★ 700万点達成校を訪ねました!
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学校とPTAと児童が一体
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フォッサマグナ(糸魚川・静岡構造線=大きな断層)が走る、新潟県糸魚川市の糸魚川小(佐藤英尊校長、521人)は創立131年を迎えた伝統校です。運動に参加して42年、ベルマークの集票が県内で2校目の700万点達成です。こつこつ積み重ねた、学校とPTAと児童たち、そして地域の「たゆまぬ努力」が大きな花を咲かせました。
運動は、PTA(小坂功会長)の厚生部(松尾和洋<かずよ>部長)と児童会のベルマーク委員会が連係して取り組んでいます。児童たちは収集から大まかな仕分けまでをして、その後は、厚生部員とボランティアのお母さんたちが引き継ぎます。作業は「昼の部」と「夜の部」に分かれ、「夜の部」には職員の皆さんも仲間に入り作業をします。 「このマークの整理は、不思議なことに作業を始めてしまうと、止まらないというか、なかなか止められない気分になります。『家に持ち帰ってまで作業をしたい』というお母さんもいるほどです」と部長の松尾さんは話します。 佐藤校長先生は、「教諭の時代に赴任してきた時、担当した仕事の一つがベルマークの厚生部でした。倉庫を整理していると、未整理のマークの入った大きな段ボール箱が3つ出てきました。『もったいない』と思い、夏休みの1カ月をかけて大まかなところを整理しました。初めはマークの整理の要領が分からず、遅々として進みませんでしたが、次第にこつを覚え、スピードも上がってきました。同時に、ベルマーク運動についてもこの時、勉強しました。それから、職員やPTAのみなさんにアピールし、大々的に運動が展開されるようになりました。当時、本校はマンモス校でしたので20万、30万、50万点という大量のマークを送付したことを覚えております。この運動は、自分たちの学校だけが恩恵を受けるばかりでなく、恵まれない子どもたちへの支援にも役立っていることを知り、PTAのみなさんに弾みがついたようです」と、当時の様子を懐かしそうに話してくれました。 |
一般のお母さんたちは
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さいたま市大砂土小(飯村武校長、1356人)が40年間で500万点に届きました。埼玉県で12校目。校区が隣り合わせの大砂土東小と仲良く同時達成でした。
市内北部の周辺一帯は住宅街の中にあり、静かで落ち着いた環境です。 ベル活動はPTA総務部の38人のお母さんたちが中心的役割を果たしていますが、部長の関根薫さんは、「特別なことはしていないんですが」とちょっぴり謙遜して話します。 ところが、良くお話を伺うと、8年前から実施している素敵な取り組みが見えてきました。全校児童のお母さんたちが、自分の都合の良い日を選んで、年間1回はマークの仕分け作業に参加することです。 1年生のお母さんには、総務部員がついて教えてあげますが、あとは一般のお母さんたちが進んで片付けていきます。全員参加は、作業がはかどることに加え、みんなに運動の理念や目的などを理解してもらえるメリットがあります。参加したお母さんたちには、作業ノートに感想や意見などを書いてもらっており、寄せられた意見などが、この学校の運動の層の厚味をつくっているようでした。 |
ベル・スタッフが全員集合
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東京都府中市にある明星小学校(清水正人校長、721人)が集票累計で500万点を達成しました。運動参加から38年。学校法人明星学苑とPTAが力を合わせての成果です。
国分寺から府中に抜ける国分寺街道沿いにあり、緑に囲まれ落ち着いた環境にある学校を2月初めに訪問しました。清水校長をはじめPTA会長の関口晃成さん、ベルマーク・チーフリーダーの福本央乃(ひさの)さんらが迎えてくれました。 明星小のベルマーク収集は、56名から成るPTAベルマークスタッフを中心に整然と行われています。各家庭に収集袋を配り、6月、12月、2月の年3回回収します。各1週間程度の回収期間を設定し、教室ごとに手造りの収集箱を置いて集めます。 集まったマークは、大会議室に全員集合のベルマークスタッフが整理・集計します。小学校から高校までの購買部で集まったものを含め膨大な量になり、作業は一日仕事になりますが、和気あいあいの雰囲気で進められるため、あまり苦労は感じないそうです。 ベルマークスタッフは各クラス3人ずつ。