愛媛・高市小学校で一輪車講習会、「前進できた!」


(2015/11/13)印刷する

 「ちょっとでも一輪車が上手になったかなと思う人は?」と講師が尋ねたら、全員が元気な声で「はーい!」と手を挙げました。愛媛県砥部(とべ)町の高市小学校(妻鳥=めんとり=昇司校長、児童15人)で10月21日に開かれたベルマーク財団の一輪車講習会は、あっという間の2時間でした。

 指導してくれたのは小山美由紀さんと鈴木奈菜さんです。2人とも数々の国際大会や国内大会で優勝や入賞経験を重ねています。講習会には近くの広田小学校(藤井克也校長)の児童9人と、両校の先生たちも参加しました。

さあ講習会です。元気にあいさつしました
講師の模範演技です

 高市小の児童たちはほとんどが初心者です。広田小の児童たちは全員がある程度は乗りこなせるということでした。

 講習会は午前中の2、3時間目を使い、体育館で開きました。小山さんと鈴木さんから一輪車に乗れるようになるための基本の説明と実演がありました。乗る、走る、回る、止まる。そんな大切な動作です。

 小山さんの解説で、鈴木さんがいくつもの技を見せました。タイヤを前後に半回転ずつさせながら上体はその場にとどまる「アイドリング」は、時計の振り子のようにタイヤが行ったり来たりします。タイヤを両足で回して進む「タイヤ乗り」には「おおっ!」。歓声があがりました。

 「跳び乗り乗車」という技があります。できるようになるポイントは? 小山さんが尋ねました。答えは「勇気があれば」。笑わせてくれます。

一輪車の前後を確かめます

 横倒しにした一輪車のペダルを踏み、起き上がってくる一輪車に手を触れずに乗る「蹴り上げ乗車」。みんな、ぼうぜんとしています。

 小山さんと鈴木さんの3分間の模範演技です。基本技をたっぷり織り込みながら、フィギュアスケートのように華麗なスピンやターンを次々と繰り出しました。一輪車の魅力がよくわかりました。

 「自分の体に合った一輪車で練習するのがいちばん大切です」。2人からアドバイスがありました。▽一輪車の前後左右を間違えないで乗る▽サドルは「へそ」の高さに調節。身長が1センチ伸びたらサドルも1センチ上げる▽タイヤの空気圧もチェック▽ペダルはつま先を載せてこぎ、降りるときは必ず片足ずつ。

講師の小山さん(左)と鈴木さん
降り方も練習しました

 児童たちはそれぞれの一輪車を点検しました。小山さんと鈴木さん、先生たちも点検を手伝ってくれました。

 実技の指導です。ある程度乗れる10人のグループを小山さんが担当し、基本動作の習得や新しい技に挑みました。講習会が終わるころにはすっかりアイドリングがこなせるようになった子もいました。

 まだ乗れない14人のグループには鈴木さんが教えました。体育館のステージの縁につかまり、乗り方と降り方を何度も練習しました。30分もたつとスムーズに前進できるようになる子が何人もいました。

ステージの縁につかまってそろりそろり
この真剣な表情
アイドリングなんて簡単!

 講習会を終えて、妻鳥校長は「講師のお二人には輝いた演技を見せてもらいました。きょう教えてもらったことを心に刻んでがんばっていきましょう」とあいさつしました。児童を代表して6年の立田玖珠(たてだ・くす)さんが「きょうはありがとうございました。私はステージを伝って前に進めるようになり、よかったです。これからもがんばっていきたいです」と感謝の言葉を述べました。

 小山さんと鈴木さんからは「ひとの話をよく聞ける学校でした。こつこつ練習すれば必ず上達できるから、姿勢をよくして、前を向いて乗っていきましょう」と励ましの言葉をもらいました。

               ◇

 高市小には「山村留学制度」があります。親元を1年間離れて学校隣にある山村留学センターで集団生活し、勉強だけでなく自然体験や勤労体験をします。地域行事にも参加して、地元の人たちと交流します。1992(平成4)年に制度ができて以来、全国から延べ400人の子どもたちを受け入れてきました。

 いまは、在籍する15人のうち12人が県内外からの「留学生」です。妻鳥校長は「都市部に帰ればなかなか一輪車に乗る機会はないでしょう。心の中の思い出のひとつとして残るのではないでしょうか」と話しました。

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