★ 900万点達成校を訪ねました!
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「自分たちの設備のためだから
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PTA・児童・学校・地域の4者一体で――。1961年に参加した三重県伊勢市の厚生小学校(畔山博校長、473人)が、全国でも小学校としては9校目、県内では2校目の900万点を達成できたのは、ベル活動の理想的な取り組みを続けている結果といえます。
毎週、持ち寄ったマークはクラスのベルマーク係が大まかに仕分けし、児童会のベルマーク委員が昼休みなどに整理します。「自分たちの設備のためだから、自らも汗を流そう」と、17年前からの伝統です。 あとはPTA福祉厚生委員会(委員長・西山早紀子さん)の役割。委員も作業に当たるのも1年生の保護者。毎月1回、午前中の2時間、30人ほどが5、6人のグループになり、ハサミやホチキスを手に作業します。1年生の保護者だけに6年間の交流の発端になり、ベルマークだけでなく、PTA活動への親しみもわくようです。 校区は伊勢神宮外宮の玄関口に位置する古くからの街。3世代、4世代が厚生小という家庭も珍しくなく「ベルも『おらが学校』への思いに支えられているといえるでしょう」と畔山校長。校区の21ヵ所に置いたベル箱への入りもよく、児童減を補っています。恒例の独居老人との昼食会でも、子どもたちへのお土産にベルマークが手渡されるそうです。 ベル預金での買い物も、楽器やスポーツ用具、全教室へのCDラジカセ、各学年への教材提示装置、ベル作業用の棚や長机などと豊富。「900万点という数字に歴史の重さとPTA・地域・学校・児童が合わせた力の強さを感じます」と西山さんは話します。 運動場に三重樹木100選に選ばれた樹高28m、幹周り3.7m、樹齢130年ほどのケヤキが子どもや時の流れを見守っています。ベルマーク1000万点突破を見届けてくれる日も近いでしょう。 |
お父さんたちのバンドに合わせ
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大阪府寝屋川市池田小(炭村治憲校長、746人)が600万点を達成しました。参加から36年、府下では2校目です。ペットボトルを利用したベルマーク箱を廊下につるし、子どもたちが家から持ってきたマークを入れます。昨年までは4本のボトルを束ねた箱で、番号別に分けて入れていましたが、低学年には無理があるので、ボトルは今年から大きいもの1本だけにしました。
整理はPTA(中村茂徳会長)の厚生委員会(吉岡礼子委員長)が年に3回、各学期に1回集まってします。学級委員や企画委員にも協力を頼み、大勢でしていましたが、他の委員に依存しすぎているのでは、と言う意見も出て、今年から厚生委員11人だけですることになりました。作業は委員たちの都合で午前か午後に集まります。人数が少なくなったため、学校の作業だけでは間に合わないので各委員が家に持ち帰ってします。ベル箱は学校だけでなく、近くのスーパーにも置かせてもらっています。 今年から校区の自治会回覧板にも「ベルマークを集めています。マークを子どもたちに渡して下さい」のお願いを載せました。子どものいない家庭からの協力もあって、成果は上々。「早くから自治会の協力を求めればよかった」と、みんなで話し合っているところです。同校は保護者のお父さんたちと先生10人が「池小バンド」を結成、夜、運動場で音楽会を開きます。子どもたちやお母さんたちも参加、一緒に「星に願いを」を歌ったり、花火をして楽しんでいます。 |
福島県内で4校目
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福島市の桜の聖母学院小(山下星子校長、281人)が500万点を達成しました。620校が参加する福島県内では、郡山第一中、原町第一小、福島大付属小に次いで4校目。41年間にわたる親子の連係プレーが実を結びました。
