★ 900万点達成校を訪ねました!
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マーク収集、集計に工夫凝らす下関市豊浦小学校
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山口県下関市豊浦小学校(中嶋正弘校長、930人)が県内で初めての900万点を達成しました。参加45年目、ここ数年の年間集票点数は県内トップで、2006年度(2月21日現在)は17万余点を積み上げました。
豊浦小はPTAを育友会と呼び、7専門部のうち厚生部(末松奈津子部長)が担当しています。部長、副部長のほか、各クラス1人の委員と3人ずつの部員がメンバーで、集計作業は主にクラス委員が行い、部員はお手伝いする形だそうです。 毎月1回「ベルマークの日」があり、各クラスに集まったマークを委員の児童に持ち帰ってもらい、会社ごとに枚数と点数を集計します。全体集計は各学期末に1回、部会の集まりに使う学校隣りの教育資料館で行います。 3月中旬にあった全体部会には30人余りのメンバーが参加、学年別に分かれたテーブルで集計作業をしていました。「妻の都合がつかなかったので」と言うお父さんは「何がなんだか分からない」と話しながらも、なかなかの手際でした。集計作業では、学年ごとに協賛会社を担当したり、委員が集計袋や集計表を交換、計算や記入のチェックをしたりして、ミス防止に工夫を凝らしています。2学期末に発送したマークは「2枚が間違っていて、財団にご迷惑をかけました。今回はノーミスを目指します」と末松部長。 マーク収集にも知恵を絞っています。毎月1回の「ベルマークの日」に集まったマーク枚数の上位5クラスを校内放送で発表、各学期にも1学期分の平均枚数で上位5クラスを「ベルマーク大賞」に選んで表彰しています。 また、毎年11月に行われる育友会主催のバザー「とよら祭」で「ベルマークくじ」を続けています。家庭で眠っていた品物を持ち寄ってもらい、未使用で子ども向けの品物を選んで景品にし、ベルマーク5枚で、くじが引けるというものです。昨年の「とよら祭」では、用意した2種類約330のくじは、開始1時間足らずで完売する人気だったそうです。 豊浦小は、JR下関駅から東に約8`、城下町で知られ、高杉晋作や、日露戦争で有名な乃木大将らのゆかりの地、長府地区のほぼ中心にあります。1958(昭和33)年には、児童数3528人、64クラスで国内一のマンモス校だったことがあり、いまも児童数は市内トップです。集票実績は、児童数の多さも一因でしょうが、ベルマークへの関心と収集意欲を高めるため、子どもたちに様々な働きかけを続けてきたことが大きい、と思いました。 |
マーク集めも仕分けも全校生徒で
長野県辰野町辰野中学校
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「1年間のベルマーク送付合計点数、68万7,244点」。この点数は長野県ではもちろん1番、全国でも2番目です。長野県辰野町辰野中学校(坂口喜久夫校長、545人)は、ベルマーク運動に1962年に参加、ベルマーク52回の送付で600万点を達成しました。長野県では3校目です。
辰野町は伊那谷の北、標高約700メートルに位置しています。JR飯田線、宮木駅歩いて10分ほど。天竜川のすぐそばに辰野中学校があります。校門脇には学校シンボルの「大欅(けやき)の木」がそびえていました。その欅にちなんで生徒は「欅樹黌生(きょじゅこうせい)」、文化祭は「欅樹黌祭」といっています。 「600万点達成は嬉しいです。生徒がとても喜びます」とベルマーク委員会顧問の佐藤由香里先生。同中の特徴はベルマーク集めも、整理もすべて生徒が行ったことです。2006年度の生徒会の方針で、「あらゆる活動を、生徒全員参加で行なう」を目標にして取り組みました。 14ある委員会活動の1つ、ベルマーク委員会(委員長赤羽志帆さん、副委員長伊藤天馬君)、各クラスから2〜3人の委員、計39人が中心です。