栃木県日光市で今年度初のアート教室開催


(2014/10/21)印刷する

ふしぎな木にため息    栃木県日光市立栗山小学校

 多目的ルームに「ふしぎな木」が出現すると、それを見上げる子どもたちの目はみるみる輝き、「うわー」というため息のような歓声がおこりました。

麻の繊維で竹をサンドイッチ

 ここは、栃木県日光市の市立栗山小学校(久保田勝憲校長、13人)です。朝晩はだいぶ肌寒さを感じるようになった10月15日、ベルマークでへき地の子どもたちにドキドキワクワクを届ける「アート教室」が開催されました。

 この日子どもたちにアートのおもしろさを教えたのは、美術家の半谷学(はんがいまなぶ)さんです。半谷さんは武蔵野美術大学大学院出身で、再生をテーマに活動をし、数多くのワークショップを手がけています。

 1時限目、子どもたちがからたきルームに入ってきました。黒板に「竹の枝、天然ゴムの樹液、麻のロープをほぐした繊維、海藻から作った紙料(しりょう)」と、中には聞いたこともないことばがありました。これは「ふしぎな木」を作るための材料です。

 半谷さんは、一つ一つていねいに材料の説明をした後、作り方の手本を見せました。竹の枝を自分の前に置き、この枝にはどんな形の葉っぱが付いているのかなぁと頭の中で想像してみます。麻のロープをほぐした繊維を天然ゴムの樹液に浸し、それをぎゅっと絞ったら、先ほど想像した葉っぱの形になるように、竹の枝をサンドイッチしていきます。天然ゴムの樹液はのりのような役割で、乾くと竹の枝に密着します。

思い思いに飾り付けをしました

 この後は、この葉っぱに飾りつけをしていきます。子どもたちは家から、シールやビーズを持ってきました。それらと合わせて、学校の周りに落ちている天然の素材を探そうと、みんなで探索に出かけました。学校の目の前にある山や神社、そして黒部ダムの近くまで、木の実や落ち葉を拾いました。

 学校に戻ってくると、竹の枝に貼りつけた麻は乾いていました。さっそく、みんなで集めた物と家から持ってきた物、それから先生たちが用意したたくさんの木の実やカラフルな品々を貼りつけていきました。

さっき拾った松ぼっくりだよ

 仕上げは、固まると紙のようになる海藻紙料を使いました。誰かが「水に溶けたティッシュみたい」と言ったとおり、見た目は白く、繊維が残り、少しドロッとしたものです。半谷さんが子どもたちに触らせると、初めての感覚に「気持ち悪い」という声があちこちから聞こえてきました。しかしすぐに慣れ、ピンクやグリーンの水性絵具を混ぜてきれいな色になった紙料を、自分の葉っぱに配置していきました。

学校開放日では、保護者たちも絶賛していました(栗山小提供写真)

 半谷さんはここで、みんなが作った葉っぱを取り付ける木の幹を出しました。幹には、金属のピンが何本も打ち付けてあります。竹の枝は中が空洞なので、うまい具合にはめ込むことができます。乾いた葉を幹に取り付けてみると「ふしぎな木」のできあがりです。子どもたちが朝から夢中で作った一枚一枚の葉が、1本の素敵な木になりました。

 この2日後の17日には学校開放日がありました。保護者だけでなく、地域の方も学校に足を運んでくれたそうです。みなさん作品を見て、子どもたちの成長を喜んでくれたようです。

ベルマーク商品

「バヤリース」オレンジ PET 1.5L

ベルマーク検収

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