JR福島駅から北東へ約1.5`。市役所や裁判所などがある官庁街の一角ですが、北側には桜の名所として知られ、市民の憩いの場でもある信夫山も望める落ち着いた環境のもとにあります。 同小は、市内で唯一のカトリックのミッションスクールです。一日の勉強は朝のお祈りで始まり、帰りのお祈りで終えるという静かな時間の流れと共に進められています。こうした雰囲気は、一歩校舎内に入ったとたん、思わず目を見張るほどきれいに磨かれた木の廊下からも伝わってきます。 この学校のベルマーク活動の中心はPTAのベルマーク委員会(佐藤栄美委員長、24人)ですが、取り組んでいるのは、この委員会のメンバーだけではありません。 毎月1日の「ベルマークの日」に各クラスのベル箱に入れてもらったマークを回収するのは、奉仕委員の児童たちです。ベルマーク番号10番ぐらいずつ大まかに仕分けし、お母さんたちに引き継ぎます。 保護者の作業には、一般のお母さんたちが協力してくれるので、かなりの人数になります。取材に訪れた時も、60余人のお母さんたちが2つの部屋に分かれて一生懸命に仕分けに打ち込んでいました。 この学校のお母さんたちも、仕事をもっている方がたくさんいらっしゃるのですが、午前中2時間程度の作業なので、快く参加して下さるそうです。こうしたベルマークチームの層の厚さは、卒業後までつながっていて、定期的にマークを届けてくださる方も少なくありません。お母さんたちは、「先輩と後輩を結ぶきずなが500万点を生み出したのですね」と感慨深げでした。 |
「ベルだより」でPTAにPR
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東京都練馬区の大泉東小(岩田有二校長、821人)が参加42年で400万点を達成しました。1756校が参加する都内では29校目。
西武池袋線の大泉学園駅から歩いて5分。このあたりは、ベッドタウン化が進んでいますが、緑や畑も残っていて、静かな住宅地が広がっています。また近くには東映の撮影所もあり、見学の様子をPTAの広報誌「あけぼの」でも紹介しています。 今年度のNHKコンクールで銀賞に輝いた「大泉東小合唱団」の活躍、1年生から6年生まで子どもたちが仲良く協力しながら毎日行う「縦割り清掃」、生きものの観察や自然環境について学習するために作られた、子どもたちが大好きな「ビオトープ」などが大泉東小の特色です。 ベルマーク活動の中心は、PTAベルマーク委員会(小松本幸美委員長)の53人のお母さんたちです。各教室には、委員のお母さん手作りのベルマーク箱が常設されています。委員は回収日に自分のクラス分を持ち帰り、学期一度の全体集計日までに仕分け・集計をします。全体集計日は、PTAのボランティアの方たちと一緒に2時間ほど作業をし、発送します。 PTA向けに「ベルマークだより」を発行するなど積極的に活動に取り組んでいます。 |
全世帯を生徒全員で 歩いて収集静岡県大東町の城東中学校
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静岡県大東町の城東(きとう)中(山本和宏校長、306人)が、ベル歴39年で県内28校目の400万点校に。「地域の方々とすべての生徒、先生らみんなの力の成果です」と、生徒会長の青野志保さんは誇らしげです。
通学生の有無にかかわらず校区の全世帯を生徒全員で歩いて収集、が伝統。春、秋に行なう廃品回収の前に生徒が手分けして約2000世帯を訪問、ベル袋を配っておき、回収日に集めます。「回覧版などに頼らないことで、地域の人々とのコミュニケーションなど社会勉強にもつながります」と山本校長。 大量のマークが集まるので、ベル担当の生徒会福祉委員会だけでは整理が追いつかず、一般の生徒も応援。今年の夏休み中も各クラブが練習後に整理に当たったそうです。 買い物も生徒全員にアンケートして決めており、多目的ホールに置くピアノをはじめ、ウオータークーラーなどを購入。秋の体育祭の優勝チームを称えるカップもそろえました。 |
マーク回収状況などを載せた
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三重県鈴鹿市の旭が丘小(一見俊雄校長、726人)が、県内6校目の400万点校に。1965年、分校からの独立と同時に参加、コンスタントな取り組みで達成しました。
主力のPTAベルマーク部(部長・岸田仁美さん)は各クラス一人ずつ、計21人で構成。部員手作りの収集箱が各クラスにあり、月初めに回収、部員が自宅で仕分けし、毎月第3水曜日に学校に持ち寄り集計、年3回送票します。 スーパーやスイミングクラブに加えて今年から公民館にも収集箱を設置しています。回収状況などを掲載したベル便りも年3回発行。岸田さんは「400万点というひとつの節目を迎えられたのは、みんなの力。今後の励みにしていきたい」と話します。 住宅開発で数年後には児童数も900人を超えそうですが、それだけに地域全体のつながりが課題。今春できた体育館は地域住民の交流の場にもなっており、計画中の新校舎も地域の核としての役割を果たすことになりそうです。 |
創立135周年向け