1学期に、購入品のアンケートを採りそれを目標に回収を始めました。「年度内に収集したマークはその年に送り、設備品を購入して生徒に還元する」をスローガンに学期ごとの発送を予定。ベルマーク収集週間前にポスターを作り掲示。各教室で、協賛会社ごとの小袋を作り壁に貼り付け、その袋に各自がマークを入れていきます。各クラスの回収点数結果を統計表に記入して廊下に掲示、それを給食中の校内放送で発表するほか、全員がマークを持ってきたクラスには感謝状を渡します。 各クラスで集めたマークは、毎週木曜の委員会の時間に、手のあいている委員会にも手伝ってもらいながら集計します。正副委員長は、この集計作業がどの委員会の時間でもできるように、小分けした整理袋を常に用意しています。各学期末に、正副委員長が送り状を作成、発送します。 2学期は、何年か前に収集したまま残っていた未整理マークを一斉に整理しました。全校生徒で、この未整理マークの仕分け、集計を学級活動の時間に奉仕活動として行いました。その点数を含めて、百人一首大会で使う百人一首や欅樹黌祭で使うスポットライト、全クラス分の電波時計などを購入しました。12月末に3年生から、2年生の新生徒会(委員長茅野陽香さん、副委員長宮崎怜君)に引き継ぎをし、先輩の活動を継続しています。 |
カートリッジ回収に大きな成果青森市浜田小学校
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「2006年度の集票点数が、青森県で1番多い15万9418点集めました」。青森市浜田小学校(長谷川俊介校長、704人)は、学校創立と同時にベルマーク運動に参加、34年で500万点を達成、県下6校目です。2月28日の全校参観日、父兄全体会で佐藤孝一教頭より報告、協力に対する感謝の気持ちを込めたお話がありました。
ベルマーク委員会(委員長三上由美子さん)の84人が年6回(1回約30人)、整理、仕分け、点数計算をしています。整理の終わったマークは、ある程度たまり次第(年2〜3回)送ります。「特に使用済みカートリッジの回収に力を入れて、協力していただいています。カートリッジにベルマークが付いていれば問題ないのですが、まだまだ仕組みを知らない人が多く、工夫しています」。教室には使用済みトナーやカートリッジが山済みです。これは委員会の方が、地域にある幾つかの家電量販店に交渉した結果いただけるようになったものや、父兄が勤めている事務機器卸業の方々からの協力による成果です。今回、エプソンとキヤノンを合わせて2万2千点以上。トナー4箱、カートリッジ16箱でした。1年では7万4千点以上集めました。 ベルマーク預金での購入品は、デジタルカメラやユニフォーム、卓球台など。2月に注文のCDラジカセとDVDプレーヤーが先日届いたばかり、箱から取り出しながら誇らしげです。 浜田小は、青森市内でいち早く2学期制を取り入れました。高学年は教科担任制や、算数は4クラスを6クラスにして行なう少人数指導も行なっています。授業時間の確保を大切にして、複数の教師の人格に触れることで児童の長所を生かして、より専門的な指導するためです。 児童と親と教師、地域と学校の連携を深めるため、一学期の終わりに「夏祭り」が行なわれています。一番の注目は父兄の手作り「小型ねぶた」の出陣。それに合わせて児童100人位がおはやしや踊りで盛り上がります。PTAの皆さんはカキ氷やお菓子くじなどのお店を出し、地域をあげて楽しみ信頼を深めています。 |
年15回の委員会、6割は夜の開催
北海道八雲町八雲小学校
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「作業時間を1時間と区切れば集まりやすいのでは」「今度は○○を買うから頑張ろう、と具体的な目標をたてたらどうか」。熱の入った議論が続きます。外は吹雪です。全道7番目に400万点を記録した北海道八雲町の八雲小学校(柏崎勝太郎校長、669人)のPTAベルマーク員会の06年度最後の反省会です。PTAの大久保建一会長、浅野賢次PTAベルマーク委員長の他、学校側を入れて12人。子どもも5人います。夜7時過ぎから、1年間の活動のあり方やお買い物予定を話し合い、終わったのは8時半近く。車の上には15センチ位の雪が降り積もっていました。
