2007年に行われた第22回ベルマーク便りコンクールには、100校・園の応募を頂き、入選10校、佳作10校の他、ユニーク賞1校が初めて選ばれていますが、その入賞校の中から特色ある活動をしているところを紹介します。いずれも、イラストや写真、表などを使って分かりやすく、また読んで楽しい作品を作っています。
○ベルマーク商品を見やすく配置 江東区毛利小学校
佳作に選ばれた江東区立毛利小学校(山岸悦子校長、154人)のPTA文化部が発行したベルマークだよりは、「子どもたちが盛り上がれば活動は活発になる」というコンセプトで作られました。年度初めに「1点1円」「回収ボックスの場所」など基本事項を伝えたあと、2回目以降は必ず身近にあるベルマーク商品を掲載しました。子どもたちの関心を高めるためには、マークを見つけてもらうのが1番だと考えたからです。
制作を担当したのは八木知香子部長。叩き台を作って6人の部員と検討した上で、パソコンで仕上げました。毎回伝
えたいことを3〜6項目に絞り込んでメリハリの効いた見出しを付けたのは、八木さん自身忙しくて、見出しだけを見る癖があったからだそうです。ベルマークのホームページから商品をダウンロードして、おやつや文房具などを区分して見やすく配置したのも、出版関係の仕事で毎日パソコンを使い慣れているからこそ。「余計なことは書かないようにしたので、面白みに欠けている」と八木さんは分析しますが、簡潔さが見やすさになり、見やすさが大勢の人に読まれる結果になりました。
大人向けと子ども向けの2種類を作り、子ども向けは話しかけるような文章で漢字にルビをふりました。1枚の用紙に両方を印刷したところ、親子が仲良く読んで話題を共有できるといったうれしい効果も。図らずも毎月発行していたそうです。
運動に参加して44年。児童の減少に伴って低迷していた活動を、2006年度部長になった五十嵐操さんが、「ベルマーク」を周知すればもっと集まると考えてベルマークだよりを作り、07年度に引き継がれました。一新したベルマーク箱をスーパーや町会の集会所に置き、「ご近所にお声がけを」と呼びかけたところ、手応えは十分。取材中にも「箱がいっぱいになったので取りに来てほしい」という知らせが入り、皆さんの顔が一斉にほころびました。
<写真> ベルマークだよりを制作した八木知香子部長(左から3人目)と6人の部員たち。全員が顔をそろえ、活動への意気込みが感じられました=東京都江東区毛利小学校で
○「分かりやすさ」に努める 愛知県犬山市楽田小学校
愛知県犬山市立楽田小学校(有本高尉校長、861人)で中心になってベルマーク運動に取り組んでいるのは、PTA総務委員会(光清有子委員長、10人)と児童会広報委員会(5、6年)です。年に3回、収集強化月間を設けているほか、資源回収や地元の夏祭りに合わせて地域の人たちにも協力を呼びかけています。
これまでの広報活動が十分でな
いと考えていた光清さんは、総務委員長就任を受けて保護者向けに「ベルマーク通信」、児童向けに「ベルマークだより」を出すこととし、5月にそれぞれ第1号を発行しました。「通信」はこれまで4号を数えており、年度内に5号まで出す予定です。「だより」では昨年度の運動でドッチビーを60枚買ったことを紹介、児童会広報委員長の手書きの呼びかけ文も載せました。
「通信」は絵を入れたりレイアウトを工夫したり、何よりも「分かりやすさ」に力点を置いたそうです。実際に自分が収集、整理している中で感じた疑問に答えたり、協賛企業の参加・脱退の情報を早く伝えたりもして、佳作に選ばれました。「読んでくれたお母さんから反応があるとうれしいですね」と光清さんは話していました。
同小が、かつて城が築かれていた場所にあることから、子どもたちは「城山っ子」と呼ばれています。総合学習の発表会は「城山っ子発表会」です。また校庭の大きな栴檀(せんだん)の木にちなんで、児童の集会は「せんだん集会」、学校壁新聞は「せんだん新聞」と名づけられています。ベルマーク運動の広報は、この「せんだん新聞」や校内放送も活用しています。
