アート教室でエアドーム


(2014/10/31)印刷する

地元の天然記念物「獅子岩」を再現    三重県熊野市立神上小中学校

 和歌山県と奈良県との境にある三重県熊野市の市立神上(こうのうえ)小中学校(山本浩嗣校長、20人)で10月29日、アート教室が開かれました。訪れたのは、ユニークなアート活動を展開している美術家たち。学校の授業では見られない独創的なアートを楽しく体験し、地元の天然記念物に指定されている「獅子岩」をビニール袋で見事に再現しました。

カラフルなビニール袋をつなぎ合わせる児童生徒たち

 訪れたのは、多摩美術大学を卒業後、大学校友会活動の一つとして「出前アート大学」を手がけている塩川岳(たけし)さんと、アシスタントの福島浩二さん。全国各地の学校や自治体に出向き、学校や街とアートをつなぐ独創的なワークショップを展開しています。ベルマーク教育助成財団がへき地学校支援のため主催する「出前教室」として実施されました。

 体育館で、全児童・生徒20人が2班に分かれて参加。赤や青、緑、黒、白などカラフルな色のビニール袋でエアドームをつくる設計図を基に作業が始まりました。

 まず、縦80センチ、横130センチのビニール袋2枚を梱包用のテープでつなぐ。中学生が小学生とペアをつくり、根気よくその数を増やしていく。接合の難しい作業は、先生10人も助っ人参加しました。

エアドームのシートに絵を描く

 2時間目から5時間目の授業までこの作業を続け、64枚のビニール袋で、横10メートル40センチ、縦6メートル40センチの下地を2枚作り、重ね合わせました。

 設計図を見ながら、地元の象徴である獅子岩の形にロープを下地に貼り付け、ロープに沿って下地を切り抜き、2枚の下地と底地のビニールシートをテープで貼り付けて完成。児童生徒たちが思い思いの絵をシートに描きました。

 獅子岩は、美しい砂浜で知られる七里御浜沿いにある獅子の形をした岩山で、熊野市の名勝の一つ。

 送風機でビニールシートに空気が送られると、勇壮な獅子岩の形をしたエアドームが浮き上がり、児童生徒たちは歓声をあげて大喜び。ドームの中に入り、未体験の「アートゾーン」を楽しみました。

 教室終了後、児童生徒会長で中学2年の山路晏奈さんが「カラフルな獅子岩を作れて楽しかったです。みんなで協力して素晴らしい作品ができました。ありがとうございました」とお礼の言葉を述べました。

 神上小学校は1873(明治6)年に開校した歴史のある学校。神上中学校も1947(昭和22)年に開校。過疎化や少子化とともに、2003(平成15)年に神上中学校が神上小学校に校舎統合されました。

完成した獅子岩のエアドームの中で歓声

 山本校長は「何ができるのか分からない状態で始まり、子どもたちはわくわくしながら共同作業を進めました。獅子岩に出来上がった時の達成感や満足感は、何とも言えないもの。学年を超えてつながりも一層強くなりました。子どもたちにとって、授業では得られない有意義な教室になりました」と話していました。

 塩川さんは「学校の中ではやれないことを共同作業で楽しくやれました。子どもたちの目も輝いていました。これからも、子どもたちのアートに対する関心を高める活動を続けていきたい」と話していました。

エアドームの前で記念撮影=熊野市立神上小学校で

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