幌西小学校は今年で創立82周年を迎えました。現在児童907名、27学級で、札幌でも有数の大規模校です。周りは藻岩山を望む緑豊かな環境に恵まれ、少子化がクローズアップされている昨今においても、マンション等の集合住宅が数多く建ち並び、児童数は年々増加しています。小学校では、開校以来、個性の伸長と、たくましく生きる力の育成を目標に掲げ、学校と保護者、そして地域社会が心をひとつにして、子どもたちの教育を進めています。とくに近隣地域との関わりにいち早く取り組み、教育委員会、まちづくりセンターや町内会、児童会館、民生委員、警察の方々などと連携をとりながら、小学校に通っている児童の保護者はもとより、多くの地域住民の方々の理解と協力のもと、子どもを見守り安心して生活ができる基礎を作り上げています。
PTA活動は、「子どもたちの笑顔のために・子どもたちの明日のために〜みんなが参加し、協力し合うPTA〜」をスローガンとして、保護者の方が1児童1役のボランティア精神を大切にし、先生と共に力を合わせ、子どもたちにとって、よりよい環境を作り上げられるように行っています。先日は、PTAガーデニング係の方が花の苗を植える活動を行い、校舎の周りが色鮮やかな花で彩られています。
PTAの専門部は校外生活部・厚生部・文化部・広報部の4部で構成されていますが、ベルマーク運動はその中の厚生部が中心となって行っています。本校はベルマーク運動が始まった翌年の1961年より参加し、今年で46年目を迎えました。現在までの収集累計は370万点を超えています。
昨年度は各学級用として、サッカーボール、ドッジボール、縄跳び用の長縄を購入することができました。休み時間になると、子どもたちは毎日のようにグラウンドでボール遊びや長縄跳びをしています。子どもたちがベルマークで購入したものを使って元気に遊ぶ姿を見ると、この活動に携わって本当によかったと、うれしい気持ちになります。
私達の学校で行っているベルマーク活動は、次のようにしています。
まず、全家庭に今年度集めるベルマークを掲載した「ベルマーク一覧」と、ベルマークの集め方を掲載した「ベルマーク便り」を配付します。それをもとにして集められたベルマークを各学級1名の厚生部員の皆さんが回収・整理していきます。
今年度は27名の部員で、先月より活動がスタートしました。実際の活動としては、毎月22日前後に行っている資源回収活動と日にちを合わせて部会を開き、ベルマークの収集・整理を行っています。回収箱は、各教室と校舎東西2カ所の玄関、さらに地域の方々のご協力を得て、「幌西まちづくりセンター」「旭山公園通地区センター」「コンビニエンスストア」の3カ所にもベルマーク箱を設置させていただき、収集しています。
手順としては、まず各部員が自分のクラスのベルマーク箱からベルマークを回収し、担当する会社ごとに分けます。そして学年ごとに数社ずつ受け持っている会社ごとに分類します。その後、ベルマークをきれいに切りそろえ、同じ点数ごとの10枚を1つづりとして、セロテープに貼ります。そして、この1つづりのものを10の束にして整理袋に保管します。この様にしておくと集計の際に非常に便利です。なお、ロッテやキユーピーなどのベルマークは、大変小さい上に、ビニール製のため切りづらく、しかも枚数がとても多いので、これを担当した部員さんは、初めのうち苦労されますが、回を重ねるたびにどんどん慣れて手際よく進めてくれるようになります。
活動は一緒の部屋で行っていますが、和気あいあいと楽しく会話を弾ませながらも、手は休むことなく作業は進んでいきます。毎回、共に活動しながら、違うクラスや学年の保護者の方同士が交流し合うよい機会にもなっています。
また、細かいものが多い作業なので、卵のパックを用意し、それぞれのくぼみに切ったベルマークを入れていき、全部はいると10枚になるという工夫するなど、活動しながら色々なアイディアを出し合うことで、自然とそれが広まっていきました。
一方、最近はパソコンの普及とともに、エプソンやキヤノンのインクカートリッジ、及びトナーの数も増えてきました。校舎東西の玄関や職員室に専用の回収箱を設置し、いっぱいになるごとに随時発送を行っています。
集計は、年に2回、9月と3月です。各学年担当の会社分を集計表に記入し、集計係(主に部長・副部長)が最終的なチェックをした上、ベルマーク財団に送付しています。皆さんの協力でたまった預金残高をもとに、毎年12月をめどに先生方と相談し、子どもたちが学校生活の中で必要なものを購入し、積極的に活用されています。購入した品は写真にとって、年間10回発行しているベルマーク便りで保護者の皆様にお知らせしています。
また、活動は基本的には学校内で行いますが、近頃はお仕事をされている方も増えていますので、家庭に持ち帰って活動するなど、それぞれ積極的にベルマーク運動に参加してくれています。
1年間のベルマーク運動の感想を尋ねると、時間がかかり根気のいる作業ですが、「楽しかった」「やってよかった」「他の方にもこの部を進めたい」「次もこの活動に参加したい」など、これまで以上にベルマークに関心をもっていただけたことに、活動を進めてきた部長としては、ほっと胸をなで下ろす感想が多く寄せられました。
以上が幌西小学校でのベルマーク活動です。本当に小さな1枚1枚も、保護者の皆様ならびに卒業生や地域の方々の善意が集まると、子どもたちのための色々な品々となって形になります。中にはご家庭で1年間ためていただいたベルマークを、学校で役立ててほしいと、毎年封書に入れて送って下さる地域の方もいらっしゃいます。
保護者の方や地域の方々の温かな心に支えられながら、子どもたちの生き生きとした笑顔が生まれる活動として、そして子どもたちの健やかな成長に少しでも役立つように、ベルマーク運動をこれからも地道に続けていきたいと思います。
(スライドショーを使って説明)
=6月14日、札幌サンプラザコンサートホールで
「出来る範囲でのんびり」こつをさらり
6月14日、札幌で行われた市立幌西小学校の体験発表ではスライドショーが注目を集めました。ベルマークの収集箱から始まり、仕分けに使う容器や、小さいマークの切り方、10個単位でまとめる方法など、作業の様子がていねいに約20枚の写真を使い説明されています。もちろん、学校の様子や、お買い物の本を手に取る子どもたちの表情なども豊富に紹介。1年近くかけて準備したとのことで会場からは「まるでベルマーク活動の入門編のよう」と感心した声が出ていました。
また質疑応答に移り「各学級1人、全部で27人で活動するのは大変ではないですか」という質問には、発表した田幹子さん(2006年度PTA厚生部長)が「余り無理しないで、出来る範囲で、のんびり、ゆったりやればいいですよ。出来なければ持ち越しても構わないし」と、活動のこつをさらり。「私たちも、年度内で集計できなかった分は、今年度の人におみやげとして残しました」。これには会場からうなずく姿が見られました。 |