Dr.ナダレンジャーの防災実験教室


(2016/12/19)印刷する

長野・鬼無里小中学校で開催

 ベルマーク財団のへき地校支援のひとつ「理科実験教室」が10月17日、長野市立鬼無里小学校(小林光義校長、24人)であり、隣接する鬼無里中学校の生徒も合わせて51人が参加しました。鬼無里は長野市の中心部から西へ約20㌔離れた山間部にあり、2014年11月に県北部を中心に起きた神城断層地震(マグニチュード6.7)の被災地でもあります。子どもたちにとっても地震の記憶は鮮明で、自然災害の仕組みを知り、これからの生活に生かしたいと、今回の教室が実現しました。

雪崩実験装置「ナダレンジャー0号」

 講師は「Dr.ナダレンジャー」こと納口恭明(のうぐち・やすあき)さんと、助手の「ナダレンコ」罇優子(もたい・ゆうこ)さん。お二人は国立研究開発法人「防災科学技術研究所」の研究員で、身近な実験装置で自然災害を再現し、年間200ヶ所以上の学校や施設で防災の大切さを訴えています。

自分専用のエッキー作り

 金色のかつらに紙で作ったヒゲ、地下足袋姿のいでたちで「あやしい者ではありません。雪崩の専門家ナダレンジャーです!」と体育館に登場すると、一斉に笑い声が響きました。

 まずは空気砲や皿回しで、突風や台風の仕組みを説明します。ピンポン玉を雪に見立てた雪崩実験では、実際に起きた山の落石事例も紹介して、笑いを交えながらの話に子どもたちはどんどん引き込まれていきます。

 この日は3つの実験をしました。1つめは、液状化現象をペットボトルで再現した「エッキー」。砂と水と丸ピンをペットボトルに入れて分離させ、ペットボトルの横を軽くはじくと砂に沈んだ丸ピンがポンッと勢いよく浮き上がってきます。さらに、旗付きの棒をエッキーに差し込み、再度指ではじくと、今度は棒が勢いよく沈みました。東日本大震災でマンホールのふたが地上に飛び出たり、電柱柱が地中に沈んだを写真で見せながら、液状化を説明しました。

一人ひとりとの会話を大切にする納口先生
勢いよく丸ピンが浮き上がり、実験大成功

 2つめは、長さが違う3つの細長いスポンジをビル群に見立てた「ゆらゆら」で、長期振動を比較、観察しました。「地震が起きたら、どれが一番揺れるでしょう?」の問いかけに、ほとんどの生徒が「一番長いスポンジ」に手を上げました。「地震の波の違いによって揺れ方が変わるんだよ」と素早く揺らすと一番短いスポンジが揺れ、次にゆっくり揺らすと長いビルだけが揺れたのを見て、子どもたちは驚いていました。

 最後に、発泡ポリスチレン製の大きなブロックを車輪つきの板に高く積み上げ、実際の揺れを観察します。軽くてあたっても痛くないため、納口先生が「下敷きになりたい人―!」と声をかけると、沢山の児童がブロックの両側に集まりました。「どっち側に倒れるかな」と落ちてくる瞬間をワクワクしながら待っています。ブロックが落ちてくると「キャー」と歓声がわきました。

 実験が終わり、子どもたちから「ヒゲとってください」「どんな顔なんですか?」と次々に声があがりました。 素顔の納口さんと罇さんは「小さくしたらおもちゃ、大きくなると災害になります。正しい知識をもって、いざという時に自分の命を守れるようになって下さい」と実験を振り返り、メッセージを送りました。

どちらに倒れるかな

 児童会長の寺島楓杜(ふうと)君(6年)は「色々な実験ができてとても楽しかったけれど、大きなスケールで本当に起きたら危ないし、怖いと思いました。鬼無里にも2年前の地震で液状化現象が起きたと知り驚きました」と感想を伝えました。

 小林校長は「突風や雪崩など言葉では聞いた事がありましたが、分かりやすく楽しく教えていただき貴重な時間になりました」と話しました。

                  ◇

 納口先生の授業は試行錯誤の末、現在のスタイルに落ち着きました。「楽しく学び、防災を身近に感じて欲しいので、子どもたちにツッコんでもらえるような雰囲気にしています。同時に、実際の災害は怖いものだと分かってもらうため、最後にかつらやヒゲをとって話をしています」と話しました。

 

わ~!!落ちてくる~!!

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