年度初めにに募集しますが、多くのお母さん方が参加を申し出てくれる人気のある役目です。 「細かく集中力の要る仕事ですが、運動の趣旨が理解され、成果が目に見えるためでしょうか」と、清水校長は「人気」の秘密を分析します。 そういえばPTAの機関紙にはベルマークのページが設けられ、「一人ひとりの力は小さいものですが、たくさんの人が集まれば大きな力となります。ベルマーク活動を通して世界中のこどもたちが、少しでも快適な学校生活を送ることができるように心から願っております」と、ベルマーク運動の「こころ」を的確に伝えています。 500万点という大台達成の陰には、こうした地道な活動があるのだという事がわかりました。 |
高学年クラスには 仕分け作業も分担茨城県日立市の滑川小学校
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茨城県日立市の滑川小(川本欣治校長、867人)が400万点をクリアしました。県下では、662校中18校目、市内では大久保小などに次いで5校目です。運動参加29年目というスピード達成でした。
この学校は、校区内に住宅団地が出来たため、少子化による児童数の減少という世間の一般的な傾向とは逆に、子供の人数が増えています。 ベル活動で大きな成果をあげている理由はPTAのベルマーク委員会(富永清美委員長、21人)と児童会のJRC委員会(25人)が連係プレーで取り組んできたことです。もう1つは、高学年のクラスには、ベルマーク番号10番ずつの仕分け箱を置いて、児童たちに仕分けを分担してもらっていることです。 昨年度までは5、6年生だけでしたが、家からマークを持ってくるだけでなく、仕分けを手伝うことによって、運動の意義や目的などを自然に理解してもらえる、との見方から今年度は4年生以上に広げました。 ベル預金の使い道について、先生方やお母さんたちは、「学校創立30周年記念に、拡大コピー機を買うことが出来、いい記念になりました」と喜んでいました。 |
地域の協力が多く 活動の励みに京都市山科区の山階小
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学校創立130周年を迎えた京都市山科区の山階小(梅岡さと江校長、299人)が参加から42年で400万点を達成しました。府下で18校目。
PTA(真宮利江子会長)の学級委員会(村上桂子委員長)が担当します。各クラスから1人ずつ選ばれた13人で、毎月1回、第3水曜日の午前中に集まります。同委員だけでは手が足りないので、毎回、学年ごとに交代でプリントを配り、一般のお母さんのお手伝いを求めます。低学年ほど応援者の数が多く、作業がはかどります。各学期に1回の送票です。 校区のカメラ店経営者やお菓子やさんがフィルムやチョコレートのマークを貯めて送ってくれるなど地域の協力が多く、励みになります。 同校校庭にはプール大の「フルーツの森」があります。各学年別に区切って、プルーン、みかん、柿、ザクロなどが植えられています。子どもたちで育て、実が大きくなったら収獲祭を楽しみます。アメリカ人の英語のゲームも好評です。 |
3つの「タフ」へ 学校挙げて推進長崎市の戸町小学校
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長崎市の戸町小(松本和昭校長、644人)が参加38年、85回の送付で400万点を達成。県で4校目。
2002年度から3カ年計画で県の研究指定校の「タフな子供をはぐくむための実践モデル事業」がスタート。心も体も丈夫な子供を育成するのが目的で、校舎には3つのタフの「心のタフ、学びのタフ、体のタフ」のキャッチフレーズが掲示され、運動推進を呼びかけています。 育英会施設部(松尾美紀部長ら19人)の活動はベルマーク運動だけ。育英会活動は1人一役で全員参加型で、保護者には人気があり毎年、定員をオーバーする応募があるそうです。 マークの収集は学校、家庭主体。回収は毎月、クラスの部員が行い、家庭に持ち帰って仕分けと集計をします。学期末に学校で全体集計をして発送します。 松尾部長と戸田彰子、村山フクミ両副部長は「ベルマークに携わって初めて運動の趣旨がわかり、海外まで援助をしているのを知り驚きました」と話していました。 |
商店や病院など 10ヵ所にベル箱さいたま市の見沼小学校
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埼玉県さいたま市見沼小 萩原清校長、610人。県で79校目。運動参加35年で達成しました。