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長崎県大村市の竹松小(片岡茂男校長、695人)が参加35年で400万点を達成。県内で5校目。
校舎西側の校門前は交通量の多い国道34号、西側にはJR大村線が通って踏み切りが多いため、学校では自転車の安全教育に力を入れています。7月の県子供自転車大会に6年生3人、5年生1人が出場して、2年連続優勝を果たし県代表に。8月の全国大会では26位と健闘しました。 10月には九州でただ1校、「3世代ふれあい交通安全教室」が開かれます。 ベルマーク運動は、PTA環境整備部(熊幸子部長ら39人)が担当。マーク収集は、各学期末にベル袋を配布し、回収したマークは、クラス集計〜学年集計〜全体集計と段階的に作業を進め、発送は年3回。 買い物は、5年前に放送機器を購入したのが最後。「体育館に暗幕を」の要望もあり、また緞帳(どんちょう)が古くなっており、「5年後の創立135周年の記念品をベルマークで購入することを検討します」と意欲を見せています。 |
要請はしないが地域から自然な形で
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さいたま市東大成小 松尾智之校長、474人。県で80校目。運動参加41年目で達成しました。
同小は、JR大宮駅から北へ2`余り。近くを東北新幹線や高崎線の電車が走っている住宅街にあります。 ベルマーク活動の中心をになうのはPTAの保健厚生部(松平えりか部長)。役員(部員)は14人ですが、年間8回設定しているマークの仕分け作業には、2学年ずつの一般のお母さんたちが毎回参加してくださるので、大いにはかどるそうです。 校区内の住民の皆さんに、特別な協力要請はしていませんが、卒業生の家庭など近所の方から児童に託してマークを寄せてくださるケースも少なくありません。 「こうした自然な形でのご協力がありがたいですね」と、お母さんたちは話していました。 |
年2回、委員さんは自宅で
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千葉市新宿小 宮島佑吉校長、333人。1100余校が参加している千葉県内で81校目。41年でクリアしました。
JR千葉駅から歩いても10分足らず。県都千葉市の中心にあって、今年創立130周年を迎えました。昨年、前任校の大森小で400万点達成を児童やPTAと喜び合った宮島先生は、転任先の新宿小で、またまたベルマークのうれしい節目に出会い、「偶然とは思えませんね」とニコニコ顔。 校舎の外壁には、この夏、ベルマーク預金で買った大きな掛け時計が設置され、校庭で遊ぶ子供たちを優しく見守っています。 ベルマーク活動を担当するのは、PTAの保健整備委員会(向後なおみ委員長)の15人のお母さんたち。年に2回、めいめいが、自分のクラス分のマークを自宅で分類し、学校に集めて全体集計をします。 向後さんらは、「これからは、一般のお母さんや児童たち、また、卒業生のご家庭など地域の皆さんとも協力して、運動をさらに盛り上げていきたいですね」と話していました。 |
伝統の上総掘りや四季の花々に囲まれ
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千葉県君津市久留里小 平野精二校長、193人。県で82校目。
房総半島の、ほぼ中央に位置する学校の周辺は、黒田氏3万石の久留里城跡や、おいしい銘水を掘り出す「上総掘り」と呼ばれる伝統の井戸掘り技法、心をなごませてくれる四季の花々など、話題も豊富です。 時代の流れで児童数が減り、今では各学年1クラスずつ。運動参加22年目で300万点を達成出来たのはなぜ?と考えていたら、PTA会長の田丸方敏さんが教えてくれました。 この地域の1250世帯の家庭には、同小の児童が作った収集箱があります。PTAは年間2回、リサイクル活動で全戸を回り、その時マークを集めさせてもらいます。このほか、スーパーや郵便局、公民館などに常時ベル箱が設置されるなど、地域が1つになってこの学校のベル活動を支えていました。 田丸さんは、「意識を高めていただくのと、継続ですね」と話していました。 |
マークは自宅で整理
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横浜市平安小 工藤健彦校長 584人。参加41年で達成。
