太陽光をテーマに理科実験教室


(2014/10/02)印刷する

熊本県・五木村の五木東小

出来たぞ、バッジ

 一晩中光り続ける「ウルトラマンバッジ」と、お日さまにあたると色の変わる「忍者バルーンスライム」を作る理科実験教室が9月25日、熊本県球磨郡五木村の五木東小学校(生田文明校長、38人)で開かれました。ベルマークのへき地校ソフト援助の一つ。児童たちは、目の当たりにした化学変化の不思議な力に興味を深めました。


 参加したのは、3年生から6年生の21人。体育館に設けた4つのテーブルに数人ずつに分かれて座り、元高校教師で講師の村上規代先生から、太陽光や紫外線の役割、「地球を守る宇宙服」であるオゾン層を守るための取り組みなどを学びながら、実験はスタートしました。

ウルトラマンバッジ

 ウルトラマンバッジは、硬化樹脂(2種類のレンジ液)と光を蓄える蓄光材を紙コップに入れ、すぐにキャンディー棒でゆっくりと混ぜ合わせ、型枠に流し込みました。反応熱で温まった白い液体は、固まるまで約10分。ウルトラマンの背面にピンバッチの金具を取りつけました。型枠から取り出し、油性ペンで色を付ける際に村上先生から「体全部には塗らないでね。光る部分がなくなるよ」とアドバイスを受けて、児童たちは、赤や紺のペンで思い思いの模様をウルトラマンの体に描き、目の部分には銀色の丸いシールを張りました。しばらく日光にさらすと「充電」完了。底の部分にのぞき穴があり内部を黒く塗った紙コップの中でウルトラマンが青白く光りました。「わー、すごい」「かっこいい」と、各テーブルから驚きの声があがりました。

 バッジは、太陽光や電気スタンドに20分ほど当てると一晩中光り続けるそうです。村上先生からは「さびしくなったときなどに見ると、元気がでるよ」。また電気のスイッチや蛍光灯のひもの先につければ目印になり、おじいちゃんやおばあちゃんたちが暗闇でもすぐに探し当てられる役に立つ使い方も教わりました。

これがふくらむかな

 続いて目に見えない紫外線をキャッチする実験です。まずは真っ白なナイロンテープで作った「紫外線マント」を6年生の高田優人君に着てもらいました。体育館の外で太陽光を受けると鮮やかな赤紫色に輝きだして、みんなびっくり。実はテープの中には紫外線に当たると化学変化で発色する特殊なインキの「忍者えのぐ」が練り込んであったのです。

 「忍者バルーンスライム」づくりは、合成のりに70度のお湯、「忍者えのぐ」をビーカーに入れ、さらにホウ砂液を加えて勢いよくかき混ぜました。透明の液体が、しっとりした白いモチ状にかわり、最後に手でもむとスライムが完成しました。村上先生が中央部分にストローを差し込んで大きく膨らませると歓声があがりました。それからは、みんなで風船遊び。屋内で膨らますと白色。外ではピンク色に。あちこちで大きな風船が膨らみ続けました。

ふくらんだ。大成功

 授業の終わりには紫外線の種類や紫外線が人や植物へ与える影響について、また、大切なオゾン層を守るための取り組みなど、理科への興味を深めてもらうとともに「環境教育」も学びました。

 五木東小では、毎週水曜日が「ベルちゃんデー(ベルマークの収集日)」。今年度からは、同小PTA家庭教育委員会の取り組みとして、役場や道の駅、村内14カ所の商店にベルマーク収集ボックスを置き、地域をあげて活動に協力しているそうです。生田校長が「今日の理科実験教室は、みんなが集めてくれたベルマークだけでなく、他のたくさんの人たちが集めてくれたベルマークによって開かれました」と紹介。最後に伝統民謡「正調・五木の子守唄」を児童たちが透き通った歌声で披露してくれました。

 九州山地の山岳地帯にある村内で唯一の小学校は、来年140周年を迎えます。10年前に完成した校舎は、地元産のスギやヒノキで建てられたすてきな山小屋風の校舎です。同校では全児童参加の「緑の少年団」活動で、草花の手入れやシイタケの栽培、地域事業所などへのフラワーアレンジメントのプレゼントなどに取り組んでいます。一方、1人1台のタブレット型パソコンを活用した授業を進めており、来年10月には全国へき地教育研究大会の分科会会場の一つとして、授業及び研究の成果などを公開する予定です。

白衣の村上先生を囲んで

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