集計は、毎月、環境部役員が各家庭で行っており、年度末に学校に持ち寄り全体集計します。送票は担当教員がしています。JR奥羽本線十文字駅近くにあり、今年で創立133年の伝統校です。学力向上を目指して朝15分のチャレンジタイムを設けているほか、昼休みには週4回、読書の時間があります。またボランティアの方による読み聞かせも週1回あり、読書感想文コンクールでは文部科学大臣賞を受けた子どももいるそうです。

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茨城県ひたちなか市立田彦(たびこ)小学校
 須田慎一校長、1015人。ベルマークは全児童にベルマーク袋があり、年3回、回収します。担当はPTAの総務、ベルマーク委員各6人で、仕分け、集計は学年ごとに行ったあと全体で作業し、送票しています。インクカートリッジの回収は児童の福祉委員会(5、6年生20人)の担当です。オリジナルポスターを張ったり、総務委員会のお便りで収集のお願いや集計結果のお知らせをしたりするなど呼びかけも工夫しています。公民館、福祉センター、コンビニ、スーパーなど6カ所にポスターやベルマーク箱を置かせてもらっており地域の協力も大きな支えです。住宅街にある県内有数の大規模校で、竹の会(おやじの会)による餅つき大会の他、秋の「ふれあい祭り」は模擬店が出て昔の遊びをするなど、地域との交流が密接です。

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横浜市立本郷小学校
 村本淳一校長、667人。横浜市栄区の住宅街にあり、緑豊かで100周年を記念して作った広いビオトープ「とんぼ池」は様々なトンボだけでなくメダカやハヤなども見られます。また校庭には田んぼがあり、PTAOBで作る「郷(さと)の会」メンバーの指導で子どもたちが田植えから草取り、稲刈りまでしており、餅つき大会は子どもたちの楽しみになっています。ベルマーク活動は、子どもたちとPTAが両輪です。教室にあるベルマーク箱は5、6年生14人の「みんなで集めよう委員会」が回収、仕分けまでします。地域のお店などに置いてある回収箱の分の仕分けや、全体の集計、送票はPTAがしており、地域には回収時にはお礼状を出し、購入したものも報告しています。これまでに購入したのは、運動会で使う大玉や時計などです。
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