離島校など大分県の3小学校で一輪車講習会


(2015/09/16)印刷する

少人数でも楽しめる

 大分県内の離島校を含む三つの小学校で9月2日から4日にかけ、ベルマーク財団の一輪車講習会がありました。野球やサッカーなどの団体競技をする機会の少ない小規模校にとって、一輪車は、ふだんは体力の向上に役立ち、運動会などでは演技が華を添えます。新学期スタートにあわせ、それぞれ新たなチャレンジが始まりました。

バランスをとってー

 杵築市の大田小学校(42人)では、平田初美校長が「きょうの先生は、世界大会や日本の大きな大会で活躍された小山美由紀さんと鈴木奈菜さんです。お父さんやお母さん、地域のみなさんが応援に来る19日の運動会で演技が披露できるようになりましょう」と声をかけました。

 2年生以上の児童はほぼ乗ることができ、その半数は前進と後進を交互に繰り返しながらその場にとどまるアイドリングもこなせるほど、一輪車が盛んです。

サドルやペダル正しい取り付け方の説明がありました

 2人の講師は「一輪車は走りながら手をV字に広げるだけで、技に見えます。きれいな走り方をおぼえましょう」とあいさつ。まずは、サドルとペダルの正しい取り付け方、タイヤの空気がちゃんと入っているかなど車体の安全点検。「1週間くらいで空気は減ります。タイヤを指で押してへこむようだったら、空気を入れてください。みんなは成長が早いので、ひと月に1度はサドルの高さを確認するように気をつけてください」と話しました。その後、背筋を伸ばす乗車姿勢、足の指の付け根付近でペダルを踏む正しいこぎ方、乗車・降車の方法などを次々に紹介しました。

 乗れる児童たちは講師といっしょに体育館を周回してから、運動会で披露する大技の練習に取り組みました。5、6年生は手をつないだまま横一列でスタートし、右端の2人がアーチを作ると、左端から順にアーチをくぐり抜けます。その間も手はつないだままの大技です。うまくできるまで何度も繰り返しました。1年生中心のグループは体育館のステージの縁につかまりながら、乗車と前進の練習をしました。  

 「練習して、びっくりするくらいみんな上手になりました。笑顔で演技をすると、応援してくれる人たちにも楽しい気分が伝わります。運動会ではぜひ笑顔で演技してください」と講師からエールが送られました。児童会長の河野朱里(あかり)さんが「運動会では、力を合わせてグループ演技を成功させたいと思います」とお礼の言葉を述べました。運動会は19日に開かれる予定です。

上手くくぐり抜けた

  

 津久見港から渡船で25分。豊後水道に浮かぶ津久見市の保戸島は、周囲4キロ、約900人が暮らすマグロ遠洋漁業基地の島です。海岸に迫る急な斜面にはコンクリート製の3階建ての住宅が建ち並び、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」にも選ばれています。

講師の話を聞く保戸島小の児童たち

 保戸島小学校は、そうした島の南西側の平地に中学校と隣接してあります。児童数4人。「荷物が大変でしょう」。諌山義弘校長がリヤカーを引いて、港まで迎えにきてくれました。

 「きょうは先生たちに教えてもらい、いままでよりも上手になりましょう」と5年生の大川楓子さんが元気な声で開会宣言をしました。講師の小山美由紀さん鈴木奈菜さんによる模範演技の後、乗る前の準備運動を兼ねて、全員でその場で10回ジャンプをしました。「よーいドンで走る時もそうですが、足を使ったスポーツは足の指の付け根部分が大切。一輪車をこぐときもこの部分を使います」。講師から踏み切りと着地の際に足のどの部分を使っているかを確かめるようアドバイスがありました。車体の点検では、ペダルからカタカタと異音がしないか確認し、ペダルの足のかけ方や安全な乗り降りを繰り返し練習しました。

(左上から)あっ、上手にできそう/先生みたいに乗れたらいいな/乗る時のペダルの位置は…/講師が模範演技を披露

 1年の神崎智也君は、ふだんは先生と手をつないで練習しています。少人数なので、講習はほぼマンツーマン。体育館のステージから手を離せるようになり、ゆらゆらと揺れていた上体も、揺れなくなりました。2年の松崎達也君は、カーブがちょっと苦手です。床に置いた二つのコーンの間を8の字で走るスラロームの練習をしました。カーブの際に手が宙を泳ぎます。コースを外れると、とても悔しそうです。あきらめずに何度もチャレンジしていました。5年の大川さんと6年の有馬毅君は、講師と3人で手をつなぎ、グループ演技の基本になる前進・後進の練習を繰り返しました。

 「前よりうまくなった」「横乗りもできるようになった」と児童たちから喜ぶ声が上がりました。講師は「私たちもいっぱい失敗をしたし、泣くこともありました。悔しさをバネにして繰り返し練習しましょう」と励ましました。先生たちも指導の様子をビデオに収めながら、少しでもうまくサポートできるように真剣でした。


  

どんなこと教えてくれるかな…

 津久見市の堅徳小学校(平川英治校長、78人)では、昇降口に一輪車50台が並んでいます。統廃合で要らなくなった一輪車を取り寄せ、パンク修理などをして台数を増やしてきました。乗ることができる50人ほどが休み時間や放課後を利用して楽しんでいます。一方で、まだ乗れない児童もいます。「乗り方のコツをつかみ、みんなの体力づくりに役立てたい」というのが先生たちの願いです。

横乗りにチャレンジ

 体育館で講師の小山美由紀さんと鈴木奈菜さんがペダルではなく、足で直接タイヤを回すなど色々な乗り方を見せると、児童たちから一斉に驚きの声があがりました。曲に合わせた2人の華麗な模範演技にも大きな拍手が起きました。

 練習では、フレームの低い女性用自転車に乗る時のように足を前に回しながら乗車する「横乗り」、跳び箱を跳ぶ時のようにサドルにまたがる「飛び乗り」にもチャレンジしました。時計の振り子のようにその場で前後するアイドリングは「前進と後進の切り替えの時のペダルは床と平行に」「サドルにはしっかり座るように」。アドバイスが飛びます。

 講習終了後には児童たちから「一輪車に乗れるようになってよかった」「横乗りを完璧にしたい」「グループで手をつなぎ、バックが乗れるようになりたい」「昼休みにも練習します」と、元気な感想が聞かれました。

 「1日5分間の練習を続けて1週間で乗れるようになった子もいます。続けていれば、必ず乗れるようになります。頑張って」と講師が締めくくりました。

 堅徳小学校では、各クラスを複数の目で見守るため、担任が受け持ちクラスを学期に1、2度交代する「ローテーション授業」に取り組んでいます。また、希望する3年生から6年生を対象に、第3土曜日の午前中に「土曜寺子屋つくみ塾」を開いています。これは、地域の年配者や主婦、海外生活経験者らが講師になり、国語、算数や習字、英語、読み聞かせのユニークな授業をするものです。児童交流を通じて、離島校の保戸島小学校の児童たちとも仲良しです。

(左から)車体についての説明がありました/講師と手をつなぎ前進とバックの練習

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