同小のベルマーク活動の特徴は、委員会が年15回と多く、6割が夜7時からの開始、ということです。働いているお母さんが多いためですが、仕事を終えた男性も結構います。また3回行う月もありますが、それでも11月中には終わります。理由は、雪です。道南にしては雪が多いので、集まるのが大変な雪のシーズンの12月前には活動をやめるのです。 八雲小では、ベルマークを集めるのは子どもたち。マークを切り取って、仕分けるのは、PTAの出番。点数計算、送票は担当教諭が行う3本柱方式です。参加はベルマーク教育助成財団設立翌年の1961年と古く、91年には年間46万点を集め全道1位、全国17位になったこともあります。 同小は、牧歌的な景観から「自然美術館」とも呼ばれる八雲町の中心部にあり、今年50回を迎える秋の音楽発表会が名物。学年ごと100人ぐらいが歌や器楽演奏を、児童と保護者に2回披露しますが、「保護者公開では体育館に入りきれないため、途中で入れ替えをするほどです」と村上俊一教頭。校長室には青い目の人形があります。戦前アメリカから日米友好の使節として各地に送られ、戦時中、処分されるなど数奇な運命をたどりましたが、同小では、創立100周年の79年に職員室の棚に眠っているのが「発見」されたものです。 |
工夫引き継ぎ県内8番目の到達
富山市山室小学校
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富山市立山室小学校(清水久至良校長、600人)が400万点校の仲間入りを果たしました。200万点校になったのは県内で12番目でしたが、着実な運動が順位を押し上げ、300万点校は9番目、400万点校は8番目の到達です。ベルマーク運動に参加して40年、諸先輩の努力、工夫の積み重ねが大きな成果につながっています。
運動は、学校の先生、児童、保護者の三位一体で取り組んでいます。 学校は毎月1回の「ベルマークの日」に合わせて担任の先生が子どもたちの連絡帳に「ベルマークの日」と記入し、当日は収集袋に受領印を押します。子どもたちは、持参したマークを学年ごとに設けている「ベルマーク箱」に番号別に分けて入れます。 仕分け、集計、財団への送票を担当しているのはPTA愛育会(島先孝志会長)の環境美化部会です。各学年4人ずつ計24人の部会員が年に5回、学校に集まります。所用で参加できない人には自宅で点数計算をお願いするなど、平等に作業を負担するよう留意しています。 仕分けをする場所まで6個の「ベルマーク箱」を運んでくるのはベルマーク担当の先生です。「ベルマーク箱」は21の収納ボックスがあるキャビネットを利用したもので、一つのボックスを三つずつに区切って計63種類のマークを入れられるようにしています。箱は代々引き継がれたもので、かなり年季が入っています。諸先輩の「知恵と工夫の継承」が大きな成果につながっている、と部会長の浜元さんは話していました。 同小の目標は「やさしい子、遊んで遊ぶ子、元気な子」を育てること。6年前から中庭で飼っているヤギを大切に世話したり、縦割りグループで豊かな心を養ったり、体力作り活動に努めたりしています。現在は新校舎を建設中で、今年6月か7月頃に完成する予定です。学校の新しい歴史の始まりに合わせるかのように、同小のベルマーク累計500万点を目指す歩みもスタートしました。 |
PTAの担当役員の引き継ぎに工夫
石川県野々市町御園小学校
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北陸の中心都市である金沢に隣接する野々市町は石川県内9町の中で一番人口が多い町で、人口増加に伴う都市化現象が急速に進んでいます。ベルマーク運動への取り組みも活発で、町内に5つある小学校のうち4校までが今年度集票点数の県内ベスト50に入っています。累計点数でも県内ベスト10のうち2校が野々市町の小学校で、15番目にも1校が名を連ねています。
