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第5回「城の自由研究コンテスト」審査結果

  全国の小・中学生から「お城」の作品を募集していた第5回「城の自由研究コンテスト」(主催=日本城郭協会、朝日学生新聞社、公文教育研究会、後援=文部科学省、ベルマーク教育助成財団、教育新聞社、日本教育工学振興会)の受賞作品が決まりました。
  今年は過去最高の190点が寄せられ、自分たちの住むふるさとのお城や旅先で見たお城をよく調べた作品が多く、レベルの高さに審査委員も感心しながらの審査となりました。(以下受賞者、敬称略)
  ▽文部科学大臣奨励賞=福田諒(愛知県・小6)▽公文教育研究会賞=西森駿汰(大阪府・小3)▽日本城郭協会賞=樋口功太郎(長崎県・中2)▽朝日小学生新聞賞=鶴田大士(石川県・小6)
  ▽優秀賞=浅木勇人(大阪府・小3)、小泉圭徳(埼玉県・中1)、萩原伶奈・神宮沙紀(群馬県・小5)、深澤太地(静岡県・小6)、蝟{映(広島県・中1)、山本莞大(東京都・小3)、ローン・ジェルミー・ジョシュア(長崎県・小6)▽佳作=江口知臣(北海道・小1)、太田鈴(岡山県・小3)、緒方智之(ロンドン・小6)、小松正崇(山形県・小6)、白鳥武尊(静岡県・小6)、津田恵介(鹿児島県・小6)、中田大貴・中田貴士(東京都・小2、小4)、松本博文(東京都・中2)、向井遥南(愛媛県・小4)、豊能町立吉川小学校(大阪府)
(2006/11/28)

朝日のびのび教育賞の5団体を表彰

 学校・家庭・地域が連携した特色ある活動を応援する「第8回朝日のびのび教育賞」(朝日新聞社、ベルマーク教育助成財団共催)の贈呈式が11月11日、朝日新聞東京本社の浜離宮朝日ホールで行われ、受賞した5団体に、朝日新聞社から正賞の盾と活動奨励金50万円、記念品、ベルマーク教育助成財団からは齋藤諦淳理事長の手で副賞20万円がそれぞれ贈られました。
  受賞したのは、「総和おもしろ科学の会」(茨城県古河市)、「豊田市立西広瀬小学校」(愛知県豊田市)、「兵庫県立龍野実業高等学校デザイン科」(兵庫県たつの市)、「藍住町立藍住西小学校」(徳島県藍住町)、「穴生(あのお)『あそびの学校』運営委員会」(福岡県北九州市)です。
  贈呈式では、朝日新聞の秋山耿太郎社長の励ましの後、5団体の代表が受賞のあいさつ。親子で対話しながら楽しめる科学実験をしている「総和おもしろ科学の会」顧問の長浜音一さんは「科学の面白さを通じて、子どもの未来に夢を与えたい」。矢作川の水質調査を30年間1日も休まず続けている「豊田市立西広瀬小学校」6年の杉山尚興君は「おじいさんおばあさんの時代のきれいな里山を取り戻すよう頑張ります」。「兵庫県立龍野実業高等学校デザイン科」は、空きビルで手作りのファッションショーを行い地域に活気を与えています。清水浄デザイン科長は「ショーという社会活動を通し生徒たちも大きく成長した。2年後に合併で学校の名がなくなる前に受賞したことは大きな記念になります」。伝統地場産業の藍染めを藍の栽培、染め液づくりから学んでいる「藍住町立藍住西小学校」6年三好映理香さんは「染液を私たちは『藍ちゃん』と呼んでいますが、文集の表紙まで作るこの体験は宝物です」と、あいさつ。地域のボランティアが子どもたちに色々な遊びを伝えている「穴生『あそびの学校』運営委員会」校長の瀬川正志さんは「楽しさを求めての12年だったが、遊びを通じて子どもが成長していることが分かる」などと話していました。
  この後の祝賀会では、5団体が、スライドやビデオで活動を紹介したほか、実際にシャボン玉作りの実験を繰り広げたり、「藍こなし唄」で踊ったり、ファッションショーをするなど様々なパフォーマンスを繰り広げ、参加者から大きな拍手を浴びていました。
(2006/11/13-2)