<写真> 「分かりやすさに努めました」とPTA総務委員長の光清有子さん=愛知県犬山市の楽田小学校で
○A4判使い文字を大きく 高松市植田小学校
ベルマーク便りコンクールで入選した香川県高松市立植田小学校PTA母親部長の藤澤美砂子さんは「うれしい。これからも、子ども関連の記事を多くのせるようにしていきたい」と抱負を語っていました。
ベルマーク通信は2、3月に1回発行、整理の仕方、集計結果、
買い物のお知らせなどの情報がふんだん。ベルマーククイズを出したり、活動する児童をベルマーク大使に任命したり、子どもたちに関心を持ってもらうための工夫を重ねています。
読みやすさ、分かりやすさも心がけていることです。2006年度がB5サイズだったのを、文字を大きく見やすくするため07年度はA4サイズにしました。
入選を受けて藤澤さんは「ベルマークに関わってみて学校にとって資金を得られる重要な活動だと分かりました。1点が1円なのですから。子どもたちに必要な物が買え、喜んでもらえ、寄付もできる。素晴らしいですね。もっと地域にベルマーク運動を広めていきたい」と話していました。
<写真> パソコンに向かう植田小学校PTA母親部の藤澤美砂子部長(藤澤さん提供)
○ベルマくんがPRに活躍 横浜市都筑区東山田小学校
初入選の横浜市都筑区の市立東山田小学校(下中村哲郎校長、1186人)は、7年前の開校と同時にベルマーク運動に参加。昨春待望の初買い物、体育用カラーマットを購入しました。その喜びと感謝を込めて、PTA広報誌に特集を組み、活動に弾みをつけました。
大規模校なのにあまり集まらないのは「浸透不足?」、と感じたPTA副会長だった小原美由紀さんは、仲間の伊藤多佳子さんに相談してマスコットキャラクターを作ることにしました。イラストは伊藤さんが引き受けて、「ベルマくん」が誕生。恒例の「東山田小こどもまつり」でブースを設け、100円ショップで買った赤い帽子に白いラインをつけて伊藤さんたちが被りベルマくんに扮したところ、子どもたちに大人気。
そんな様子を日頃の作業風景や購入したマットと共に掲載した広報誌は、ベルマくんの登場でぐんと親しみを増したものになりました。手応えを感じた小原さんたちは、これからも呼びかけのチラシなどに頻繁にベルマくんに登場してもらい、更なる躍進を期しています。
○初応募で入選、2年越しの夢を実現 長崎県諫早市諫早小学校
長崎県諫早市立諫早小学校(市丸憲二校長、532人)の「ベルマークだより」は初めての応募で入選しました。担当している育友会(PTA)のベルマーク部長、野口敦子さんは「一昨年はコンクールが行われているのに気づいたのが締め切り後で、応募は前部長からの引継ぎ事項でした。2年越しの夢実現です」と喜んでいます。
B4大、毎年度に6回程度発行する「ベルマークだより」は、カラフルできめ細やかな紙面です。題字の横には赤いベル、写真やイラストも、もちろんカラーです。「ベルマーク豆知識」のコーナーは、マークを切り取る際の注意点や、備品購入が援助資金につながる仕組みなどを分かりやすく説明しています。
毎回のテーマは、野口さんと2人の副部長が相談して、決めていますが、紙面づくりは野口さんの担当。家事を終えた深夜、自宅のパソコンに向かいます。「パソコンはあまり得意ではありません」とのことですが、文章を打ち、デジカメで撮影した写真やイラストを取り込み、切り張りする手間のかかる作業を、だいたい一晩で仕上げるそうです。「パソコンが得意な主人がヒントやアイデアをくれることもあります」と野口さん。
昨年5月に発行した2007年度の第1号は、マーク収集目標を18万点として、協力を呼びかけています。06年度は17万1548点で、目標にあと一歩でした。野口さんは「コンクールの入選は保護者だけでなく、子どもたちにも励みになります。目標達成の力にしたい」と話しています。
(2008/1/15)