「奇跡の一本松」と奉仕の喜び
ベルマーク教育助成財団常務理事 宮田謙一
がれきの中に、すっくと立つ一本の松。巨大津波を生きのびた陸前高田の「奇跡の一本松」は、感動的でした。被災地から遠く離れた
人たちも、その姿にどこかほっとし、安らぎ、そして勇気づけられたと思います。
津波で学校がめちゃめちゃになった宮城県石巻市の雄勝中学校では、新しい校訓に「たくましく生きよ」を掲げました。昨年11月末、ベルマーク財団の大震災支援の報告会に来ていただいた佐藤淳一校長が紹介してくれました。
どちらも、悲しみの中から立ち上がり、前に進もうという強い意志を感じさせます。凛とした覚悟のようなものでしょうか。
新しい年が明けました。だからといって状況が楽になるわけではありません。それでも気持ちを新たにして、進んでいくしかない。新しい校訓と奇跡の一本松に、私たちもそう励まされているように感じます。一本松が塩害のために枯死する運命だというのは、なんとも残念ですね。
昨年、ベルマーク運動に寄せられた被災地向けの支援は、記録的な規模に達しました。ボランティア活動で現地を訪れた方々もたくさんいました。
何か、人のためになることをしたい。そんな思いが日本全国にあふれていました。
なぜ、人は奉仕をするのか。もちろん、喜んでもらえるから、役に立つからするわけですが、それだけではないように思います。私自身のささやかな体験から感じるのは、人のために奉仕することが楽しい、自分でも奉仕できることがうれしい、奉仕している自分が愛おしい、ということでした。あまり独りよがりでは迷惑でしょうけれど。
ベルマーク集めの活動に参加されている保護者の皆さんはいかがでしょうか。マークを集め、回収や仕分け作業を手伝い、あるいは便りをつくったりという仕事に、奉仕の喜びは宿っていませんか。
物言わぬ「奇跡の一本松」ですが、あの姿を思い浮かべた時、「ありがとう。がんばるよ」と語りかけているように感じませんか。
(2012/01/10)




