ベルマーク便りコンクール



入賞校・園の中から

 昨年行われた第21回ベルマーク便りコンクールには、108校・園の応募を頂き、入選10校、佳作10校・園が選ばれていますが、その入賞校・園の中から特色ある活動をしているところを紹介します。いずれも、イラストや写真、表などを使って分かりやすく、また読んで楽しい作品を作っています。

○きめ細かく3種類発行 神奈川県平塚市山下小学校
  初入選の神奈川県平塚市山下小のベルマーク便りは、PTA保健厚生委員会副委員長の李美智さんが、「ベルマーク活動を再燃させたい!」という思いで制作しました。
  毎月2回、9人の委員が“編集会議”で掲載内容を検討します。その話し合いの中から、児童向け、教員向け、保護者向けの3種類をそれぞれ必要に応じて発行することや、ベルマーク担当の先生を写真入りで紹介するなどのアイデアが生まれました。「理解を深めるには、読む人の理解度に合わせることが必要」と李さん。新年度がスタートした数ヶ月は、1年生に馴染んでもらおうと月に2、3回も発行しました。
  制作する上でのポイントは、楽しみながら作ること。そうすれば、読む人もきっと楽しく読んでくれるから。数ではなくて1枚でも集めようという気持になってもらえるよう、呼びかけに気をつけているそうです。「だれかのために、チョットいいこと」を今年度のスローガンとしました。
  喜んでもらいたい一心でマークを持ち寄る子どもの姿や、地域のお年寄りが整理作業に参加してくれる様子などに、活動の弾みを感じた李さんは、「市内のベルマーク仲間とも交流したい」と抱負を語っていました。

<写真> 李副委員長を囲みベルマーク便りの内容を検討するPTA保健厚生委員会の皆さん=神奈川県平塚市山下小学校で

○パソコン駆使し力作 千葉県習志野第一中学校
  パソコンで作った玄人はだしのベルマーク便りが、4度目の入選に輝いた千葉県習志野市第一中学校。制作者のPTA保健厚生委員会委員長の湖口結子さんは、市のIT講習会でインストラクターを務めたほどのパソコンの腕前です。ほぼ毎月発行している便りは、持ち前の絵心も加わって、メリハリの効いたデザインは読みやすく分かりやすい。
「伝えたいことがうまく伝わるように、日を置いて見直したり、家族にチェックしてもらいます」と湖口さん。先生やPTA仲間から「活動がよく分かる」「見やすい」「いつも見ているわよ」などと声がかかり、製作への励みになっているようです。

<写真> ベルマーク便りを製作中の湖口さん =千葉県習志野市の自宅で

○8グループに分かれ「競作」 北九州市足原小学校
  北九州市足原小学校(原田裕二校長、613人)の「ベルマークだより」は、初めての応募で入選しました。担当しているPTA学年委員会(47人)の山城恵子委員長は「入選の連絡にびっくりするとともにとても感激しました」。入選を報告する特別号の発行を考えているそうです。
  委員が8グループに分かれて年間8回発行するので毎回、違う味わいに仕上がります。手書きの文字が多かったり、矢印を使ってマークの収集方法を解説したり、毎号、お母さんたちの工夫とアイデアが生かされています。共通しているのは季節感にあふれたイラストが目立つことです。7月号なら、題字はスイカと七夕飾り、記事にはヤドカリ、貝殻、カニ。9月号はトンボやキノコ、梨、栗といった具合。余白と可愛いイラストが効果的で、「すっきり」していて「読ませる」紙面になっています。
保護者向けだけでなく、児童版も発行しています。こちらもイラストがいっぱい。大きな手書き文字にはすべて振り仮名が付いています。マークとインクカートリッジの集め方、友愛援助やお買い物紹介などを低学年にも分かり易く、取り上げています。全家庭に配る保護者向けと違って、児童版は、当番のお母さんが各クラスに張り出します。「教室に顔を出すことで、子どもたちや先生とのコミュニケーション作りにも役立っています」と山城さん。昼休みに張り出すと、子どもたちが取り囲んで、読み上げるそうです。

○回覧板にも利用できる地域版に意欲 広島県大竹市大竹小
  入選の広島県大竹市の大竹小PTAの川口晴美・ベルマーク委員長から「これを励みに、ベルマーク運動を多くの人に知ってもらうため、ベルマーク便りの地域版も出したいな、と考えています」との便りが届きました。
  同小のベルマーク便りは川口さんがパソコンを使って制作、毎月発行するようにしています。パソコンを買った当初はワードの本とにらめっこしながら悪戦苦闘したこともあったそうです。
  応募2回目での入選ですが、今回はきめ細かい丁寧な作りが評価されました。「読んでみようと思ってもらえるように心がけました」という川口さんは「入賞はとてもうれしいです」と喜んでいました。
  川口さんがイメージするベルマーク便りの地域版とは、校区内の自治会回覧板に利用してもらえるものです。内容は学校用と変わりありませんが、年1、2回発行し、回収箱を置いてもらっている施設や学校での活動を書いて協力してもらおう、と考えています。

