協力会社であり、スポーツ振興会を通じて毎年ベルマーク財団に多額の寄付を続けているスポーツ用品最大手のミズノが今年4月に創業100周年を迎える。それを記念してミズノ、ミズノスポーツ振興会、ミズノ国際スポーツ交流財団の3者は1月8日(日)午後、都内のホテルで「すべての子ども達にスポーツを」と題してスポーツ・シンポジウムを開催した。
国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ会長からのメッセージ紹介のあと、映画監督で早稲田大学特命教授の篠田正浩氏が「スポーツと子どもと教育」と題して基調講演し、「かつて戦場となった沖縄は、いま世界にはばたく女子プロゴルファー宮里藍を生み出した。スポーツは人間性を豊かにする。戦争をしなかった戦後60年がスポーツの素晴らしさを証明している」と述べた。
パネルディスカッションには、ベルマーク財団理事でもある日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンもパネリストとして参加、「みんなが行きたくなるような地域密着型のスポーツクラブをつくり、サッカーだけでなく、スポーツが生活の一部となるような豊かな社会にしていきたい。それがわれわれの100年構想だ」と説明した。
その後のトークセッションでは、大リーガーのイチロー選手が「米大リーグには、道具を大事にする精神がない。彼らが三振してバットを折ったり、エラーしてグラブを投げつけたりするのは、私には信じられないことだ。道具を作ってくれた職人さんのことを考えたらとてもできない。ただ、かく言う私も日本にいるとき、一度三振してバットを投げつけたことがあるが、そのバットは戒めとしていまも大事に家に飾っている」という話を披露した。会場に飾られたイチロー選手のバットはヤンキースの松井選手のバットより短く、細く、あらゆるボールに素早く対応できるように見えた。
シンポジウムは「国、民族を超えて、すべての子ども達にスポーツができる場と機会の提供に努めます」など5項目の「次世代に向けたスポーツ提言」を採択して閉幕した。
(2006/01/11)
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