佐賀市立小中一貫校三瀬校で元五輪選手らが「走り方教室」


(2014/11/14)印刷する

生徒に重心移動を体験させる遠藤講師(左)と齊藤講師(右)

 元オリンピック選手らの指導で、軽快なランニング方法を学ぶベルマークのソフト支援事業「走り方教室」が11月12日、佐賀市立小中一貫校三瀬校で開かれました。スライドや動画を使った説明のあと、実技指導を受けた児童・生徒たちは「スムーズに走れるようになった」と喜んでいました。佐賀県内では初めての開催でした。

 同校は昨年4月、隣接の小、中学校が一貫校制になり新たなスタートを切りました。走り方教室は中学部(阿津坂剛校長、44人)からの申し込みでしたが、小学部(儀間恒二校長)とすぐに連携して、中学部の生徒に5、6年生の32人が加わりました。

 指導したのは、陸上競技1万メートルの元オリンピック選手で、ベルマーク協賛会社のエスビー食品に勤める遠藤司さんと、サッカーのワールドカップのトップレフェリーたちにもランニング方法を教えるNPO法人ニッポンランナーズのゼネラルマネジャー、齊藤太郎さんの2人。

体の動きをスムーズに

 最初に遠藤さんが、小学6年生の卒業論文で、五輪に出場しメダルを獲ると書いていたことにふれて「メダルは獲れなかったけれど、舞台には立つことができた。家族や先生に頑張れとか、しっかりしろとか言われるのではなく、夢に向かって自分で頑張る人になることが大切」と励ましました。

 小雨模様のため、実技も体育館で実施しました。館内をゆっくりと1周したあと、笛の合図にあわせて足踏みの回数を増やしたり、両手を交互に大きく前回ししながらスキップしたり、体側を伸ばすストレッチなどで十分に体をほぐしました。

床の反発を感じながら着地

 そのあとスクリーンの前に集まり、齊藤さんから「骨盤」と「肩甲骨」「姿勢」の走るのに大切な3要素の頭文字をとった「こけし走法」について話を聞きました。サッカーのトップレフェリーにも見せている赤ちゃんがハイハイをする映像を紹介しながら「非力な赤ちゃんでも骨盤や肩甲骨など体幹を使って上手にハイハイします。決して筋肉の力だけで、走りが速くなるわけではありません」と、体の使い方の大切さを伝えました。また、人体の骨格標本を使いながら、腰と肩甲骨の部位、効率的な動かし方、正しい姿勢を教えてくれました。

 再び実技に戻って、肩甲骨を使って腕を振ると連動して骨盤が前後に大きく揺れることを体感。左手を頭上に伸ばし右ひざを90度に持ち上げた状態で、背筋を伸ばしたポーズでは、横から見ると頭と腰、左ひざが一直線になりました。「筋肉ではなくて骨格で支えます。これなら疲れずにこの姿勢が続けられます」と話し、正しい姿勢を確認しました。

正しい姿勢で走ると新聞が落ちなかった

 また、3人一組に分かれて両脇の人に受けとめてもらいながら体を伸ばした状態で前後に倒れ込む重心移動体験やテニスボールを使った片足立ちでのキャッチボールで体の動きをチェックしました。

①骨盤を前傾させると自然に踏み出せる

②空き缶をつぶす感覚で体の真下に着地すると地面からバネのような反発作用がある

③肩甲骨を使って腕を振る

 疲れずに早く走れる「こけし走法」を十分に体験したあと、最後に広げた新聞紙1枚を胸の前に置いて走ってみると、全員が新聞紙を落とさずに走り抜けることができました。

 12月6日には、地域の観光名所・北山貯水池や山間部の道を駆ける地区内1周駅伝(16区間20キロ)が予定されています。中学部は全員で3チーム作り、保護者や佐賀大学、福岡市内の企業などのチームとレースをする予定です。

三瀬校の児童・生徒たち

 走り方教室の終わりに生徒を代表して、剣道部主将で中学部3年の藤田大征君が「夢に向かって頑張ろうと気持ちを持つことが大切なことだと思いました。走り方は、軽い力でもより速く走れることがわかりました。ありがとうございました。駅伝大会も頑張ります」とお礼の言葉を述べました。

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