東北3県被災校リポート
(2015/10/28)印刷する
被災校、「前へ」懸命/震災前の生活 なお遠く/学校の「記憶」どう「記録」
間借り校舎に仮設校舎。あるいは改修が終わって元の本校舎に戻れたとはいえ、狭く不自由な仮設住宅から遠距離のバス通学。そして、在籍する子どもたちの数の激減に悩む学校……。
東日本大震災から4年7カ月がたちました。復興へのツチ音が続いています。でも、子どもたちの学びと生活が、元通りになったわけではありません。
「震災前に流れていた時間を取り戻してやること」。被災地の校長は、日ごろそう心がけていると言います。
ベルマーク財団はこれからの支援について探るため、岩手・宮城・福島3県の被災校を9月に訪ねました。いまなお厳しい現実と、明るく前へ進もうとする懸命な姿がありました。
本校舎での生活を経験しないまま卒業する中学生がいます。震災直後に入学した小学生は、はや5年生です。先生たちも異動します。
「つまり、いま自分が通っている学校が震災の時どうだったのかを見ていない児童生徒、教職員が多いのです」と語るのは、宮城県小学校長会の荘司貴喜会長です。
学校として当時の状況をどう記録して残すか。教訓をいかに学び、伝えていくか。「『記憶』から『記録』へ。これからはそれが大事になります」。荘司会長はそう話しています。