御園小学校(廣瀬修校長、638人)は、町内で2番目、県内で10番目に400万点校の仲間入りを果たしました。学校創立が1978(昭和53)年で、すぐベルマーク運動に参加していますから、28年かかって400万点の大台に到達したことになります。かなり速いペースです。 PTAでベルマークを担当しているのは厚生部です。児童会のボランティア委員会が収集日を決めて集めたマークを、各クラス1人ずつ計20人の部員が年に8回集まって、仕分け作業にあたっています。 役員は部長と副部長の2人で、副部長を1年やった人が次の年度の部長に就任することになっています。現在の河端由子部長は前年度の副部長で、宮本ひとみ副部長が来年度の部長になります。2年続けての役員は大変ですが、仕事の継続性を第一に考えてのことだそうです。 御園小は本年度、指導と評価の一体化を図った授業づくりを通して、児童の学力向上を目指した学校研究を進めています。先生方は子どもたちの「やったー」「わかった」「できた」の声を励みに日々の教育実践に取り組んでいます。 |
年8回の整理に全員が参加
さいたま市大牧小学校
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300万点を達成したさいたま市立大牧小学校(小岩農里夫校長、785人)は、ベルマーク運動に参加24年での達成です。
大牧小のすぐ近くには、江戸時代に開発された自然豊かな“見沼たんぼ”が広がっています。見沼の花と緑に包まれた環境の中で、自然を大切にする心を育てる体験活動や、1年生と6年生、2年生と4年生、3年生と5年生がペアーになり「1つのきょうだい班」をつくり、全校生徒による徒歩遠足やいろいろな遊びで縦割り活動を充実させ、触れ合いを深めています。ほかには「もう少し勉強したいな」「ちょっとわからないところがあるな」というとき、放課後、だれでもが利用できる「勉強の保健室」があります。そこには、わからない問題を優しく教えてくれる先生がいます。 ベルマーク運動の取り組みは、PTA教育環境委員会(委員長稲葉敦子さん、18人)が、年間8回(6月、7月、9月、10月、11月、12月、1月、2月)の収集日の日程を決め、一般父兄の方全員に年1回のお手伝いの依頼をします。収集日の2〜3日前、児童に封筒を配布します。回収したベルマークは1回に約50人の人数で、仕分け、点数計算を1時間位で全てを行い、その日の内に郵送します。全ての保護者が毎年参加するため、みなさんが整理経験者。収集回数を多くする事で、整理するマークの数は少なく、1回の作業時間はとても短く終了できることが大きな特徴です。 集計報告やベルマーク参加商品の入会、脱会の案内には、不定期ですがベルマークたよりを発行しています。 これまでのベルマーク購入品は、黒板ふきクリーナーやワンタッチテントなどがあります。今後の購入品は学校にお任せしています。 最後の委員会で「全員で協力して活動した結果、学校の役に立っている事が実感できました。又、設備品を購入すると、へき地への援助ができている事を皆さんも知ってほしいと思います」と稲葉さんは話していました。 |
委員会発足2年目、300万点に感激
松戸市八ヶ崎小学校
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松戸市立八ヶ崎小学校(辻邦雄校長、665人)は、全国学校体育研究会最優秀校として2005年11月、文部科学大臣賞を受賞しました。生涯にわたって運動やスポーツに親しもうと、それぞれの運動のもつ楽しさを十分に味わえる学習をめざし、創立当初から体育研究校として体力づくりに取り組んだことが評価されました。ソフトバレーボールやフラッグフットボールなど新しい種目の学習を取り入れ、ゲーム形式で繰り返すことにより個人技術を高め、基礎や技能を身につけるようにしています。「健康で元気な子供の育成にはバランスのよい食事が大切。本校は学校給食にも気を配りメニューを作っているのも自慢の一つです」と浅岡裕子教頭のお話でした。