○イラスト使い読みやすく工夫 愛知県北名古屋市名古屋芸大附属クリエ幼稚園
  愛知県北名古屋市の名古屋芸術大学附属クリエ幼稚園(三神廣子園長、園児174人)の「BELLMARKだより」を発行しているのは、保護者らの集まりである愛園会(原明子会長)です。編集の中心は原会長やベルマーク係の大森和江さんで、会員のお母さんらにベルマークに関する最新情報や回収日のお知らせなどを、年に6回程度のペースで伝えています。「佳作」の知らせに、大森さんは「イラストを使って読みやすく工夫した点が認められた」とうれしそうでした。
  同園では、年に4回の回収日に園児らがベルマークを回収袋に入れて持ち寄り、それを愛園会の役員らが集計し、整理しています。しかし役員9人だけで処理するのは大変なので、「BELLMARKだより」などを通じて会員のお母さん方に作業の手伝いを呼びかけます。「子どもたちのために」と、たくさんのお母さん方が協力してくれるそうです。
  園児数が多くないので、園内だけではなかなか集まりません。そこで隣接の名古屋芸大や地域のスーパーに回収箱を置かせてもらっています。集まり具合は上々だそうです。
(2007/1/15)


ベルマーク便りの入賞作品決まる
楽しく工夫こらして入選・佳作各10点

  「第21回ベルマーク便りコンクール」の入賞校・園が決まりました。今年は108校・園から作品が寄せられました。
  PTAが発行するベルマーク便りは、子どもたちの笑顔を願うベルマーク運動の仕組みや新情報を、学校やPTA、地域の方たちに広く知らせて、活動を活気づけています。今年もイラストや写真、表などを使って分かりやすく、また読んで楽しい作品が多数ありました。
  審査の結果、入選10校、佳作10校・園が選ばれました。入選校には3万円、佳作校・園には1万円、そのほか応募された学校・園には図書カードをお贈りします。入賞校・園は次の通りです。

<入選> 10校
・八丁平小学校(北海道・室蘭市)
・将監小学校(宮城県・仙台市)
・牛渡小学校(茨城県・かすみがうら市)
・第一中学校(千葉県・習志野市)
・扇橋小学校(東京都・江東区)
・山下小学校(神奈川県・平塚市)
・中豊島小学校(大阪府・豊中市)
・大竹小学校(広島県・大竹市)
・足原小学校(福岡県・北九州市)
・城西小学校(沖縄県・那覇市)

<佳 作> 10校
・山手小学校(北海道・新ひだか町)
・大河原小学校(宮城県・大河原町)
・沼里小学校(茨城県・稲敷市)
・済美小学校(東京都・杉並区)
・東京学芸大学附属大泉小学校(東京都・練馬区)
・下野庭小学校(神奈川県・横浜市)
・名古屋芸術大学附属クリエ幼稚園(愛知県・北名古屋市)
・八本松小学校(広島県・東広島市)
・下黒瀬小学校(広島県・東広島市)
・嘉穂中学校(福岡県・嘉麻市)

<写真> 財団に届いた「ベルマーク便りコンクール」の応募作品
(2006/11/21)


