「見えないものが見えた!」滋賀県・多羅尾小学校で理科実験教室


(2015/12/11)印刷する

 滋賀県甲賀市の市立多羅尾小学校(立岡秀寿校長、児童7人)で12月9日、ベルマーク財団のへき地理科実験教室「サイエンスショー」がありました。福井県の中学教諭、月僧(げっそう)秀弥先生が音や空気、温度など見えないものを、身の回りのものを使って見える実験を披露。児童、先生も実際に体験し大喜びでした。

「わー」と筒に向かって叫ぶと、空気が波打つのが見えました

 月僧先生がストローを取り出し、唇にあてて吹くと「ピー」と音が出ました。「みんなもやってごらん」と児童にストローを渡し、吹いてもらいました。「音が出たとき、ストローはどうなってる?」と聞くと、児童たちは「震えている」と一斉に応えました。「そう。音が出るというのは、何かが震えていることだよ」。続いて、ホースを回して「ひゅーん」という音を出したり、指先に松脂をつけてアルミの棒をこすり「キーン」という音を出したり。「これもホースやアルミ棒が震えてるから」と話しました。

試験管の水が一瞬で凍る様子に児童は興味津々

 月僧先生は、一見すると長さがバラバラの鉄の棒を取り出しました。「一本ずつコンクリートに落とすと、何が聞こえるかな」と話し、落とし始めると、なんとクリスマスソング「きよしこの夜」の曲が「演奏」されました。これには児童、先生ともびっくり。「この実験は年に一回、12月しかしないよ」とニッコリ。続いて、細かい発泡スチロールを入れた長い透明のプラスチックの筒を取り出しました。筒の端から月僧先生が大きな声で「あー」と叫ぶと、発泡スチロールが波のように動きます。「音が聞こえるのは、空気が震えているから。空気の動きが見えたでしょう」

 「では今度は、ふだん見えない水が凍る瞬間を見よう」と児童たちに水を入れた試験管を渡しました。氷を入れた塩水に試験管をつけておくと、温度計はマイナス4度まで下がりましたが、水は凍りません。月僧先生は「水は零度では凍りません。凍るためにはちょっとしたエネルギーが必要です」と、小さな氷のかけらを試験管に落としました。すると、水は瞬く間に凍りました。さらに水の代わりに炭酸飲料でやってみると、結晶ができて、ゆっくりと凍りました。児童たちは「わー!結晶がきれい」と大喜びです。

先生たちも音の実験に夢中

 理科実験教室には、協賛会社のジブラルタ生命保険(ベルマーク番号15)の社員も東京から見学にきました。同社は、ベルマーク財団のへき地教育支援に援助金を提供してくれています。「こんなに楽しい授業なんですね」と驚いていました。

 最後に立岡校長は「時間がたつのが早かったです。目に見えないものを体感できました。月僧先生には私たち教師もいろいろなことを学ばせてもらいました」と話しました。

 多羅尾小学校は、三重県、京都府との府県境の山間部にあります。タヌキの焼き物で有名な旧信楽(しがらき)町にあり、近くには窯元がたくさんあります。同校は、甲賀市の「特認校制度」の適用を受け、市内のどこからでも通学でき、少人数の教育を求めて通っている児童もいます。児童全員が先生の指導でオペレッタを練習し、年に一度、市民に披露する活動を28年間続けており、ファンも多いそうです。

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