学校創立と同時にベルマーク運動に参加、36年で300万点を突破しました。PTAベルマーク委員会(委員長・平松祐子さん)20人は、年間3回(9月、11月、1月)の整理、計算、発送を行なっています。各児童に回集袋とベルマーク便りで呼びかけ、各クラスに収集箱を置き1週間ほどかけて回収しています。仕分け、点数計算はベルマーク委員が学校で作業します。「ベルマーク委員会が発足して2年、手探りでベルマーク便りを作りました。ベルマーク運動は“カメの歩み”です。1歩1歩を着実に進めれば、数年分の預金で買い物が出来ることを強調しました」と平松さん。回収に向けてのお願いやインクカートリッジの取り扱い、収集点数の報告などの掲載はもちろん、一番目を引いたのは、質問をまとめた「ベルマークQ&A」です。回収袋を無くしたときは?マークが集らないときは?ベルマーク運動にはどうしても参加しなくてはいけないか?などの問いに的確に回答しています。 ベルマークでのお買い物は、昨年は裁断機や可動式書架、からくり時計など。八ヶ崎小は読書にも力を入れており、図書室に購入したからくり時計を掛けて和やかな雰囲気をつくっています。可動式書架は子供たちが読み終えた本をのせ移動することができ、便利さが喜ばれています。 |
段取り工夫し、無理せずに成果
藤沢市長後小学校
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ベルマーク活動に無理がないように、と藤沢市の長後小学校(小又正校長、883人)では例年より作業を前倒しにしました。「余裕ができたおかげで、みんなで楽しく進めることができました」。その結果の、300万点達成です。PTAで活動を担当する学年学級委員会(51人)の委員長・柚原秀子さんや、PTA会長の田中昌子さんらが、地元の町の雰囲気そのままに、穏やかな落ち着いた口調で話してくださいました。
同校がある長後地区は、信仰の山・大山に向かう大山街道と、八王子の滝山城(国の史跡)に通じる滝山街道が交差する交通の要衝として、江戸時代から栄えた歴史ある町で、いまもその町並みに懐かしい雰囲気が残っています。長後小は25学級、児童883人と、藤沢市内でも有数の大規模校です。地区の「ふるさとまつり」の鼓笛パレードに児童らが参加するなど、地域との交流も根付いています。 ベルマーク活動は、今年は7月と11月の2回、学年学級委員会が仕分けと自宅での集計、学校での最終集計、と進めました。今年の特徴は、一連の作業の時期を前倒しにしたので、みんながゆったりと作業できたことです。また、学期ごとのベルマーク収集のお知らせのほか、今年はPTAの広報でも呼びかけた結果、母親たちからの手ごたえもあったそうです。作業面では、マークの仕分け用に新たにお豆腐の使用済みパックを使って、好評でした。 「みんなが楽しみながら、そして家で作業しやすいように工夫しました」と柚原さん。ベルマーク活動が学年学級委員の交流の場にもなり、家でする作業を、あえて学校に集まって行うグループもありました。柚原さんは「こうした良かった点を来年度にも引き継いで、ベルマーク活動が息長く続くようにしたい」と話していました。 |
学級懇談会に合わせて活動
川崎市東生田小学校
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川崎市多摩区の東生田小(片桐文雄校長、578人)が、ベルマーク活動41年目で300万点を達成しました。長年にわたってたゆみなく活動が続いているのは、ベルマークを担当する委員以外の父母たちもマーク整理に携わって、活動への理解を深めていることにあるようです。