朝日のびのび教育賞5団体の横顔

●「総和おもしろ科学の会」(茨城県)
科学を学ぶ楽しさ、地域ではぐくむ

  身近な道具を使い親子で科学実験や工作を楽しむ団体「総和おもしろ科学の会」は、茨城県古河市(旧総和町)の西牛谷小学校で週5日制対応のため93年に発足したPTAの「おやじの会」が始まりです。「子どもたちの学ぶ意欲をはぐくむ」をテーマに、親子が一緒になって会話をしながら、身の回りにある教材を使った科学実験を始めました。当初は科学の専門家もおらず苦労しましたが、東京の科学技術館の専門家らに実験を教えてもらいネットワークを作りながら活動が広がりました。
  95年にPTAから分離。「科学クラブ」として学区内の地域住民や先生も参加して連携が深まりました。97年には旧総和町内の小学校10校、中学校3校に活動を広げ「総和おもしろ科学の会」に発展、全町的に親や住民らが参加するようになりました。
  現在ボランティアとして取り組む会員は35人。「小中学校への出前授業」は年30回以上で、火薬ロケットの打ち上げ、巨大シャボン玉づくりなど100種類の実験をしています。また「総和科学の祭典」では、古河市内のすべての学校がブースを設け、それぞれ工夫を凝らした科学実験の紹介を続け、入場者は1万人にもなりました。

●「豊田市立西広瀬小学校」(愛知県)
白濁した川、調べて清掃続け30年

  愛知県豊田市の西広瀬小学校は山と川に挟まれた全校児童37人の小さな学校です。その5、6年生は、学校の近くを流れる矢作川と飯野川の水質透視度測定を始め1日も休まず続け丸30年になります。
  流域が陶土の産地で土砂採取による排水のため、川は白濁、汚れていました。児童が「昔の清流も取り戻したい」と75年から飯野川で清掃活動を始め、翌76年、矢作川沿岸水質保全対策協議会が透視度の測定を提案し、活動が始まりました。
  測定を始めた当時、川の透視度は数センチしかない日もありましたが、子どもたちの取り組みをみた大人たちの間に「川を汚してはいけない」という意識が徐々に広がり、地域全体の活動になりました。透視度は年々あがり、現在は150aを記録することもあります。
  92年からは地域住民も調査に参加、土日や荒天の日などは、児童に代わって測定しており、親子2代にわたる人もいます。杉浦努校長は「現在、この活動は学校だけでなく、地域を含めた学区全体の活動になりました」と話しています。 
 
●「兵庫県立龍野実業高等学校デザイン科」(兵庫県)
手作りショーで街を活性化

  たつの市の龍野地域は、復元された龍野城や白壁の町並みが残る旧城下町で醤油醸造や皮革産業、そうめんなどの地場産業が有名でしたが、郊外の大型店舗進出などで、中心部は空き家が目立っていました。97年から文化祭でファッションショーを開いていた龍野実業高校デザイン科が、校外の人にも見せたい、と02年からこの古い空きビルを利用して、開催を始めました。卒業作品展も「町ぢゅう美術館」として空き家で開くようになりました。生徒のアイデアで企画・運営する中で、皮革業者から材料の提供を受け、地元小学校からもデザインを募集、おばあちゃんたちからは型紙の作り方、元大工さんからは舞台づくりの指南を受けました。生徒と学校の取り組みに地域の人にも「地域に貢献する実業高校」という意識が高まってきています。
  衣装だけでなく、演出・照明・音楽・宣伝も生徒だけで考えます。今年の生徒代表の伊藤淳子さんは「色々な経験ができるし、やり終えた時の喜びは格別です」と話しています。最初150人だった観客も、昨年度は2000人に増加。「若い力で市の活性化に貢献してくれています」と市商工観光課は話しています。

●「藍住町立藍住西小学校」(徳島県)
藍の伝統、全校で親しみ受け継ぐ

  藍住西小学校のある藍住町は吉野川沿いにあり、かつては川の氾濫で肥えた土が流れてくる藍の栽培に最適な土地で、江戸時代には徳島藩の代表的な産業だった「阿波藍」の主産地として知られていました。
  藍住西小学校が藍染めに取り組んだきっかけは、95年度に6年生が卒業文集を手作りし、その表紙を藍染めでつくったことです。児童の母親らを中心にボランティアグループ「藍の風」が生まれ、子どもたちと藍の栽培や藍染めの手法を一緒に学び、4年後には学校に直径1bほどの樽を使った「藍がめ」をつくり、学校でいつでも染められるようになりました。翌年から藍の栽培を始め、さらに地域の協力で全校的な取り組みに発展しました。
  今では運動会で濃紺の旗が翻り、卒業式には児童の胸に藍染めの布のコサージュが彩りを添えます。校内行事は製作発表の場になっています。校内の藍がめも3個に増えました。町の栽培農家はわずか2戸に減りましたが、藍染めの学習は、子どもたちに地域の歴史や伝統文化に触れる貴重な機会になっています。