平安小は西に鶴見川が流れ、東は川崎市と隣接。1、2`先には大きな工場が立ち並ぶ京浜工業地帯が広がっています。 この学校の自慢は、横浜港まつりに花を添える、マーチング全国大会に3年連続出場のマーチングバンドの活躍です。 ベルマーク活動は、PTAの学年委員会(岩塚けい子学年委員長)の18人が中心です。月1回の活動日には、自分のクラス分のマークを仕分けしてそれぞれが自宅に持ち帰り、学期末に全体集計をして発送します。 ベルマーク便りの発行、懇談会での呼びかけ、郵便局や商店など4カ所にベルマーク箱を置かせていただくなどして積極的に活動に取り組んでいます。 「今後の目標は和太鼓を購入することです」と校長先生は話していました。 |
毎月1回集まり、当番制で
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横浜市神奈川区精華小 佐々木道彦校長、480人。参加38年目。1285校が取り組んでいる県内では、141校目です。
精華小は、JR横浜駅から徒歩で10分余り。距離的には大都会のど真ん中といった感じですが、緑に囲まれた静かな環境です。 詩人や作家を囲む会、「語り部」を招いて開く「お話を聞く会」、卒業までには、最低これくらいは読みましょう、という「100冊の本」など私立学校らしい豊かな発想から生まれた取り組みがキラリと光っています。 ベルマーク活動の中心は、PTAにあたる「父母と教師の会」のベルマーク委員会(長坂典子委員長、7人)。毎月1回集まりますが、当番制で一般のお母さんたちが手伝ってくれるので、集計作業もはかどります。 ベル預金でのお買い物は、最近では、もっぱら児童、特に女の子に人気の一輪車だそうです。 長坂さんたちは、「これからも、大勢のお母さんたちと力を合わせてがんばります」と話していました。 |
あいさつで和む 校内の朝の一時広島県廿日市市の佐方小学校
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広島県廿日市市佐方小 梵(そよぎ)文孝校長、470人。参加から27年、送票103回、県下で43校目です。
毎月10日を「ベルマークの日」と決め、子どもたちがマークを持参、ポリバケツに入れます。夏休みが終わった9月などはバケツが一杯になることもありました。 PTA(住田毅会長)の事業委員会(本多チドリ委員長)が年に4回、午前中に集まります。同委員会は各クラスから1人ずつ選ばれた委員14人ですが、委員だけでは手が足りないのでお手伝いさんの協力を求めます。昨年、買った図書の本棚は好評です。 同校では「あいさつ運動」を展開。クラス毎に全員が朝の登校時間に校門に立ち、「おはよう」の挨拶で迎えることにしています。地域の獅子頭保存会のお年寄りたちを招き、獅子頭の作り方を学び、80a四方大4個を作りました。 |
クラス単位で作業
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北九州市小倉南区曽根小 金澤雅明校長、859人。県で38校目。参加39年、82回の送付で達成。
PTAでは、少しでもベルマーク運動への関心を高めようと、今年度から組織を変更。ベルマーク委員会(23クラス、クラスから委員1人)を廃止し、学年学級委員会が担当。集計作業もクラス単位にしました。 これは、お母さん方に仕事をしている人が多くなったことから、できるだけ多くの人に参加してもらうようにしたため。また、クラス単位で作業をすることで、クラスの親睦を深めるねらいもあります。 仕分けと集計作業は年4回。年度初めは、作業方法を理解するために全委員が出ます。残りの3回は23学級を3回に分けます。全体集計は会計が行います。 秋吉副会長は「休み時間には先生も姿を見せ、お母さんたちと情報交換をしています」と話しています。 |
先輩の意思継いで
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長崎市日見小 柳澤弘三校長、527人。県で18校目。参加35年で達成。
PTAベルマーク委員会は堀田道子委員長ら18人。毎月1日が「ベルマークの日」で、児童たちは持参したマークをクラスの回収箱に入れます。各クラスの委員1人が、クラスごとの仕分けと集計を行い、年3回(6、10、2月)の全体集計日に持ち寄って全体集計をし、発送します。 ベルマーク活動を盛んにしたのは、4年前まで7年間ベルマーク委員長を続けた松永優子さん。子どもの卒業後も2年間、作業を手伝っていただいたという。 堀田委員長と辻松晴子副委員長、上大川真奈美前委員長は「松永さんが築いた意識を引き継いでがんばっています。次は400万点です」と話しました。 柳澤校長は「たゆまぬお母さんたちの努力を私たちも見習いたい」と感謝していました。 |
★ 200万点達成校 |