ベルマーク活動の中心はPTA学年委員会。小林保子委員長たち各学級に1人ずつの18人です。マーク収集は6月と11月の年2回だけですが、各家庭では日ごろからマークをためておき、収集日に子どもたちに持たせます。収集の数日前にベルマーク袋と一緒にお知らせのプリントを配り、前日には連絡網を流すなど、呼びかけは念入りです。担任の先生たちも児童たちにベルマーク袋を配ったり集めたりして協力しています。 この学校のベルマーク活動の特徴は、学級懇談会に合わせて活動日を設けていることです。学級に集まったマークは、懇談会のあと父母たち全員で整理します。各学級とも作業は30分足らずなので、皆さん気軽に参加してくれるそうです。「そのお陰で、子どもたちに持たせるマークをきれいに切りそろえて10枚ずつにまとめてくれる方が多いのです」と委員の皆さんは話しています。小林委員長は「取り立てて目立った活動はしていません」と控えめですが、ちょっとした工夫が活動への理解を深め、協力の輪を広げているようです。あとは家に持ち帰って点数を数え、翌月の定例会で集計して発送します。ベルマーク預金で各教室に扇風機を備えました。 昨年創立40周年を迎えたこの学校は、スポーツが盛んで、水曜日の朝に全校児童が集う「若草運動」が30年以上も続いています。1学期は体操、2学期はボールを使った運動、3学期は縄跳びです。児童たちは“マイボール”を持っていて、各教室の前に並んだ大きな収納棚が目を引きます。 |
尊徳の教えに倣って大台達成
小田原市桜井小学校
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神奈川県小田原市桜井小(木村正憲校長、680人)が、40年の取り組みで300万点を達成しました。学校がある同市栢山(かやま)は二宮尊徳誕生の地。小さな努力の積み重ねが大きな事を成し遂げるという「積小為大」の教えに倣って、ベルマーク活動も地道な活動を積み上げて大きな成果をあげました。
活動を推進するのはPTA厚生委員会で、委員は各学年から2〜3人の13人です。月末ごとに児童たちに回収袋を配って、月初めに集票します。児童が持ち寄ったマークは担任の先生が集めて職員室に保管してくれるので、後日受け取って均等に分け、家で整理します。整理したマークは、学校の整理庫に入れておき、7、12、2月の年3回集計して発送します。 「色々な援助活動を周りの皆さんにも知ってもらいたい」と話す飯田忍委員長は、財団からのお知らせなどをきめ細かく採り入れて「厚生委員会便り」を作っています。スーパーに置いたベルマーク箱の中に、“ご苦労様です。ありがとう”というメッセージが入っていたり、有志のお母さんたちが集計作業に参加してくれるなど、委員さんたちの励みになっています。 ベルマーク預金では、ローローボールやスキップボール、竹馬など子どもたちが喜ぶ遊具をたくさん購入しています。3年前に起きた新潟県中越地震の時には、被災校支援の資金も提供しました。木村校長は「県は子どもの体力増強のために外遊びを奨励しています。そのため場所や時間と共に道具を確保することが必要で、ベルマークも大いに役立っています」と笑顔で話していました。 富士や箱根を望む酒匂(さかわ)川のほとりにある創立113周年の学校です。恵まれた自然環境の中で、児童たちはわらじ作りや米作りを通して、尊徳の教えを学んでいます。 |
全体集計は朝、昼、夜の3通りで
佐賀市新栄小学校
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佐賀市立新栄小学校(寺アひさ子校長、496人)が参加33年で、県内10校目の300万点を達成しました。