第21回ベルマーク便りコンクール入賞作品の総評



第21回ベルマーク便りコンクール入賞作品の総評
カラー写真やイラスト、漫画を使い
話題を盛り込んで分かりやすく編集 

 第21回を迎えた今年のコンクールには全国から108校(昨年は130校)のPTAが応募してくれましたが、全体的にカラー写真やイラスト、漫画などを使ってベルマーク運動を分かりやすく解説した作品が目立ちました。今年の特色は、入選10校中5校が初入選で、佳作の方も10校中7校が初めて選ばれた学校でした。各学校とも創意工夫して、ベルマーク便りの制作に打ち込んでいる姿が浮かんできます。
  審査に当たったのは、東京の部長会メンバーと広報部員、大阪、北九州、名古屋の広報委員の計11人です。
  審査員の中で最も評価の高かったのは大阪府豊中市の中豊島小学校の「ベルマークだより」で、初入選です。カラーをふんだんに使った見事な編集で、5月から6回発行されています。集めたベルマークがどのような作業を経て約50冊の学校図書になったかを「ベルマークの旅」と名付けて分かりやすく解説しています。高井ジロルさんが書いた「ベルマークのひみつ」(日本文芸社)から引用したベルマーク協賛会社クイズを載せているのも、PTAのお母さん方の興味を引いたのではないでしょうか。高井さんの本にはベルマークに関して「へぇー」と思わせる面白い話題がふんだんに盛り込まれているので、これを活用したのも良いアイデアでした。
  2番目に評価が高かったのは、昨年トップに輝いた沖縄県那覇市の城西小学校の「ベルマーク新聞」です。カラーは使わず、オーソドックスな作りの新聞ですが、話題をちりばめた、分かりやすい編集が評価され、2年連続の入選となりました。ベルマーク運動が誕生するきっかけとなった全国へき地教育研究連盟の「渡辺ユキ先生をご存知でしょうか?」と紹介しています。渡辺ユキ先生は一生をへき地教育に捧げ、昨年11月になくなりました。同新聞は「今では日本だけでなく世界中の子ども達が喜ぶベルマーク運動になりました。きっと天国から見守ってくださっていることでしょう。ご冥福をお祈りします」と書いています。
  第3位の神奈川県平塚市の山下小学校も初入選です。保護者向けの「ベルマークだより」だけでなく、児童向けや教員向けの「ベルマークだより」も作っているきめ細かさが評価されました。児童向けにはイラストを多く使い、ベルマーク担当の先生の紹介もしています。
  初入選は他に3校あります。福岡県北九州市の足原小学校はPTA用と児童用の「ベルマークだより」を制作し、児童用は振り仮名付きです。どちらもイラストがとてもかわいい。宮城県仙台市の将監小学校は協賛会社別ベスト10を掲載、児童の活動の様子や購入した備品を写真で紹介しています。広島県大竹市の大竹小学校は年度に14回も「ベルマークだより」を発行、協賛会社別ベスト10や年間のクラス別順位、ベルマーク豆知識などをタイムリーに知らせています。
  2003年入選、昨年佳作の千葉県習志野市の第一中学校が3年ぶりに入選しました。毎回テーマを決めてベルマーク運動を紹介、協賛会社別の集票点数の分析も載せています。ベルマーク委員の一言集がおもしろい。
  昨年に続き2年連続入選に輝いたのは北海道室蘭市の八丁平小学校です。カラー写真でベルマーク商品を丁寧に紹介しており、職員室前廊下に張ってある実物を一部つかった「ベルマークを見つけよう!」のポスターの写真が迫力満点です。
  1987年に入選し、19年ぶりに入選したのは東京都江東区の扇橋小学校です。ベルマークに関する素朴な質問「Q&A」や変り種ベルマークを紹介、「近隣の皆様へ」と題して使用済みカートリッジ回収のお願いも添えています。
  6年連続入選となったのは茨城県かすみがうら市の牛渡小学校の「うっしーべるしんぶん」です。ベルマークを首につけた牛がシンボルマークで、審査委員がそろって認める実力派です。今年は5月30日、茨城県の県南地区でのベルマーク運動説明会で牛渡小の活動について発表してくれました。ありがとうございました。
  佳作の10校も工夫たっぷりの良い作品でした。ベルマークの集票点数が1,286万点と小学校部門では全国トップの東京学芸大学附属大泉小学校が昨年に続いて今年も佳作に入りました。また、幼稚園でただ1つ佳作に選ばれたのが名古屋芸術大付属クリエ幼稚園です。どの作品も実力十分で、入選まであと一歩です。来年はがんばってください。
(ベルマーク教育助成財団常務理事・事務局長 森 精一郎)
(2006/11/21)


◆入選(10校) ◆佳作(10校)
八丁平小学校(北海道・室蘭市) 山手小学校(北海道・新ひだか町)
将監小学校(宮城県・仙台市) 大河原小学校(宮城県・大河原町)
牛渡小学校(茨城県・かすみがうら市) 沼里小学校(茨城県・稲敷市)
第一中学校(千葉県・習志野市 済美小学校(東京都・杉並区)
扇橋小学校(東京都・江東区) 東京学芸大学附属大泉小学校(東京都・練馬区)
山下小学校(神奈川県・平塚市) 下野庭小学校(神奈川県・横浜市)
中豊島小学校(大阪府・豊中市) 名古屋芸術大学附属クリエ幼稚園(愛知県・北名古屋市)
大竹小学校(広島県・大竹市) 八本松小学校(広島県・東広島市)
足原小学校(福岡県・北九州市 下黒瀬小学校(広島県・東広島市)
城西小学校(沖縄県・那覇市) 嘉穂中学校(福岡県・嘉麻市)


作品の紹介


応募総数は108校・園

◆入選作品

   
八丁平小学校
北海道室蘭市
将監小学校
宮城県仙台市
牛渡小学校
茨城県かすみがうら市
第一中学校
千葉県習志野市
扇橋小学校
東京都江東区
山下小学校
神奈川県平塚市
中豊島小学校
大阪府豊中市
大竹小学校
広島県大竹市
足原小学校
福岡県北九州市
   
城西小学校
沖縄県那覇市
   
     

◆佳作作品

   
山手小学校
北海道新ひだか町
大河原小学校
宮城県大河原町
沼里小学校
茨城県稲敷市
済美小学校
東京都杉並区
東京学芸大学附属大泉小学校
東京都練馬区
下野庭小学校
神奈川県横浜市
名古屋芸術大学附属クリエ幼稚園
愛知県北名古屋市
八本松小学校
広島県東広島市
下黒瀬小学校
広島県東広島市
   
嘉穂中学校
福岡県嘉麻市