和歌山県有田川町の八幡小学校と西ケ峯小学校で「クモ観察会」/嫌われ者だけど、実はいいやつなんだ


(2015/10/27)印刷する

 身近にいる嫌われ者のクモ。でもよく観察すると、不思議で面白くて実はいいやつなんだ。

 ベルマーク財団の理科実験教室「クモ観察会」が10月20日と21日、和歌山県有田川町の二つの小学校で開かれました。両校の児童らは講師の日本蜘蛛(くも)学会会員せきねみきお先生のユーモラスな授業に目をキラキラさせていました。

 八幡小学校(吉田泰典校長)は、紀伊半島の山あいにある児童数38人の学校です。20日の観察会には3、4年生の16人が参加しました。せきね先生が「クモは8。身体の形は数字の8で、足8本、目が8個、そして天敵は蜂だよ」と説明。クモは7種類の糸をお腹から出して、足場を作り縦糸、横糸などを張っていくと話すと児童らは「へえー」と興味深そうでした。

各自で作ったクモの標本を手にする八幡小学校の3、4年生たち。後列左端がせきねみきお先生

 続いてクモの巣の標本作り。巣に白いスプレーと糊を吹き付け、画用紙に丁寧に取り、最後にラッカーで固めると出来上がりです。せきね先生が作り方を教えると、児童らは学校そばのやぶに入り、お気に入りの巣を見つけ標本を作っていました。「家に持って帰って飾っておく」と大喜びでした。

最初は気味悪がっていた先生もクモに興味津々

 21日の西ケ峯小学校(堀田正校長)では全校児童10人が参加。校舎は標高235メートルのみかん山のてっぺんにあります。

 クモの説明や標本作りのあと、児童のおばあちゃんが耕す近くの畑でクモの観察をしました。児童が採ってきたクモをせきね先生がルーペで見て名前や習性を教えました。「これはシロカネイソウロウグモ。自分で巣を作らずに、ほかのクモの巣に住み込んで餌を横取りするんだよ」と話すと、児童は「ずるい」。褐色のカグヤヒメグモを採った児童はルーペで熱心に観察し、「きれいやなあ」と見入っていました。

クモの観察会に参加した西ケ峯小学校の全児童

 終わりに全児童が感想を話しました。女子児童は「おばあちゃんの畑にあんなにたくさんのクモがいるなんてびっくりしました」。男子児童は「クモは嫌いだったけど、授業で興味がわきました。先生、今度いつ来てくれるんですか」と話し、先生らを困らせる場面もありました。

児童が採ったクモをルーペで調べるせきね先生

 せきね先生のクモや虫などの自然についてのエッセイはHP「生きものエッセイ:虫めずる」(http://www.natureoz.net/MMZ.htm)で見られます。先生が研究している日本各地のクモ合戦についての体験記などもあり、楽しめる内容です。

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