熊本・三和中学校で教育応援隊の「科学実験ショー」/592人の全校生徒、楽しんだ


(2015/09/29)印刷する

 パーンッ! 大きな音と共に広口びんの口に張ったラップが弾け飛びました。思わず耳をふさぐ生徒たち。でも、目は破れたラップに釘付けです。直前まで、ポンプで瓶の中の空気が抜かれ、ラップはどんどん内側に引っ張られていました。それが限度を超えて破裂。破裂させたのは大気の圧力でした。

 熊本市立三和中学校(有江禎裕校長)で9月4日、ベルマーク財団の「教育応援隊」の一つ「科学実験ショー」が開かれました。友愛援助に寄付をした学校の中から希望を募って、科学の不思議を目の前で体験しようという催しです。ショーを招くためのベルマークを中心になって集めたのは、生徒会の厚生ECO委員会の生徒たちでした。今回の講師は福井県の中学校教諭・月僧秀弥先生。富山県の中学校教諭・新村宏樹先生のサポートを得て、2回に分けて計592人の全校生徒に、サイエンスの楽しさを伝えました。

息の合った掛け合いで実験を進める月僧秀弥先生(右)と新村宏樹先生

 気圧に続いては燃焼の実験です。水素だけを燃やしたり、水素と酸素を混ぜて燃やしたり。会場の先生や生徒も前に出て実験に参加します。濡らした手の平の上に水素と酸素でシャボン玉を作り、それに近づく火。ボッと炎が上がって爆発しますが、手の平はやけど一つない。一瞬静まり返った会場からは、ドッと拍手と歓声が上がりました。

 ビニールチューブの中にやはり水素と酸素を入れ、片方の端に火をつけると炎がチューブの中を走り、反対側にセットしたロケットの模型がビュンと飛んでいく。予想はしていてもその勢いに驚きます。そしてチューブの中には水ができていました。教科書で習った通りですが、やっぱりこうして見せられるとインパクトが違います。

 月僧先生と新村先生のまるでマンザイのような息の合った掛け合いに乗って、実験は続きます。最初は緊張気味だった生徒たちも、もうすっかりリラックス。いよいよ、この日のメーンイベント、光の実験です。月僧先生はこの日のために、約700枚の〝秘密兵器〟を自宅で手作りしてきました。トランプほどの大きさでその二つの角に小さな穴が開いていて、それぞれに分光板と偏光板が貼り付けてあります。

 まずは分光板で光を覗いてみる。虹の七色に分かれて見えます。ここまでは生徒たちも「想定内」。でも、白熱灯、蛍光灯、LEDと、ライトの種類によって分かれる光の色や数が違うことを知るにつれて、ざわめきが波のように広がっていきました。同じ絵柄を撮った赤と緑と青のスライドを重ねるとカラーの映像になる。カードに描かれた絵をじっと見つめて突然裏返すと、裏の白い紙の上に補色の残像が残る????。暗くした体育館の中で次々と光のマジックが繰り広げられていきます。そしてある加工をした液晶ディスプレーでの実験。何も映っていない画面を、カードの偏光板を通して見たら、おやおや、テレビでおなじみのキャラクターが現れました。外の光が入らないように締め切った会場の暑さもなんのその、生徒たちは目の前で起こった不思議に熱中していました。

分光板でスペクトルを確かめる

 でも月僧先生は、その秘密は明かしません。「科学の実験って、ちょっとわかってくるととても楽しくなる。なぜ、そうなるのか。これからの理科の授業などで学んでください」。生徒たちに贈られたこの言葉で、発見に満ちた科学実験ショーは幕を閉じました。

 「普段の理科の実験ではやらないことばかりで、とてもためになりました。特に光と偏光板の実験は面白かった」と3年生の水元天(そら)さん。月僧先生も「子どもたちが興味をもったことを言葉に出してくれたのでとても楽しく実験できた。見ただけで終わらずに、色んな切り口を見つけて、これからの学びに少しでも役立ててもらえれば」と手ごたえを話していました。

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