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4校同居し過密状態も 援助申請書から実態浮き彫り

体育・理科教材不足目立つ

 ベルマーク東日本大震災「被災校援助プロジェクト」の援助申請書には、それぞれの学校の被害状況や現在の授業、どんな設備品・教材が希望か、を記入してもらっています。次々に届く申請書からは、平常にはほど遠い学校の実態が浮かび上がってきます。
◆被害状況
 校舎の被害程度は、全壊から亀裂が入ったり敷地が陥没したりとさまざまです。
 宮城県石巻市では相川小が「津波で校舎がほぼ全壊、備品もすべてなくなった」。雄勝中も「校舎が全壊し、ほぼすべての生徒が自宅を流された」。学校が全焼した(門脇小)ケースもありました。
 岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)小は「3階建ての校舎の3階屋根まで津波にのまれ、校舎外枠の鉄筋部分だけは残っているものの校舎内のすべてのものは流出した。校舎は再建不能」の状態です。釜石市の釜石東小も「校舎、体育館、特別棟すべて津波で流失」しました。
 「3階建ての1階が浸水、5センチのヘドロが堆積した。放送設備、電気設備など重要な機能が失われた」のは、宮城県気仙沼市の鹿折小。同市の大谷中も「校庭が津波で船や自動車、がれきに覆われた。体育倉庫も流され運動用具が流出した」ということです。女川町の離島・出島にある女川第二中は「島のほとんどの家が流失、生徒の家もすべてなくなった。生徒は震災翌日に全島民とともにヘリコプターで救助された」。生徒たちはいま、島を離れ、避難所暮らしをしながら女川第一中で授業を受けています。
 このほか大半の学校が亀裂や天井の落下、浸水などで校舎の全部、一部が使えなくなったり、テレビやパソコン、理科教材などが地震で床に落ちて壊れたり、水に流されたりしました。
 福島県相馬市の磯部小のように「児童11人が犠牲になった」という悲しい報告もありました。陸前高田市の第一中は「街全体がなくなり、生徒の家庭の全半壊及び保護者等の死亡、行方不明が63%」と伝えてきました。
◆現在の授業状況
 震災から3カ月が過ぎた今も、体育館や教室が避難所になり、校庭には仮設住宅が建つなど、平常授業にはほど遠い状態が続いています。
 岩手県大槌町の吉里吉里小には、被災して校舎が使えなくなった大槌北小、赤浜小、安渡小を加えた4校が同居。「教室や体育館を間仕切りして学習しているが、150人規模の学校に400人」の過密状態だけに、隣の音で集中できない、特別教室が使えないなどの問題を抱えています。福島市の佐原小も「児童28人で新年度が始まる予定だったが、近くの大きな避難所にいる児童たちが加わり75人と3倍になり、教室や教材不足が深刻」。校舎がすべて流された釜石東中は、釜石中に間借りして1年生55人、2年生59人が1つの教室で学んでいます。石巻市の橋浦小には、相川小、吉浜小が間借り。児童86人の学校が173人になって空き教室が全くなく、学年ごとに3校の児童が一緒に学習しています。
 このほか「講堂で体育の授業をしているが、廊下が土台の陥没で危険なため、いったん正門を出て道路を渡って行くと10分ほどかかる。授業時間が短くなってしまう」(福島・西郷村立米小)、「体育館が使えないため、音楽室でマット運動」(宮城・登米市立米川小)、「三年生は四倉高に、1、2年生は四倉小に分散して授業している。技能教科の先生たちは、2つの学校を行き来して、指導している」(福島・いわき市立四倉中)とケースや、「町の給食センターが運営できないため、近隣市町の協力をもらっているが、1、2年生分まで対応できず、給食を食べずに帰宅させている」(宮城・七ケ浜町立松ケ浜小)、「遠くの避難所や親類の家から通う生徒のバス時間に合わせ、一校時の開始時間を9時にしている。帰りのバスも配慮して45分授業をしている」(岩手・山田町立山田中)といった悩みもありました。
 福島県本宮市の本宮第二中は「校舎、体育館の損傷激しく、取り壊しが決定。公民館と隣接の体育館で授業しているが、とくに体育館は音や暑さの問題で苦労している。原発事故の影響で屋外での活動も制限されており、体育の授業はバスで送迎して他の施設を利用」してきました。7月からは新しく完成した仮設校舎で授業の予定で、少しは環境が改善されそうです。
◆希望の設備品は
 援助を申請してきた学校が必要としている設備品、教材をみると多岐にわたっています。
 備品関係でみると、暗幕、カーテン、体育用マットなどは、津波の被害もありますが避難所になった際、避難した人たちが暖をとるために使って利用できなくなったというケースも多い。テントも多い。避難所に貸し出していたり、「消防団の集会所に使い、たき火のすすで黒くなってしまった」などが理由です。机やいす類も多い。校舎の間借りなどで不足しているようです。
 教具関係では、体育用具や理科教材が目立ちます。陸上のハードルや跳び箱、サッカーゴールやボール、野球、ソフトボール用具、顕微鏡、ビーカーなど。また鍵盤ハーモニカ、キーボード、小太鼓、マリンバなどの楽器、調理実習用具、本などもあります。
 このほか電気製品で多いのが扇風機。「一部教室が使えなくなったため、2クラスを1クラスにして授業している。40人以上が1クラスに入り、暑い。窓を開けると網戸がなく、大量発生したハエがはいってくる。扇風機がほしい」(気仙沼市立階上小)などの理由です。またテレビやCDラジカセ、シュレッダー、洗濯機などもあります。またワイヤレスアンプなどの放送機器やパソコンも上位を占めています。
 津波の泥を流したりするための高圧洗浄機や備蓄用の非常食糧・飲料水、リヤカー、物置・倉庫、熱中症計といったものもあります。
 中には福島第一原発の事故が影響して「放射能測定器」「放射線量計」を希望する学校もありましたが、この問題は被災校だけの援助ではすまないこともあり、ベルマーク財団では今回の援助対象設備品から除外することにしました。

(2011/07/11)

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