寄付をしてくださったある女性と娘さんのおはなし


(2019/07/09)印刷する

 数か月前、財団に100万円の現金を寄付してくれた方がいます。振込のしばらく後に、ベルマークが入った封筒も送られてきました。いずれも住所・氏名・電話番号は書かれていましたが、心当たりのある職員はいません。一体、誰なのでしょう。寄付を求めているところはたくさんあるのに、どうしてベルマーク財団を選んでくれたのか、どんな思い入れがベルマークにあるのか……。

 電話をかけてみました。応対に出てくれたのは、ハキハキとした関西弁を話す女性。「直接お会いしてお礼を伝えたいのですが…」と言うと、ご自宅にお招きいただけることになりました。

 住宅街の一角にある、普通の家です。玄関のチャイムを鳴らすと、ゆっくりとドアが開き、小柄な女性が出迎えてくれました。お年をうかがうと、84歳とのこと。人生の大先輩を前に、とても緊張しましたが、「遠くからよういらっしゃいました」とコーヒーを入れてくださいました。それで少し気持ちが落ち着きました。

 「娘も主人も亡くなってね」。女性は語り始めました。

 現在、女性は一人暮らし。ご主人が亡くなったあと、娘さんと二人で暮らしていました。でも以前から心臓が悪かった娘さんは1年ほど前に50歳で亡くなったそうです。

 小学生の頃の娘さんは熱心にベルマークを集めていて、お母さんにも「ほかさんといて。貯めといてよ」とお願いするほどでした。それから時が過ぎ、今の家に引っ越してきた5、6年前のこと。荷物整理をしていたら缶に入ったベルマークが見つかりました。なんと娘さんは、大人になっても細々と収集を続けていたのです。

 「まだ貯めてたの!」「貯めてたよ~」。母娘でそんな会話を交わしました。今回送られてきたベルマークは、そのときのものでした。「大きくなってからも集めていたほどベルマークが好きだったのね」

 さらに続けて、「あの子は尾木先生の大ファンだったんです」とも。尾木先生とは言うまでもなく、ベルマーク財団の理事も務めている、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんのことです。

 「尾木先生みたいな、教育熱心で授業の上手な先生に勉強を習ってみたかったなぁ」「会ってみたかったなぁ」。娘さんは、よくそんなことを言っていたそうです。理事への就任を新聞で知った際には「あの先生やったら、ええわぁ」と話したといいます。

 「とても優しい子だった」と女性は振り返ります。親思いで、「将来、面倒をみなきゃいけないから」と縁談を断り、「お金が残ったら寄付したいね」とよく話していたそうです。

 大切な財産を他人(ひと)のために寄付したいと考えていた娘さんの志を、女性は大切にして、行動に移しました。

 「私も、もういつ死ぬかわからないから。娘も喜んでいると思います」

 どうもありがとうございました。寄付金は、未来ある子どもたちのために使わせていただきます。

 栄養士の免許を持っていて、バランスの良い献立を考えるのが得意だった娘さんは、おいしいお料理をよく作ってくれたそうです。ダイニングのテーブルには、娘さんが使っていたと思われるレシピ本が積み重なっていました。お話を聞いているうちに、なんだか、すぐそばに娘さんがいるような感覚になりました。

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