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第6回「朝日のびのび教育賞」
5団体が受賞

 平成16年度の第6回「朝日のびのび教育賞」(朝日新聞社、ベルマーク教育助成財団)に、5団体が決まりました。11月27日(土)、東京・築地の朝日新聞東京本社で贈呈式が行われます。朝日新聞社から正賞の盾と活動奨励金50万円とベルマーク財団から副賞として20万円をそれぞれ贈ります。本賞は、学校や地域のなかでユニークな活動を続けている小、中、高校を応援するために設けられました。受賞団体は次の通り。
▼ 秋田県立能代工業高校生徒会(秋田県能代市)
▼ 岡崎市立常磐中学校生徒会(愛知県岡崎市)
▼ いなべ市立大安中学校テクニカルボランティア部(三重県いなべ市)
▼ 大阪府立長吉高校生らによるチャリティーマラソン(大阪市)
▼ 北野町立金島小学校(福岡県北野町)
(2004/11/5)


第6回「朝日のびのび教育賞」の受賞団体の横顔

「みんなのバスケ」で広げる交流の場
● 秋田県立能代工業高校生徒会(秋田県能代市)
 「障害の有無や年齢は関係なく、バスケットのボール1つで楽しもう」ーー今から4年前、能代工業高だからこそできること、生徒会(大塚康徳会長)が地域社会に対して何か貢献できる事はないか、そして何らかのメッセージを発信できないか、と考えました。そこで地域のみなさん、障害があったり、高齢だったり、いろいろな立場の人たちみんなが関わって、自分たちの思いを伝えようということで「みんなのバスケ」ができました。バスケットと福祉を結びつけた生徒会手づくりのイベントです。それに関わるボランティア活動を年間を通して行っています。活動は可能な限り、すべて生徒たちで考え、高校生が行います。このイベントは、1部の選手によるトップクラスの試合を見るというよりも、障害者バスケ、ろうバスケ、養護学校などとの幅広い交流試合を行う「ふれあいの場」になっています。毎年、県内外から選手、観客が集まります。生徒たちは福祉に関する研修を行い、福祉活動の実践の場として共生について考え、活動することに力を入れています。日本人として初めて米プロバスケットボール協会(NBA)フェニックス・サンズで活躍している田臥勇太選手は能代工高出身です。

手作り土鈴 福祉に一役
● 岡崎市立常磐中学校生徒会(愛知県岡崎市)=ベルマーク運動参加校
 「鬼まつりを見にきたんじゃなく、土鈴を買いにきたのよ」――常磐中学校は、岡崎市ゆかりの徳川家康公の廟地である瀧山寺東照宮の本坊の跡地にあります。常磐の伝統文化を守り育てるため、昭和51年から美術の先生の指導で、郷土玩具の「土鈴」や「鬼面」づくりを始めたのがきっかけです。毎年、生徒会が作品を瀧山寺鬼祭りで販売しているのが年中行事となっています。鬼をイメージして自由に発想。土鈴づくりは5月から年明けまで続きます。土鈴の作り方、箱の詰め方、販売の方法まで、きちんと後輩に受け継がれてきています。この活動により、生徒の間にボランティア活動としての社会貢献意識が高まり、土鈴販売の日には生徒のほぼ全員が参加。益金は児童施設などに寄付しています。参詣者からも「これからも続けてほしい」、「毎年楽しみに集めています」と声をかけられ、励みになっています。いまでは地域を巻き込んだ幅広い活動になっています。

地元の間伐材を活用 環境保護に貢献
● いなべ市立大安中学校テクニカルボランティア部(三重県いなべ市)=ベルマーク運動参加校
 「荒れる森林など、地球環境を考え、モノを大切にする心を育てたい」――学校は四方が森に囲まれた緑豊かな環境にあります。森の多くは戦後植えられた杉や桧の人工林なので、手入れされずに放置された状態でした。この放置状態を何とかしようと始めたのが間伐材の活用です。間伐材でベンチなどの作品を作り、町内外の公共施設や公園に寄贈する事で、森や木の大切さを発信。身近にある森林や木を見直すことで、循環型社会の大切さを自分たちも実感しています。楽しんで作ったものが人に喜んでもらえるのは最高です。テクニカルボランティアとは、「テクニカル」→木工技術・道具や機会の使い方の習得し、間伐材製品作り・廃物工作・修理などを行う。「ボランティア」→作品を寄贈・木工教室開催・森林保全活動・植林・環境美化活動などや、作品の販売収益を寄付することです。

走るというボランティア活動で学校を
● 大阪府立長吉高校生らによるチャリティーマラソン(大阪府)
 「チャリティーリレーマラソン、走り続けて10年」――95年阪神大震災の時に始まり、今年で10年目を迎えるネパールの子どもたちへ教育資金を贈るチャリティーリレーマラソンです。長吉高校の学校行事としてやっているのではなく、有志のリレーマラソン実行委員会が行っています。学校の行事では強制力が働くため、教師も生徒も有志のものが行う方が、ボランティア活動としてふさわしいと考え実行した結果、息長く続けられ大きな成果をあげている。
 長吉高校は創立以来アジアとの交流を大切にして来た経緯もあり、自分たちで何かできないものかと話し合いネパールに学校を寄贈すること決め、「24時間リレーマラソン」などを実施してきました。これまでに小学校4校を建てることができました。

「地元の5人の庄屋が築いた床島堰の歴史を劇化」
● 福岡県北野町立金島小学校(福岡県)
 「史実を調べ、江戸時代の生活・習慣を自分たちで再現」 金島小学校では、江戸時代に5人の庄屋に寄って筑後川をせきとめ床島堰を築き、その用水で3000町歩の水田を開拓した歴史を劇化し、公演を立ち上げて8年になります。児童らは地域のお年寄りから伝承を聞き取り台本を書き、絵巻物など歴史資料をもとに舞台や衣装づくりの参考にしました。出演者は金島小の全校児童であるが、PTA、地域住民が校区をあげて関わり、これまでに町の文化祭や全国コスモスフェスティバル等に出演し、高い評価を得ている。毎年秋、町中央公民館で開かれる舞台は650人席が満席になり、「五庄屋物語」の公演は多くの人たちに親しまれ、今では北野町にとって貴重な無形文化財的存在となっています。
(2004/11/16)
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