江戸時代からの自然環境がまだ保存されている「見沼田んぼ」の北端にあって、住宅地の中に田園の風景が広がっています。 この学校のベル活動はPTAの保健厚生委員会(青柳弘江委員長、8人)が中心ですが、毎月1回の集計作業は、当番にあたったクラスのお母さんたちが全員で学校に来て取り組みます。「顔も気心も知れているので、呼吸はぴったりです」と委員のお母さんたち。 卒業生の家庭や地域の住民の皆さんとの連係にも気を配ってきました。商店や病院など約10カ所にベル箱を置かせていただき、町内会の回覧板で協力をお願いしてきました。 これからは、児童たちにも活動に参加してもらえる仕組みを考えていくそうです。 |
マークの整理は 家庭で行います大井町鶴ケ丘小学校
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埼玉県大井町鶴ケ丘小 梅野俊明校長、510人。県内で76校目の達成です。
校区内には大会社の研究所やマンションなどが建ち並び、県内では珍しく児童数が増え続けています。 活動はベルマーク委員会(谷川志保委員長、15人)で進めています。毎月、回収した収集袋は、各クラスの委員のお子さんに持ち帰ってもらい、マークの整理は家でしています。それを学期末に委員全員がPTA会議室に集まり、点数計算と送票まで行います。 13年度は一輪車12台などを購入。長年この学校では、年度末にPTAが「お買い物」について話し合い、PTA総会で学校に点数目録を贈る形をとり、子どもたちに喜ばれています。 梅野校長は、「学校は土曜日が休みになり、PTA行事など若干縮小してきましたが、ベルマークはしっかり残しています。お母さんたちの活動が広く役立っている事を実感します」と話します。 |
伝統の獅子舞を 体験学習で学ぶさいたま市の春岡小学校
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埼玉県さいたま市春岡小 宮嶋俊幸校長、1083人。運動参加34年目で達成しました。県で77校目。
急速に変貌するさいたま市内では、比較的自然に恵まれた環境にあって、緑が残っています。周辺でトマトやシクラメンなどの栽培農家は、総合学習の格好のテーマにもなっています。 こうした土地柄だけに、農家に伝わる伝統芸能を大切にする気風もあり、この学校でも「ささら獅子舞クラブ」が地域に根ざした体験学習ということで、保存に一役買っています。 ベル活動は、毎週金曜日の「リサイクルデー」に児童会奉仕委員会の子供たちが、マークを集めて、PTAのベルマーク特別委員会(長島弘子委員長)のお母さんたちにバトンタッチ。仕分け日と集計日には、学級委員や一般のお母さんたちが、大勢集まってくれるそうです。 |
中学と連携目指し マーク収集に弾み埼玉県宮代町の須賀小学校
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埼玉県宮代町須賀小 大沢初夫校長、500人 県で78校目。運動参加23年で達成しました。
県都さいたま市の中心部から北へ20`あまり。このあたりまで来ると自然豊かな景色に変わり、学校の回りには田んぼが広がっています。 ベル活動の中心はPTAのベルマーク部(会田千菜美部長、12人)。地域の方からマークが届き、お母さんたちを喜ばせることもあります。 お母さんたちは、卒業生の家庭からの協力をいただくためにも、となりの須賀中の皆さんとの連係を深めたい、といい、大沢校長先生は、「ベルマーク運動が、自分たちの学校のためになるばかりでなく、もっと教育環境に恵まれないお友達の役に立っているという大切な一面を理解してもらうためにも、児童会の活動に取り入れて行きたいですね」と話していました。 |
高額の品物購入へ 頑張っています千葉県佐倉市の佐倉小学校
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千葉県佐倉市佐倉小 吉井猛彦校長、925人。参加41年で達成。
千葉市と成田空港の中間に位置する佐倉は、国立歴史民俗博物館や佐倉宗吾霊堂などがあって歴史をたどる人たちが大勢訪れる町です。また、長嶋茂雄さんの出身地であり、高橋尚子選手の練習の拠点としても有名になりました。 このあたりを治めていた元の藩主が開拓したという北海道の士幌町立佐倉小学校とは、姉妹校として交流し、友情を温めています。 庭園が美しい佐倉小のベル活動は、ベルマーク委員会の児童たちが各教室のベル箱からマークを回収、会社ごとに仕分けし、PTA本部の事務局がボランティアのお母さんと一緒に点数計算します。「全員で高額な品物を目標に頑張っているんですよ」と寺内章喜教頭先生は話していました。 |
★ 200万点達成校 |