へき地校援助「理科実験教室」、今年度最初の開催/伊豆諸島の大島町で


(2015/07/14)印刷する

 伊豆諸島最大の島、東京都大島町で6月28日、今年度最初の理科実験教室が開かれました。ベルマーク財団が行っているへき地校援助の一つで、大島町では初めての開催です。講師はNPO法人「サイエンスものづくり塾エジソンの会」(華井=はない=章裕代表)の7人。二つの小学校を会場に午前と午後の2回、合わせて約120人の児童と保護者が、液体窒素を使ったサイエンスショーやものづくりなど理科の不思議な世界に2時間たっぷりひたりました。

風船割りに挑戦(つばき小学校)

 「エジソンの会」は結成12年、メンバーは岐阜市の小学校PTAの役員経験者が中心です。「理科は楽しくなくっちゃ」がモットーの大学非常勤講師・華井さん、元市職員、元棟梁、元消防署員らが県内外で年に80回以上も出前授業をしています。

凍ったバナナで釘を打てるかな(つばき小学校)

 この日はまず午前に、島西部の元町港に近いつばき小学校(立木功校長)に児童と保護者合わせて80人ほどが、午後は島北部の岡田港に近いさくら小学校(宇山幸宏校長)に30人ほどが集まりました。

 第1部「サイエンスショー」の始まりです。華井さんが子どもたちの方へ風船を飛ばします。すると風船は空中でバーンと音を立てて破裂してしまい、子どもたちはびっくり。華井さんが「なぜ?」と聞くと、「指で弾いているから?」「針を隠しもっているから?」と華井さんの手を不思議そうに見つめ、首をひねります。答えは、風船をとかす成分を含む柑橘類の皮の油、その濃縮液をスプレーしていたからでした。

 「やってみたい人は?」の声に「ハイハイ!」「はい!」と元気に手を上げた子どもたちが前へ出て挑戦しました。その後も次々と繰り出される手品のような実験に、すっかり夢中になっていました。

 離れて見ていた子どもたちが、気付けば足元まで寄ってきていて、華井さんが苦笑いする場面もありました。なかでも液体窒素を使った実験は大人気でした。-196℃の液体窒素でパリパリに凍った花や葉っぱは、手でもむと簡単にくだけます。凍ったバナナで釘も打ちました。風船を浸けるとしぼみ、外に出すとゆっくりと膨らみました。子どもも大人も興奮していました。

パリパリに凍った花にびっくり(さくら小学校)

 第2部の「ものづくり」では、くるくるレインボー、紙飛行機リング、ビー玉オルゴールなど五つのブースが設けられました。子どもたちはそれを順番に回り、もの作りに挑戦です。

 出来上がった作品を見せ合い、みんなで紙飛行機の飛ばし比べをしました。ビー玉オルゴールは、杉やヒノキの板を釘で打ち付けた桶のような器にビー玉を入れて回すと、コロコロと優しげで涼やかな音色のする手作りの楽器です。初めてトンカチを手にした子どもたちは、メンバーらに教えてもらいながら、曲がらないように慎重に釘を打っていました。「ふだん出来ない実験ができて面白かった」「理科が好きになった」「またやりたい」。子どもたちは作品を大事に持ち帰りました。

 さくら小学校の宇山校長は「島ではなかなかこういう貴重な体験は出来ないので、大変ありがたい。生き生きとした子どもたちの表情が何より嬉しいです」と話していました。

(左上から)液体窒素に風船を恐る恐る……(さくら小学校)/イスに上がって釘を打ちました(さくら小学校)/風船割りに挑戦(さくら小学校)

《東京都大島》

 伊豆半島の南東方25キロに位置する東京都の一部。品川ナンバー。人口約8200人、4800世帯。3小学校、3中学校、2高校があります。1986年の三原山の噴火では全島民が避難しました。2013年10月の台風26号による土砂災害では死者36人、行方不明者も。現在も一部道路が不通です。14年7月から都は宿泊費の一部を割引する観光復興支援を始めました。

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