PTAには学年、広報、母親、父親、町区の5委員会があり、ベルマークは母親委員会(神田はるみ委員長、170人)が担当しています。児童が集めたマークは毎月、クラスごとに委員が自宅で整理し、毎学期に1回、学校に持ち寄り、全体作業で仕分け・集計して、発送します。 作業日は、全17クラスからそれぞれ委員2人が参加します。昨年度までは、いつも平日の朝に作業していましたが、今年度は、学期ごとに@土曜日の午前中A平日の昼間B平日の夜間に変えました。仕事を持っていたり、幼児やお年寄りの世話をしたり、各家庭にはそれぞれの事情があるため、集まりやすい作業日を探り、来年度からの活動の参考にしてもらうのだそうです。 取材したのは金曜日午後7時からの作業日でした。PTA談話室に40人近いお母さんが集まっています。初めての夜の作業の感想を聞いてみると、「家事は普段通りに済ませたので、とくに問題はありません」「高校生の長男に部活を休ませて留守番を頼んできました」「夫はまだ帰宅してなかったけど、出てきました」「夜なので小学生の子どもが応援に来てくれました」「仕事をしているので、もっと遅い時間からでも良かった」と、様々でした。今回の作業の様子や300万点達成は、「母親委員会だより」で報告するそうです。 JR佐賀駅から車で10分、佐賀市中部の住宅・商業地にある新栄小は1973(昭和48)年に開校。児童数のピークは89年の1185人で、現在は開校時の604人を下回っています。少子化や新設校への校区分割などが影響しているようです。 佐賀市が韓国・釜山広域市蓮堤区と姉妹提携していたことや、W杯サッカーを日韓で共催したため、2002年から釜山トヒョン初等学校(小学校)と交流しています。昨年11月には、初等学校から20人の児童が訪日、ホームステイして授業に参加したり、学校・PTA・地域の「なかよしフェスタ・韓国交流」を楽しんだりしました。今年は、新栄小の児童が訪韓する予定です。 |
多種多様の仕分け容器を活用
大分市坂ノ市小学校
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大分市立坂ノ市小学校(齋藤正校長、506人)が300万点を達成しました。参加42年、県内では38番目です。
PTAの担当は厚生部(杉山広美部長)。1クラスから1人、計16人がメンバーです。マークの整理・集計は毎月1回、発送は学期ごとの年3回。いつも学校から約1キロ離れた坂ノ市公民館で午後7時から行います。 2月の作業日に公民館2階の研修室にお邪魔しました。午後7時になると、16人のお母さんが集まりました。小さな子ども連れの人もいます。毎回、全員が参加するそうです。仕事を持っている人も多く、夕食の支度や片付けなど、家事のあれこれを考えると、「全員参加」には、きっと家族の協力が大きな支えになっているのでしょう。お母さんの一人は「夫は夫、私は私ですから」と、話していましたが、照れ隠しのように聞こえました。 学年別に分かれての作業ですが、各テーブルに置かれた会社番号別のマーク仕分け容器にびっくり。カップめん、菓子箱、玉子パック、豆腐、ヨーグルト、様々な容器があります。ほとんどのPTAが空き容器を再利用していますが、これだけ多くの種類を見るのは、初めてです。学年ごとにそれぞれ容器を引き継いできたので、種類が増えたそうです。 この春、新1年生になる幼稚園年長組の若林大輝君(6つ)は、お母さんが10枚単位に整理したマークを、会社番号を書いたカップめんの容器に仕分けしていました。毎回、自分から言い出して、お手伝いに来るそうです。 坂ノ市地区は、北側を別府湾に面し、大分市中心部と関サバ・関アジで知られる佐賀関町のちょうど中間にあります。坂ノ市小のすぐ近くの万弘寺では、毎年5月18日から24日まで「万弘寺の市」が開かれます。期間中の土曜日午前3時半から物々交換市があり、「かえんかえー(交換しましょう)」の掛け声で、海産物(海の幸)と農産物(山の幸)を交換する人たちが集まります。暗闇市とも呼ばれる1400年以上続く伝統行事です。屋台が並び植木市なども開かれ、坂ノ市小は5、6年生の鼓笛隊がパレードして市を盛り上げます。 私事ですが、以前に勤務していた新聞社の入社1ヶ月余りの駆け出し記者として、暗闇市を取材しました。当時は夜間撮影には、フラッシュバルブを1回、1回使っていたので、フラッシュが光って、うまく写真が撮れるかどうか、心配したことを思い出します。写真の出来栄え? もう忘れました。 |