●穴生「あそびの学校」運営委員会(福岡県)
多彩な遊びで笑顔とルール知る

  「山の林から子どもたちの歓声が聞こえます」――北九州市八幡西区の住宅地の小高い丘にある上保公園が「あそびの学校」の拠点です。昔の子どもたちは兄弟や近所の子どもと遊び、自然に社会のルールを学んでいました。今は少子化と社会の変化によって、子どもたちが勝手に遊べる環境がなくなっています。そこで学校5日制が実施された12年前、地域の大人たちは「自分たちが昔味わった体験と遊びの楽しさを知ってもらいたい」と、自然の中で遊ぶ場をつくりました。
   毎月第2土曜日が「遊びの学校」定例日。「あそび」のプログラムは子どもたちと相談しながら、時間をかけて作りあげています。ボランティアは約120人。地域のお年寄りや保護者が中心ですが、1年生から「学校」に通ったOBの中高生も20人おり、遊びのプログラムを作るスタッフとして参加しています。96年、公園にある木を全部切って都市公園にする計画が浮上した時には、「自然の中で遊べなくなる」と、市に手紙を出して、白紙に戻したこともあります。
   忍者ごっこ、キャンプ、草スキーなどの「あそび」を通して、学校や学年が違う子どもたちと触れ合うことで、ルールを学び、思いやりの心や責任感が育っているそうです。
(2006/11/13)


ベルマーク運動の防災機能を紹介
事務局長が防災会議調査会で講演

 「ベルマーク運動が持つ防災機能について」と題してベルマーク教育助成財団の森精一郎常務理事・事務局長が11月10日、東京のホテルで開かれた中央防災会議「災害被害を軽減する国民運動の推進に関する専門調査会」で調査会委員ら約50人を前に実践例を紹介しました。
  これは10月6日、国民の防災意識を高める運動を展開している内閣府の荒木潤一郎災害情報室長ら防災担当者が財団事務局を訪れ、災害時に避難場所となる学校に浸透しているベルマーク運動に協力を要請してきたことに応えたものです。
  森事務局長は「ベルマーク運動は朝日新聞社が1960年10月に創立したPTAによる教育助成のためのボランティア運動です」とまず説明したあと、「防災との関係が深まったのは1995年1月の阪神淡路大震災の発生がきっかけだった」として、当時被害を受けた神戸市などの学校に対して3回に渡って計1億円相当を超える災害援助を実施したことを紹介しました。また、2004年10月に発生した新潟県中越地震の被災校に対して2回に渡って計6200万円相当の緊急支援を実施しましたが、その援助備品の中には防災用のヘルメットや避難誘導用に使うメガホンが含まれている、と報告しました。
  ベルマーク運動は災害援助を通じて被害を受けた学校の痛みを軽減する一方、PTAが自らのベルマーク預金で協力会社から防災用品を購入することで学校の防災力を高める機能もあります。1998年後期に協力会社のカタログである「お買いものガイド」にミズノが各種の「緊急避難セット」を載せました。最近では学習研究社や内田洋行、ライブなどが防災用品を幅広く取り扱っています。
  ここ3年間に学校PTAが購入した防災用品を紹介すると、三重県の宮川保育園が防災頭巾を100個購入したのをはじめ、小中高校が携帯用担架、救急かばん、ヘルメット、手回し発電機、グリップ式発電ライト、防災カーテン、メガホン、トランシーバー、リヤカー、せいろ、かまど、手押し一輪車、救急用ブザー、大型ヒーターなどを購入しています。購入額全体に占める割合はまだほんのわずかですが、年を追うごとに増えています。
  ベルマーク運動にはもうひとつ防災機能があります。協賛会社が自社の防災商品にベルマークを付けることで普及度を高める機能があります。代表的な商品は2004年度から協賛参加した旭硝子の安全ガラス「スクールセーフィー」と「スクールテンパ」などです。また、ラッキーベルシューズも昨年度、靴底に使うスポンジを入れた防災頭巾を開発して、ベルマークをつけて販売しています。事務局長は持参した防災頭巾を示して、「これは教室の椅子の背もたれの部分にかけておくことで、いつ地震がきてもすぐに防災頭巾を取り出してかぶれる優れものです」と紹介しました。また、新潟県の協賛会社ブルボンが開発した5年貯蔵可能な備蓄用ビスケット「オーロラ」を示して、「ベルマークを付けてくれるよう今お願いしている商品です。大変おいしいビスケットで財団でも備蓄用に早速購入しました。皆様のところでもぜひお試しください」と呼び掛けました。
(2006/11/13-1)